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TOGA×Taycan Car Impression

戸賀編集長が語るポルシェ タイカン・インプレッション〈第3弾〉
「ラグジュアリーかつスポーティなEVをどう乗りこなすか?」

2022.07.24

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戸賀編集長が語るポルシェ タイカン・インプレッション〈第3弾〉<br/>「ラグジュアリーかつスポーティなEVをどう乗りこなすか?」

J PRIME戸賀編集長は、自他共に認める“大の”クルマ好きです。その彼が「いちばん好きなクルマはポルシェ」と明言。そこで最新のポルシェ…それもポルシェ初のフル電動スポーツカー「Taycan(タイカン)」を紹介します。連載3回目はニッポンのクルマ事情における「タイカンのライバル」や、「タイカンのカッコいい乗り方」について…少し独断と偏見が混じった…“戸賀目線”で語ります。

「スマートゴルファーはポルシェ タイカンに乗るべきですね」

戸賀 タイカンのカーインプレ連載最終回も、僕の編集者人生の先輩である高さん(『“クルマ通”戸賀編集長の愛車遍歴」参照)と語り合いたいと思います。今回のテーマは何でしたっけ?

高 うむ。戸賀編集長が何日間かタイカンに乗ってみて感じたことを、赤裸々に語っていただきましょう。で、どこまで走ったの?

戸賀 ちょくちょくゴルフに行く時に乗りましたよ。港区のマンションから関東近郊のゴルフ場までは、平均して片道約80kmくらいですかね。普通のクルマだとそこまでのアクセスは単なる移動でしかないんですが、タイカン ターボSに乗ってるとアクセスそのものが楽しいイベントになるんです。早朝、マンション近くのインターから首都高に乗るとタイトカーブが続くんですが、タイカンの2.3トン超の重さを感じさせずに軽快に走り抜けることができました。また、郊外への高速道路に入ってからのクルージングは快適そのもの! 曲率が緩い高速コーナーをアクセルを踏んで走っても、しごく安定してクリアできました。前回、高さんが説明してくれたように、タイカンにはいろいろな先進テクノロジーが搭載されていますが、その中でもリア アクスル ステアリング…いわゆる4輪操舵システムが効いていると思います。つい最近まで乗っていたベントレー ベンテイガは2.4トンで430PSなんですが、それはそれで結構気持ちよく走れてたんですけどね…まるでジャンボジェットの離陸の時みたいにぐわ〜っと加速するのが快感だったんですが…。ベンテイガの0-100km/h加速4.5秒に比べてタイカン ターボSの0-100km/h加速は2.8秒ですから、タイカンはまるで『トップガン・マーヴェリック』のF/A-18E/F戦闘機並みでしょ! どうりで高さんとチョイ乗りした際、アクセルをベタ踏みした時にふたりとも絶叫したワケですね(笑)。

タイカン
タイカン
リアのラゲッジコンパートメントの容量は3661リットル。フロントのラゲッジコンパートメントの容量は84リットル。「リアのトランクリッドがほぼ垂直に開くうえ、バンパーが低いので荷物の出し入れが容易ですね」と、早速ハンティング・ワールドのキャディバッグを入れる戸賀編集長。

高 その一方で、重心が下にあるおかげで姿勢は安定していて、しかも乗り心地が凄く良かったってワケだな。

戸賀 そのとおり! それに強力なブレーキ…タイカン ターボSにはポルシェ セラミックコンポジット ブレーキが搭載されているんでしたっけ…そも良いですね。料金所での減速はもちろん、他のクルマが割り込んできた時でも安心してブレーキを踏めましたから。タイカンは攻めた走りをするほど真価を発揮するので、僕が今まで乗っていたベンテイガとは差が歴然ですね。

高 タイカンとベンテイガを比較しちゃいかんだろ(笑)。

戸賀 そうっスね(笑)。ところで、ゴルファーっていうのは朝は気分が高揚しているので、ウキウキしてスポーツドライビングを楽しみたいんです。でも、帰りは18ホールを回った疲れが出ているので、リラックスして運転したいんです。そんな両極端なドライブを、タイカン ターボSならどちらも高次元で実現してくれると実感しました。

高 なるほど。タイカンにはレーン キープ アシストやレーン チェンジ アシスト、衝突回避およびブレーキアシスト機能といった、ドライバーをサポートするさまざまなシステムが装備されているからね。疲れた状態でも安全かつ快適に家まで帰れるってわけだね。

戸賀 もう一つ印象的だったのは、ほぼ無音のEVだからこそ、Burmester® ハイエンド 3D サラウンド サウンド システムの性能が活かされるってこと。いやぁ、個別制御可能な21個のスピーカーからの臨場感溢れる音楽には痺れましたね!

高 ふ〜ん。俺なら音楽なんてかけないな。ほぼ無音で走るタイカンで自然の中をドライブすれば、小鳥のさえずりや木々を抜ける風の音が楽しめるじゃんか。しかも排ガスを出さないんだから、周りの環境を汚さないしね。それこそタイカンのドライブの醍醐味じゃないの?

戸賀 ええっ!? 高さんがそんな真面目な発言をすると、真夏に雪でも降るんじゃないっスか!?(笑)。 まぁ、ドライブの楽しみ方は人それぞれですが、僕はゴルフでタイカンの実力を満喫しましたよ。タイカン ターボSの航続距離は400kmですから、関東近郊のゴルフ場なら余裕で往復できます。帰りは高速サービスエリアに寄って、ZOOM会議しながら充電スタンドで30分だけ充電すると、仕事も充電もできて一石二鳥! ヨーロッパのEVオーナーはあえて満充電にしないで、長距離ドライブでも充電を繰り返しながら走って目的地まで行く人が多いらしいですね。そういう余裕を持ったスタイルがカッコいいと思います。

タイカン
タイカン
タイカンの航続距離は最長463km(WLTCモード一充電距離、パフォーマンスバッテリープラス装備車)。タイカン 4 クロスツーリズモだと470kmまで伸びます。「満充電での最長航続距離にこだわるには、ちょっと滑稽な感じ。だって、いっぺんに400km以上走ることってまず無いでしょ!? ドライブしながら必要な分だけを充電するという余裕のあるスタンスで乗りましょう」と語る戸賀編集長。

高 とかく日本人は満充電にこだわりがちだよな。自分が走ろうとしている距離+αの充電でいいのに、何が何でも満充電したがるよなぁ。国民性なのかね!?(笑)。

戸賀 ヨーロッパスタイルで充電すると、タイカン ターボSはまさしく“ゴルファーズ・エクスプレス”になります。自然や環境に配慮するゴルファーは、ぜひタイカンに乗って欲しいですね。

「タイカンのライバルは、ずばり911でしょう!」

高 さて、タイカンのライバル車は何になるんだろう? さっきゴルファーに最適と言ってたくらいだから、やっぱりSUVになるのかな? あるいは4ドア・セダン?

戸賀 う〜む、タイカンのリアシートは非常に快適でしたね。僕はポルシェのラインナップの中では、タイカンのリアシートが最高だと感じました。シートそのものは911みたいに身体を点で支えてくれるんですが、その点が無数にあってまるで面で支えている感じ。でも、決してお尻が沈み込むことはないので、長時間座っていてもお尻や腰が痛くならないんですよ。また、EVならではのフラットな床が効を奏して、レッグスペースが意外と広いのが良いですね。

タイカン
タイカン
タイカン ターボSには「Burmester® ハイエンド 3D サラウンド サウンド システム」が搭載。2wayセンターシステムや、3D ハイエンドサラウンドテクノロジーを採用した25cm/400WのクラスDアンプ内蔵アクティブサブウーファーを含む個別制御可能な21個のスピーカーによって、室内に均一かつ豊かに広がる自然なサウンドを奏でます。リアシートは「意外に広くて快適」と戸賀編集長は好評価! しかし「あえて前席だけ使うのが、贅沢でカッコいい乗り方なんです」とも。

高 あなたみたいに足が長い人でも余裕で座れる…ってわけだね(笑)。ってことは、後ろに上司とかクライアントとかを乗せられるプレミアムサルーンがライバルってこと? タイカンはそういう乗り方がいいの?

戸賀 いや、僕は常々リアシートの在り方について考えているんですが…。どんなにラグジュアリーなクルマでも、大切な人をリアシートに座らせるのは気が引けるんです。本当にリラックスして座れるリアシートは、SUVならベンテイガのロングホイールベース・バージョンか、キャデラック・エスカレードくらいでしょう。プレミアムサルーンならロールスロイスかマイバッハくらい。あるいはアルファードとか…ね。だから、いくらタイカンの後席が快適だからと言っても、あえて2シーターあるいは2by2として乗りたいですね。つまるところタイカンのライバルは、スポーツカーになると思います。

高 おおっ、なんて大胆な意見! 4ドアで後席に2人座れるというのに、前席に1人もしくは2人だけでドライブするという、なんて潔くて贅沢な発想!

戸賀 数あるスポーツカーの中でも、ボディの剛性感、インテリアの雰囲気、ドライバビリティを鑑みると、ライバルはずばり911になるんじゃないですかね。911が持っているピュアなドライビングプレジャーを、EVとか環境問題とかを考えずにとことん楽しめるのがタイカン ターボSの魅力だと思います。911のクライマックスの走りを、タイカン ターボSならアクセルひと踏みでいつでもどこでも満喫できますし、それでいて911よりも広い後席と快適な走りも持ち合わせているんです。そうやって乗っていて、「そう言えばコレッて排ガスを出していないんだっけ」と気づくくらいのスタンスがいいんじゃないでしょうか。

タイカン
タイカン
ひと目で「速そう」「カッコいい」と思わせるタイカンのスタイリング。そんなタイカンに乗るには「ラグジュアリースポーツ略して“ラグスポ”なコーディネートで乗りたいですね。ドルチェ&ガッバーナのTシャツ、リシャール・ミルの時計は必須でしょう」と語る戸賀編集長。

高 おっと〜、それじゃあ911ユーザーがタイカンに流れちゃうんじゃないの…!?

戸賀 いやいや、そうじゃないですよ。911オーナーがセカンドカーとしてタイカンを持てばいいんですよ。例えば911タルガ4とタイカン ターボS、あるいは911GT3とタイカンといった感じ。かくいう僕もタイカンが欲しいと思っていますから(笑)。

「Porsche Taycan Turbo S」
●全長×全幅×全高:4965×1965×1380mm
●車両重量:2330kg
●システム最高出力:761PS(560kW)
●システム最大トルク:1050Nm(107.1kgm)
●価格:¥12,260,000(タイカン)〜¥25,070,000(タイカン ターボS)

ポルシェジャパン
https://www.porsche.com/japan/jp/

撮影 杉田裕一
文 高 成浩(POW-DER)

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