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会社経営 X氏が愛用するビンテージロレックスにまつわるストーリー

2024.05.29

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会社経営 X氏が愛用するビンテージロレックスにまつわるストーリー

会社経営Xさんは、本メディアの代表である戸賀編集長の友人であり、ビンテージロレックスコレクターです。マニア垂涎のデイトナを複数持つ粋人ですが、その本気度はまさに玄人はだし。そんな大丸・松坂屋の外商会員でもあるXさんの華麗なるビンテージロレックス遍歴を、特別にご紹介いたします。

大事なのはブランドよりも自分にシックリくるかどうか

ファッションやグルメにこだわるように、ユニークな人脈を日々広げている戸賀編集長。Xさんは、そんな編集長の友人の一人で、オフタイムは戸賀編集長とゴルフや会合に出掛けるハイセンスな都会人。トレンドをさり気なく取り入れたファッションに身を包み、クルマと時計を趣味としている人物です。今回はそんなXさんが大切にコレクションしているビンテージロレックスに絞ってお話を伺いました。

Xさんの人生において、いわゆる高級時計との初コンタクトは、父親から渡された当時の現行品であるロレックスのエクスプローラー1。20歳のお祝いとしてプレゼントされたものだと言います。そして22歳の時にアメリカはN.Yに留学することとなったXさん。その渡航先にて、後年、ロレックスのビンテージ沼にどっぷりハマってしまう運命的な出会いがあったと振り返ります。

「当時、そのN.Yの学校で仲良くしていた友人が“赤サブ”(ロレックス サブマリーナーの文字が赤色表記のモデル)を着けていたんです。当時の自分はビンテージウォッチが何かも分からない素人でした。しかしナゼか強い衝撃を受け、そのモデルがすごく欲しくなってしまったのです。独力でいろいろ探したのですが、赤文字表記のサブマリーナーはすでにレアモデルとして一定の認知を受けており、その辺を軽く探すくらいでは見つかりません。しかし諦めきれない僕は、赤サブ探しを続行。そしてある時、ラスベガスに行く用事があって、ついでにスロットを回したところ$1000くらいの所持金がなんと5倍に増えてしまったのです」

これはチャンスと感じたXさん。それまで探していなかったN.Yのミッドタウンを探索し、ついに一軒のビンテージショップを見つけたのです。

「そこに求めていた赤サブが置いてあったのです。しかしプライスはコトもあろうか$8000。手持ちの軍資金ではあと$3000足りません。しつこくディスカウントをお願いしましたが、店員はムリだの一点張り。しょうがないので初回は退散し、日を改めてもう一度根気よく交渉しに行きました。そしたら今度は奥からビッグボスみたいなオヤジさんが出てきて。『お前はしつこすぎる。もういいから5000で持って帰れ!』と言われ、どうにか手に入れることができたのです(笑)」

なんという執念。Xさんは足掛け2年半ほどを掛けて、ついに憧れの赤サブの夢を叶えたのです。それ以来、何をするにも赤サブを着けて過ごしていたXさん。その赤サブは20年以上経つ今も大事に所有されているとのこと。「その当時、あの勢いでビンテージロレックスを買いまくっていたら、恐らく今ごろ僕は億万長者だったかもしれません」と笑って付け加えます。
そんなXさんですが、無事留学を終えて日本に帰ってきます。その後27歳の時に東京に拠点を移します。そしてその当時は、時計史上空前の“デカ厚”ブームに湧いていた1990年代。

「周囲の知り合いもこぞってそのブームに乗っており、僕もマネしてパネライを買ったりウブロを手に入れたりしていました。その頃はサーフィンなどのマリンスポーツにも凝っていまして、現行モデルのヨットマスターなどを着けていましたね」

ここに来てビンテージ熱が一旦冷めてしまったかに見えるXさん。しかし、そのままトレンディ青年になってしまうかと言うとさにあらず。やはり本来の道(沼?)に戻っていくこととなるのでした。

「確かに当時、少しブレていましたね(笑)。しかしビンテージへの憧れは持ち続けていました。実はクルマもちょっと古めのものが昔から好きで、レンジローバーなどに乗っていたんです。ポルシェ911もナロータイプが好きで、今も欲しいと思っています。しかし時計の場合は、古いものをどう買うのが正解なのか、まったく知識がなかったんです。N.Yで手に入れた赤サブも、後年になって鑑定していただき本物と判明しましたが、まかり間違ったらツカマされていたかもしれません。どういうルートをたどって買うべきなのか、ノウハウを持っていなかったのです」

そこで登場するのが独自の販売網を活用し、店舗を構えず知り合い限定にてビンテージウォッチを販売しているプロフェッショナルのAさんです。

ロレックスのデイトナ

「ある時ファッション関係の友人が、素敵なビンテージのデイトナを着けていました。どこでどうやって手に入れたのかをアレコレ伺うなかで、Aさんを紹介してもらうことができたのです。僕のファーストデイトナであるRef.6263は、そのAさんにオーダーを入れて1〜2カ月で手元に届いた一本です」

一旦は、トレンドウォッチの方面に進路をとりそうになったXさん。そのまま雲上ブランドなどに舵を切ることはなかったのでしょうか?

「僕個人の感覚になりますが、オーデマ ピゲはもちろん良い時計。しかし自分には少し大き過ぎると感じたのです。また、パテック フィリップにしても当然完璧。しかしどうも自分自身にマッチししているように思えなくて。そこへ行くとビンテージのロレックスは、エクスプローラー1もデイトナもシックリくるんです。とは言え、やっぱり一般的ではないかも知れません。リシャール ミルやウブロだと夜のお店でも“凄ーい”とか言われますけども、ビンテージロレックスってヤツは気付かれないコトがほとんど。到底モテ時計などではありませんね(笑)」

ロレックスのGMTマスター
ロレックスのエクスプローラー1
ロレックスのサブマリーナー

基本的にXさんは、時計に限らず歴史を経たビンテージアイテムに心惹かれる性分。そして目立ちすぎることなくシンプルに研ぎ澄まされたデザインを愛好する性格なのでしょう。それゆえに、ロレックスが結論であり、その後もビンテージのエキスプローラー1(ティファニー ダブルネーム)やサブマリーナー、GMTマスターを手に入れていきます。そんなビンテージ沼に戻ってきたXさんですが、今度はさらなる深みとも言えるデイトナ道を突き進んでいきます。

ロレックスのデイトナ
ロレックスのデイトナ、ポールニューマン

「Aさんを介して手に入れたRef.6263は、非常に理想的でありかなり気に入りました。そこで次に手を出したのが、いわゆるビッグレッドと呼ばれるモデルです。また、ビンテージデイトナを集めだすと気になるのがポール・ニューマンと呼ばれるモデル。とはいえポールは別格のビンテージデイトナです。だから本気購入を考え出したのは40歳になってから。日々仕事も頑張っていますし、40代であればポールの風格になんとか追いつけるだろうと考えたのです(笑)」

そしてXさんは、ロレックス沼よりも一層やっかい?なデイトナ沼へと進み、とうとう金無垢のデイトナにも食指を動かします。しかし、コレに関しては予想外の展開があったと語ります。

「自分の事業におけるある目標を達成したら、その記念にフルゴールドのデイトナでお祝いしようと自分にハッパを掛けていました(笑)。これはなかなかのハードルであるし、金無垢のデイトナにしてもそうそう見つかるものではありません。そこである時にAさんにオーダーを入れておいたのですが、予想よりもずいぶん早くそのデイトナが届いてしまいました(笑)。事業達成はもう少し先になるので、そのデイトナの包みはまだ開けていません。そのときが来たら本当に自分のモノとして、パッケージから取りだし身に着けたいと思っています」

目標に合わせて希少なビンテージウォッチを手に入れるというのは非常に夢のある話。しかし、それがデイトナとなると大分話が変わります。Xさんはこの奥深い沼についてどのように考えているのでしょう?

「自分でも十分キケンだと思っています(笑)。ですので、時計ケースを2個に絞りました。10本用と6本用の計2ケース16本にてコレクションを完結させる予定です。現在、そのケースに入るビンテージロレックスを15本所有しています。そう、あと一本空席があるのです。それは金無垢のポール・ニューマンのためのもの。自分の人生における頂点を極めたときに、お迎えできたらと思い日々精進しています(笑)」

外商会員はリッチなオジサンの味方です。
申し込みはWebで簡単にできます!
https://www.connaissligne.com/gaisho/index

撮影 J PRIME編集部
文 長谷川 剛

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