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“クルマ通”戸賀編集長の愛車遍歴 Vol.18

戸賀編集長が語る愛車ヒストリー 第17弾! 今回はちょっとイレギュラーに展開。人生初のBMW、本当は『Z8』だったの巻スタート

2023.07.20

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戸賀編集長が語る愛車ヒストリー 第17弾! 今回はちょっとイレギュラーに展開。人生初のBMW、本当は『Z8』だったの巻スタート

業界でも屈指の “クルマ通”である戸賀編集長。数々の名車を乗り継いで来た彼が「何を基準にクルマを選んだのか?」、または「そのクルマのどこが魅力なのか?」を語ります。J PRIMEをご覧の貴兄の“今後のクルマ選び”の参考になれば幸いです。話の聞き手は、戸賀編集長の雑誌編集者時代の同期、フリーランスエディターの菅原。若い頃の数年間は、仕事も遊びもほとんど一緒に過ごしていたという「トガ&スガ」の二人。そんな二人ならではの昔話、こぼれ話もお楽しみにください!

愛車遍歴を語っているうちに、昔の記憶が蘇ってきた戸賀編集長。人生初のBMWがZ8だったことに気が付いたのが前回のお話。今回は、その忘れ去られていた、Z8について語って頂きます!

戸賀 Z8は、メンズEXの編集長をやっていた頃、それも後半に乗っていた車だね。知人から、九州でZ8を所有している方をちょうど紹介して貰えたんだよ。それも2年間、まったく動かしてないという話だった。

菅原 それって、車に問題があった訳ではなくて?

戸賀 車に問題は無かったし、もちろん屋内保管だったよ。映画007、ワールド・イズ・ノット・イナフのボンドカーだったんだけど、スタイリングが本当にカッコ良かった。

菅原 あぁ、映画では巨大な丸ノコで真っ二つにされちゃうやつね。

戸賀 うるさいよ(笑)。スガ、お前そういうことはよく覚えているよな。話しを戻すぞ。気になってはいたので、雑誌などを読んで、Z8の評価をあらためて確かめてみたんだよ。そうしたら思いのほか評判が良くなかった(笑)。BMWなのにアメリカンテイストとか、BMWといえばシルキーエンジンなのに、Z8のエンジンは、ドロドロドロドロ音がするとかね(笑)。このエンジン自体は、俺が後に乗ることになるレンジローバーの4.9リッターV8エンジンをベースに、Mがチューニングしているから最高の仕上がりだった。だけど、高回転型というよりはトルクの塊みたいなエンジンで、良くも悪くもBMWらしくなかったんだよ。

菅原 BMWというより、アメ車だね。

戸賀 トルクフルなV8という点ではそうかも知れない。でも、なぜかこの車、左ハンドルのマニュアル車しか設定がなかったんだよ。大排気量でトルクの塊なのに、オートマがない。マニュアルだから慎重にクラッチを繋がないと瞬間的にドカンっと前に出る。2速、3速でも一緒。気を付けて繋がないと、またドンっと出る。まさにトルクの塊だったね。でも、そんな車だから、俺が手に入れるチャンスも回ってきたんだよ。

走行距離300㎞の極上品

菅原 それはどういう意味?

戸賀 じつは九州の前のオーナーは高齢の方で、007を観ていたら、あまりにカッコ良くて欲しくなってしまったらしいんだよ。

菅原 トガと一緒じゃん(笑)。

戸賀 うるさいな(笑)。でも、家族の反対を押し切って買ってはみたものの、いかんせん、Z8はトルクの塊だったので、危なくて乗れそうもない。

菅原 家族としても、危なくて乗せられないね。

戸賀 そう。そのまま2年間ガレージで眠らせてしまって、走行距離300㎞のまま、俺の下にくることになったわけ。実際に九州からはトランポで運んでもらったんだけど、東京に着いて確認したらハードトップとボディの隙間のパッキンが溶けてくっついていたり、小さなトラブルはあった。シルバーのボディや赤の内装はきれいだったけど、すぐにハイランダー(磨き屋さん)に持ち込んで、ハードトップを外してパッキンを取り除き、磨き上げて乗り始めた記憶がある。

菅原 まぁ、2年間寝かせていたらそうなるよな。ちなみにその車、いくらで購入したの?

戸賀 当時の下取り価格とだけ言っておこう(笑)。1年半くらい所有していたのだけれど、その間にZ8の値段がヤバいことになってた気がする。でも転売を狙って買ったわけじゃないからね。勝手に評価が上がってきたんだよ!

Z8に関する戸賀の結論

写真/望月浩彦

戸賀 Z8は、ワンオフのモデルだったから、一部のスイッチ類以外は、すべてZ8のために作ったという本当にスペシャルな車だった。でも当時の自動車雑誌などの評判は今ひとつ。本当は良い車なのに、見た目が良いだけの車というイメージが先行しちゃったのは惜しいかな。ちょうど俺も、メンズEXの編集長に就任して3年目でサラリーマンとはいえ、脂がのり始めた頃だったし、クラシコイタリアの編集長をやっていたのに、ドルチェ&ガッバーナを全身着ているような、ダメな編集長だったから(笑)、初めて人に見られることを意識して購入した車がZ8というのは合点がいく部分もある(笑)。

菅原 Z8ならではの思い出ってないの?

戸賀 う~ん、本当に所有する喜び以外は思い当たらないなぁ。佇まいも、エンジンも、インテリアも、照明も最高だったのに、なぜマニュアルだけだったんだろうね。オートマがあったら最強だったと思うよ。オートマなら今でも欲しい(笑)。でもマニュアルのスポーツカーが大好きな俺に、大切な教訓を与えてくれた車でもある。「大排気量のマニュアル車には乗るな」ってね(笑)。GT3も、マニュアルなんか買ったって操縦できないと思っているよ!

BMW Z8
全長×全幅×全高:4440mm×1830mm×1315mm
ホイールベース:2505mm
駆動方式:FR
車両重量:1610kg
最高出力:294 kW (400 PS)/6600 rpm
最大トルク:500 N・m (51.0 Kg・m)/3800 rpm
種類:V型8気筒DOHC32バルブ
総排気量:4941cc
価格:¥16,600,000(税込み)※2003年当時

文 菅原 晃

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2024年12月8日(日)パネライ大丸心斎橋ブティックにて戸賀編集長のショッピングアドバイス

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