CAR
“クルマ通”戸賀編集長の愛車遍歴 Vol.23
戸賀編集長が語る愛車ヒストリー 第22弾「新しい生活を始めた戸賀編集長、彼が最初に選んだ1台は、ある意味納得のクルマだった」
![戸賀編集長が語る愛車ヒストリー 第22弾「新しい生活を始めた戸賀編集長、彼が最初に選んだ1台は、ある意味納得のクルマだった」](/wp-content/uploads/2024/01/porche_2024_0108_01.jpg)
10年に渡るMEN’S CLUB編集長という肩書を外し、自由に生きる新たな道を選んだ戸賀編集長。当然、クルマ選びもサラリーマン時代ならではの忖度など一切不要になったことは間違いのない事実。さまざまな制約が外れた彼が、最初に選んだ1台とは、一体どんなモデルだったのでしょうか?
出版業界では、かなりのクルマ好きとして知られている戸賀編集長(トガ)。数々のクルマを乗り継いで来た彼が「何を基準にクルマを選んだのか?」、「そのクルマの魅力はどこなのか?」を大いに語ります。話の聞き手は、戸賀編集長が雑誌編集者時代から30年来の付き合いを続けている、フリーランスエディターの菅原(スガ)。若い頃の数年間は、仕事も遊びもほとんど一緒に過ごしていたという「トガ&スガ」の二人。そんな二人ならではの昔話、こぼれ話もお楽しみに!
菅原 サラリーマン時代最後のクルマが、ポルシェ911(997)のGT3。さらにセカンドカーとして、あのスタディが手掛けたBMWの5GTを所有していたことは、前回の番外編で分かった。
戸賀 あの997GT3を所有したことで、GT3にはPDKが付いていることが必須だと改めて認識できたことは収穫だったし、インチダウンされたサファリ仕様のスタディの5GTは足としては最高のクルマだったよ。ちょっと目立ったけど(笑)。
菅原 そしてサラリーマン生活を卒業。会社を立ち上げ、新たな生活を始めると共に、愛車遍歴の第二幕が幕を開けたって感じの流れで良いのかな?
戸賀 そうだね。俺のクルマ選び自体は、フリーになったからって大きく変わってはいないけどね。でも確かにそのタイミングでクルマを替えたのは事実だな。
菅原 なるほど。では聞こう。フリーとなって、初めて所有した1台とは一体どんなクルマだったの?
戸賀 聞いちゃう?(笑)
菅原 当たり前じゃん。
戸賀 まぁ、隠していても仕方がないから言うと、またもやポルシェのGT3です(笑)。でも、今度は991のGT3だから、PDKが付いているやつ。色はガーズレッドで内装が黒。俺が最初に乗った、964のカレラ4と同じ組み合わせだった。
菅原 PDKを採用した991GT3をすぐに選ぶあたりが、新しいモノが好きなトガらしいというか、何というか(笑)。で、今度の991GT3はどんなクルマだったの?
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戸賀 ファーストインプレッションは、少~し角が取れたかな? って感じだった。でも流石にGT3。やっぱり硬派で、けっこうバキバキだったよ(笑)。乗り心地はやっぱりスパルタンで、ガーーーっていうジャダー音も半端なかった。
このクルマが納車されてすぐ、このGT3なら大丈夫かな?と淡い期待を持ちながら、前回同様、妻と箱根に行ったんだけど、速攻で「二度とこのクルマには乗らない」って言われたからね(笑)。当時モータージャーナリスト達が、「GT3もデートカーになり下がった」みたいなことを書いてたけど、分かってねぇなって思ったよ。乗り心地やサウンド、快適性の評価なら、妻の方がよっぽど分かってる(笑)。
菅原 じゃぁ、トガ自身の991GT3に対しての評価はどんな感じだったの?
![](/wp-content/uploads/2023/12/togacar_1228_2023_02.jpg)
戸賀 そりゃあPDKが付いているし、確実に進化をしていることは間違いなかった。でも乗り味はまだまだ尖がっているし、エンジンサウンドもイマイチだったかな。
菅原 エンジンサウンド? フラット6っぽくないの?
戸賀 いや、フラット6の音はするんだよ。でもポルシェのフラット6特有の、甲高いのに官能的と感じる、あの唯一無二のサウンドが聞こえてこない。そのサウンドを聞くためには、スポーツモードにして6000回転以上でぶん回さないとならない。それって街乗りでは現実的じゃないよね。
それを考えると、BMWのMとかアウディのRSの方が良い音を出していた。あの頃のポルシェって、そういう部分での色気が足らなかったと思う。
菅原 う~ん、あまり高評価ではないな(笑)。まさかそれで997のGT3に引き続き、991のGT3にもあまり乗った記憶がないなんてことはないよね?
戸賀 否定はしない(笑)。結局のところ991のGT3 PDKもまた、俺のライフスタイルには合わなかったってことだよな。でもそのお陰で、素晴らしいセカンドカーと出会うことができたんだよ。
セカンドカーを所有できたからこそ、あの名作に出会えた
菅原 そのクルマって、前回のスタディのデモカーだった5GTに続く、足代わりのセカンドカーという感じ?
戸賀 そうなるね。前のBMW 5GTはスタディの許可を貰って、スタッフに譲ってしまったし、期待していたPDKを搭載したGT3も俺のライフスタイルには合わなかった。で、新たなセカンドカーが必要になった、と。
菅原 う~ん、同じようなことを繰り返している気がする(笑)。では、聞こう! その素晴らしいセカンドカーとは一体?
![](/wp-content/uploads/2024/01/porche_0108_2024_03.jpg)
戸賀 それは、メルセデスのE220d アヴァンギャルドです。俺がセカンドカーに求める条件は、まず金額。確かあのクルマは800万円でおつりがきた。そして何か不具合があった時のサービスがバッチリであること。さらに、モデルチェンジが近くないこと。これはリセールも考えてね。
菅原 きちんとリセールを考えるあたりは、さすがトガ。
戸賀 常識です(笑)。そう考えると、当時Cクラスはモデルチェンジ前だったから、これは候補から外れる。Sはセカンドカーと考えるとしたら、ちょっと違う。となるとEしかない訳だ。
でもE63だとファーストカーに近づいちゃうし、そんな予算もない。そこで選択したのが、生まれて初めてのディーゼル、E220dだった。このクルマ、じつはミラノに行ったときに、ハイヤーで良く乗っていて、良く走っていた記憶もあった。
そんなこともあって、メルセデス日本にちょっと調べて貰ったら、パールホワイトのボディに、内装がベージュっていう在庫があったんだよ。俺はセカンドカーでゴルフに行くことを考えていたから、内装ベージュは最高。黒なら買わなかった。夏のゴルフ場で黒のシートなんて大変なことになるからね(笑)。
最終的に、パールホワイト×ベージュのこのクルマを購入することになるんだけど、「予算」「必要に応じたサイズ感」「使い勝手」などの制約だらけの中で選んだのに、実際に乗ってみたら、これが予期せぬくらい最高のクルマだった。
菅原 どの辺りが最高だったの?
![](/wp-content/uploads/2024/01/mercedes_0108_2024_02.jpg)
戸賀 ホイールがインチダウンされているのもあって、乗り心地が半端ないぐらい良い。メルセデスが言う、『エンジンより速いシャシー』を体感できるクルマだったんだよ。俺は、クルマは基本的に本国仕様派だから、右ハンドルだけが残念だったけど、それ以外はケチをつけるところがないクルマだった。30数年クルマに乗ってきているけど、今までのクルマ生活で5本の指に入る名車だと思っているよ。
藤倉 戸賀さん、ディーゼル独特のエンジン音は気にならないんですか?
戸賀 まったく気にならない。クルマの外に出ないと分からないくらい静かだよ。ヨーロッパでは50万キロ超えでバリバリ走っている個体もたくさんあるから、今、敢えて中古を狙うのもアリだと思う。それくらい最高のクルマだった。
藤倉 確かに中古なら値段もこなれてきているし、狙い目ですね。
戸賀 藤倉も、E220dのアヴァンギャルドを購入して、エンジンより速いシャシーを体感してみるのも良いかもな(笑)。そうだスガ、この流れで次回もセカンドカーを続けていくのはどうかな? E220d アヴァンギャルドの次に選んだセカンドカーも、これまたお気に入りの良いクルマだったんだよ(笑)。
菅原 ファーストカー選びに失敗している時って、セカンドカーに良いクルマがくるもんなんだな(笑)。
ということで、セカンドカーシリーズ、続きます!
ポルシェ 911(991) GT3
全長×全幅×全高:4545mm×1852mm×1269mm
ホイールベース:2457mm
駆動方式:RR
車両重量:1450kg
最高出力:475 ps/ 8250 rpm
最大トルク:44.9 Kg・m /6250rpm
エンジン:水平対向6気筒DOHC
変速機:デュアル・クラッチ7段自動MT(PDK)
総排気量:3799 cc
価格:¥18,590,000(税込)※2015年当時
メルセデス・ベンツ E220d アヴァンギャルド
全長×全幅×全高:4930mm×1850mm×1455mm
ホイールベース:3070mm
駆動方式:FR
車両重量:1800kg
最高出力: 194 ps/3800 rpm
最大トルク:40.8 Kg・m /2800rpm
エンジン:直列4気筒DOHCターボ
総排気量:1950 cc
価格:¥7,280,000(税込)※2018年当時
文 菅原 晃
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