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クルマ通“戸賀編集長愛車遍歴

戸賀編集長が語る愛車ヒストリー 第29弾。マクラーレン570Sを手離した戸賀編集長が魂の選択。スポーツカーを語るなら外すことができない1台を、ついに購入! (前編)

2024.08.21

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戸賀編集長が語る愛車ヒストリー 第29弾。マクラーレン570Sを手離した戸賀編集長が魂の選択。スポーツカーを語るなら外すことができない1台を、ついに購入! (前編)

イギリスのクルマには、純粋に走るのが好きな人が乗るクルマというイメージがあると話し、雨の日には乗らないほど、マクラーレン570Sを大事に乗っていた戸賀編集長。さすがに次のクルマ選びは時間がかかるのでは? と誰もが思っていた矢先、彼はついに1台のスポーツカーを選択。その1台とは一体?

出版業界では、かなりのクルマ好きとして知られている戸賀編集長(トガ)。数々のクルマを乗り継いで来た彼が、10年に渡るメンズクラブ編集長という肩書を外し、忖度が無くなった状態のなかで、「どんな基準でクルマを選んでいたのか?」、「そのクルマの魅力はどこなのか?」等を大いに語ります。
話の聞き手は、戸賀編集長が雑誌編集者時代から30年来の付き合いを続けている、フリーランスエディターの菅原(スガ)。若い頃の数年間は、仕事も遊びもほとんど一緒に過ごしていたという「トガ&スガ」の二人。そんな二人ならではの昔話、こぼれ話もお楽しみに!

まず最初に、マイバッハはセカンドカーではない!

戸賀 スガ、本題に入る前にちょっといい?

菅原 うん? 何かあった?

戸賀 いや、この間のマイバッハの原稿、良く書けていると思うんだけど、一点だけ気になるところがあるんだよ。あのさぁ、さすがにマイバッハをセカンドカーって言っちゃうのはどうかと思うんだよね。

菅原 そりゃ確かにそうだ。

戸賀 そうだろ? 俺にとって、スポーツカーはダントツに好きな、言ってしまえば俺の『魂』みたいなもので、特別な存在なんだよ。で、SUVは好きなクルマで、ファーストカー。セカンドカーになると、今乗ってるW124みたいな感じなんだよ。分かるかなぁ。

菅原 なんとなく言いたいことは分かる。ようするに、トガのなかでスポーツカーは特別すぎて、ファーストカーとかいう括りには入らないって感じなんだろ? さらにトガにとって、マイバッハは間違いなくセカンドカーではない。たぶん、ファーストカー、セカンドカーで括ろうとするからダメなんだよ。今回から、その括りはやめることにしよう! スポーツカーとSUVでいいんじゃない? ということでトガ、今回はマクラーレン570Sの後に購入した『スポーツカー』について聞いていきたいと思います。さて、その1台とは?

戸賀 いきなりだな(笑)。とりあえず、ファーストカー、セカンドカーで括るのをやめることは了解。そして、マクラーレン570Sの後に購入したその1台だけど、それはフェラーリF8トリビュートなのでした。

戸賀編集長、ついにフェラーリを購入する

菅原 トガ~、お前ついにフェラーリに手を出したのか~。マクラーレン570Sを購入するとき、「ポルシェ以外のスポーツカーも試してみたくなっていた時期だった」「それはフェラーリやランボルギーニではなかった」「そんなとき、目の前に現れたのがマクラーレンだった」なんて言ってなかったけ? さらに言っちゃうと、やっぱりイギリス車には、フェラーリやランボにはない控えめな上品さがある、とかも言ってたような気もするんだよね(笑)。

戸賀 うるさいよ(笑)。でもマクラーレンには3年乗ったんだよ。最初の2年間はマクラーレンのアンバサダーだったけど、最後の1年はアンバサダーを卒業しても、ただ純粋に570Sが気に入って乗り続けていた。それくらい気に入っていた1台だったんだよ。

菅原 確かに、トガが同じクルマを3年乗り続けるのは滅多にないことだよな。

戸賀 本当に気に入っていたことが分かるだろ? でもクルマ好きは、いつだって自分のクルマ以外のクルマ、新しいクルマが気になるんだよな。これは仕方がない。だから、凄く硬派でシックなマクラーレンに乗っていても、その対極にある派手なランボルギーニのV10、V12が、ついにハイブリッド化! なんて聞くと、やたらと気になってしまう。でもなスガ、ポルシェ、マクラーレン、ランボなどのスポーツカーを実際に所有したり、中古相場の動きを見ていると、あることに気が付くんだよ。

菅原 どんなこと?

戸賀 スポーツカーの世界では、どうしてもフェラーリが幅を利かせているということ。やっぱり、ちょっと特別な存在なんだよね。

フェラーリのF8

菅原 確かに、スポーツカーの頂点という印象はあるけどね。

戸賀 フェラーリは、硬派な部分と、ある意味派手な部分を兼ね備えている。だからこそ、どコンサバな人からも、派手好きな人からも愛されている存在ということに、誰も異論はないと思う。当然、日本のマーケットでも人気があるから、その売り上げが世界第4位というのも分かるさっきスガにツッコまれたけど、俺はフェラーリに対して、アンチという立場をとっていた部分もあるんだ。フェラーリは好きだし、気になる存在。でも、それを認めたくない俺もいる。だからフェラーリではなく、敢えてマクラーレンに乗っていた部分もあった。

菅原 だろ? 本音は昔から、フェラーリが気になって仕方なかったんじゃないの~?

戸賀 そこは認めざるを得ないかな。でもクルマ好きなら、どうしたってフェラーリというブランド、さらにそのエンジンが気になるのは仕方がないことだろ? フェラーリのエンジンは、どんな人でも惹き付けられる感動する音を持っていると、俺は思っているんだよ。やっぱり一度はフェラーリに乗ってみたいと思う自分がいたことに、570Sに乗っている時、あらためて気が付いたんだよね。まぁ、もうひとつの原因は、570Sのエンジン音がイマイチだった、ということにもあったような気もするけど(笑)。

フェラーリのF8のエンジン

マクラーレンに乗っている時に、オーダーを入れました

戸賀 これはマクラーレン570Sの回でも話したことなんだけど、友人で制作会社を経営している若山社長が、「戸賀さん、マクラーレン、いくらで売ってくれます? いつ売ってくれます?」って、何度も声を掛けてくれていたんだ。もちろん、アンバサダーは卒業していたし、タイミング的にはマクラーレン570Sの売り時でもあった。だから、『若山社長にマクラーレンを引き取ってもらおう』と決めたんだけど、なぜかそれとほぼ同じタイミングで、フェラーリの営業から連絡があったんだよ。その時に、今ならフェラーリを購入することが可能だということが分かった。そこですぐに内金を入れて購入を決めたという、いきさつがあった。何となく、アンチの立場で購入したマクラーレンに乗りながら、フェラーリに内金を入れている時は、なぜかマクラーレンのシートの座り心地が、悪かったように感じた記憶がある (笑)。

フェラーリを、まさかのZOOMでオーダーする

菅原 内金を入れた後は、フェラーリから連絡があるまで待っている感じなの?

戸賀 そうだね。それから少し経ってフェラーリから、「戸賀さん、オーダーのタイミングがきました」って連絡が入ったんだよ。でも、時はまさにコロナ禍。営業所に行くこともなく、まさかのZOOMでオーダーすることになった。

菅原 いや、その経験はある意味貴重かもよ(笑)。というか、俺はフェラーリを買ったことがないから良く分からないんだけど、かなり細かい部分までオーダーできるの?

戸賀 そう。俺はこの時、フルオーダーをかけた。担当者も俺も画面を見ながら、「ここの素材はどうしますか?」「ここの色はどうしますか?」みたいに決めていくんだけど、全部で2時間くらい掛かったかな? 長時間のZOOMで、外装、内装、パーツの素材、ステッチのカラーみたいな細かいところまで全部オーダーをして、ようやく終了。そこから作業が始まって、日本にクルマが届くまで、10か月くらい掛かったかな。クルマが届くまでの間は、フェラーリから、自分のクルマが今どういう状態なのかが分かる画像をアプリで送ってくれるんだよ。納車待ちの時間をそんな風に愉しませてくれるあたりは、さすがフェラーリだったね。で、ついに納車となるんだけど、納車当日にまさかの事態がまっているんだよ。

菅原 うわ~、気になる~。でも話しが長くなるようなので、今回はここまで。

次回の後編では、戸賀編集長は、なぜF8を選んだのか? どんなオーダーを入れたのか? そして、まさかの顛末をお送りしたいと思います。お楽しみに!

文 菅原 晃

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