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踏襲か、激変か、答えを待ち望むルイ・ヴィトンのこれから

2023.02.21

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踏襲か、激変か、答えを待ち望むルイ・ヴィトンのこれから
Portrait by Erik Ian

遂にこの日が訪れました。そう、先日ルイ・ヴィトンの新たなメンズ・クリエイティブディレクターが発表されたのです。この度白羽の矢が立ったのが、ファレル・ウィリアムス。過去2度に渡ってルイ・ヴィトンとのコラボを発表したことのある彼が、満を辞して本丸に登場ってわけです。

2021年に急逝した、元ルイ・ヴィトンのメンズ・クリエイティブディレクターであるヴァージル・アブロー。メゾンとストリートという垣根を超えたスタイル、つまり大人のラグジュアリーを一変させた彼の功績は、今後も色褪せることはないでしょう。彼亡き後、その後任に注目が集まっていましたが、遂に先日発表されました。それが、ファレル・ウィリアムスです。

ファレル・ウィリアムスと言えば、グラミー賞を幾度も受賞した才能溢れるミュージシャン。ソロとしては2004年から活動していますが、それ以前はプロデューサーとして活躍していました。そのプロデュース能力は音楽に留まらず、アパレルブランドICECREAMを手がけるなど、ファッションにおいても発揮。そして日本のストリート、いわゆるトウキョウ・ストリートにいち早く着目したのも彼でした。メゾンの服を纏いながらNIGO氏が当時手がけていたBAPEを合わせていた彼は、2005年に同氏と共にリッチな若者に向けたハイストリートブランドBillionaire Boys Clubをスタート。今でこそ当たり前となったメゾンとストリートのミックススタイルを、20年も前に確立させた立役者なのです。

彼の音楽といえば、ヒップホップを思い起こす人が多いかと。もちろんそれがベースではあるのですが、プロデュースグループのザ・ネプチューンズ時代にはブリトニー・スピアーズをヒットさせるなど、ポップ・ミュージック界でも活躍。その幅広さはファッションにおいても同様で、ヒップホップ、ストリート、モード、はたまたアイビーやプレッピーまで、様々なスタイルをミックスしています。オタクっぽいダサい服をオシャレに見せるナードという概念も、彼が広めたといっても過言ではないでしょう。なにせ、彼が1999年に結成したプロデュース集団の名もN.E.R.Dですしね。

なんでも、6月に行われるパリ・メンズ・ファッション・ウィークで、初のコレクションがお披露目されるとか。ファッションからアート、建築と、マルチな才能を披露したヴァージル・アブローとどこかシンクロするファレル・ウィリアムスとあって、これまでの路線を踏襲かと見る向きもあるよう。しかし、感度が高く先見性のある彼が手がけるとあれば、これまでとはまるで異なる路線に向かう可能性も大。いやはや、春もまだ来ていないのに、早くも初夏が楽しみですね。

文 安岡将文

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