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“クルマ通”戸賀編集長の愛車遍歴 Vol.20

戸賀編集長が語る愛車ヒストリー 第19弾! BMWが持つエレガントの真髄は、6のカブリオレにこそ宿る

2023.10.09

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戸賀編集長が語る愛車ヒストリー 第19弾! BMWが持つエレガントの真髄は、6のカブリオレにこそ宿る

期待をしていたが故に、ちょっとがっかりしてしまったBMWグランクーペ。しかし、そのグランクーペの後、なぜかBMWを乗り継ぐという行動にでた戸賀編集長。彼のお眼鏡にかなった、BMWモデとは一体どんなモデルだったのでしょうか?

業界でも屈指の “クルマ通”である戸賀編集長。数々の名車を乗り継いで来た彼が「何を基準にクルマを選んだのか?」、または「そのクルマのどこが魅力なのか?」を語ります。J PRIMEをご覧の貴兄の“今後のクルマ選び”の参考になれば幸いです。話の聞き手は、戸賀編集長の雑誌編集者時代の同期、フリーランスエディターの菅原。若い頃の数年間は、仕事も遊びもほとんど一緒に過ごしていたという「トガ&スガ」の二人。そんな二人ならではの昔話、こぼれ話もお楽しみにください!

菅原 あれだけがっかりしたグランクーペだった訳だよね? なのに、なんでまたBMWを選ぼうと思ったの?

戸賀 いや、グランクーペも、クルマとしては本当に良いクルマだったんだよ。購入したのは640だったから、エンジンは直6のシルキー6だったけど、十分に速い上に、乗り心地も抜群だった。でね、その時にちょっと気になっていたのが650なんだよ。こっちにはV8が積まれていたんだけど、あのエンジンはレンジローバーで乗って気に入っていたし、そのエンジンの最新版なんだから、気になるのは仕方がない(笑)。650はレンジよりボディが軽いから、文句なしに速いのは当たり前。もう薄々、次のクルマが分かっているような気もするから、先に答えを言っちゃうと、選んだのは650のカブリオレなんだよね(笑)。

菅原 薄々ではなく、そんな臭いがプンプンしてた(笑)。

戸賀 結論から言ってしまうと、グランクーペで気に入らなかった部分を、すべてクリアしているクルマだった。走りで言うと、0-100が4.5秒。俺もその後に、2秒台、3秒台のクルマを所有する訳だけど、あれだけラグジュアリーで、乗り心地が良くて、エレガントなのに4秒台のクルマって他に見当たらない。まさに唯一無二の存在と言っても過言ではないと思うんだよね。

菅原 カブリオレという特別感もあるしね。トガって昔から屋根が開くクルマが好きだよね。スパイダーとか、MGのRV8にも乗っていたし。ちなみにトガの考えるカブリオレの魅力って何なの?

戸賀 簡単に言っちゃうと、彼女と二人で楽しめることだね。カブリオレは、チャイルドシートを取り付けて子供を乗せたり、大人4人でぎゅうぎゅうになって乗るのには、まったく相応しいクルマではない。二人が中心になって、様々なシチュエーションを楽しめるのがカブリオレだと思うんだよ。

菅原 それはクーペではだめなの?

戸賀 う~ん、夢のないことを言っちゃっていい? クーペってさ、言ってしまえば見た目をエレガントにしただけのクルマじゃん(笑)。さらに極論を言っちゃうと、今のクーペって作らなくても良いクルマだと思うんだよ。4ドアベースで、一部の人のために作っているようなクルマ。それをグランクーペに感じたんだよね。でもカブリオレは、そんなせせこましい考えとは無縁の存在なんだよ。その孤高の存在を手に入れたくて、6のカブリオレに手を出してしまったという訳です(笑)。

菅原 ちなみに、色は何をチョイスしたの?

戸賀 そこだけが残念だったんだけど、白のボディカラーに黒の内装、さらに右ハンドルだった。グランクーペが思いのほか早く売れちゃったこともあって、すぐ手に入れられるクルマがそれだったんだよね。本当は左ハンドルでベージュの内装が欲しかったんだけど、そこは我慢するしかなかった。でもね、本当に6カブは気に入っていたんだよ。その証拠に、納車された当時は、中町通りにあったブルックスの前で写真を撮ったり、ありとあらゆるブランドのショップ前で、写真を撮りまくっていた記憶がある(笑)。

6のカブリオレは、雨のドライブも最高だった

菅原 そんなにお気に入りの6カブなら、トガならではのお気に入りポイントとか、こだわりポイントがあったんじゃない?

戸賀 もちろん、あった(笑)。6カブは雨の日に乗っても最高だった。6カブの幌は、雨音をわずかに残しているんだよね。完全に雨音を消すことができなかったのかも知れないけど、信号待ちなどの停車中に、わずかに残る雨の音が心地よいBGMに聞こえるんだよ。反対に、ちょっと走りたい気分の時は、リアのウインドウを3~5センチ開けて走れば、雨の日でも水を巻き込まずにエンジン音を楽しめるんだよ。普段走っているときは本当に静かなBMWのエンジンが、ちょっと回すだけで心地よく吠える。本当に何をやっても絵になるクルマだったよね。

菅原 久しぶりにトガの大絶賛を聞いた気がする (笑)。ちなみに奥さまの評価はどうだったの?

戸賀 乗り心地だけはうるさい妻も、6カブは大絶賛だった(笑)。雰囲気、乗り心地、実用性もバッチリで、当時は一緒にスーパーにも買い物に行っていたし、GTとして箱根に行くぞ~とか、ゴルフに行くぞ~って時にもまったく文句は出なかった。ワインディングを走っても、カブリオレだからボディが緩いなんてことも全くなかったしね。今だったら8のカブリオレもあるじゃないかって思われるかも知れないけど、俺は昭和の人間だから、先代、先々代の6だけが持っていたエレガントさが忘れられない。やっぱり、BMWの1番って、俺の中では8ではなく6なんだよ。さらに、一番エレガントってことになれば6カブしか考えられないかな。本当に気に入っていたから、今でもカーセンサーで探しちゃうこともある。俺が乗っていた6カブのMで、走行3000キロとか5000キロとかで左ハンドルがあったら、ちょっとグラっときちゃったりしている。内緒だけど(笑)。6カブは、走りもスタイルも、乗り心地もすべて最高のクルマだった。もしこの先で、「人生で乗り継いできたクルマのベスト5」を出せって言われたら、間違いなく出てくる1台だね。

BMW 650iカブリオレ
全長×全幅×全高: 4895mm×1895mm×1365mm
ホイールベース:2855mm
駆動方式:FR
車両重量:2050kg
最高出力:407 ps/ 5500 rpm
最大トルク: 61.2 Kg・m /1750~4500rpm
エンジン:V8 DOHC32バルブ ツインターボ
総排気量:4394 cc
価格:¥13,300,000(税込)※2012年当時

文 菅原 晃

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