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オヤジの永遠の憧れ、ロレックス「デイトナ」
ターニングポイントは1988年! “初の自動巻き式ムーブメントの採用” 自動巻き「デイトナ」の系譜が知りたい!
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いまや“世界で最も有名なクロノグラフ”といっても過言ではないロレックス「コスモグラフ デイトナ」。天井知らずの人気モデルの魅力を知る上で欠かせない自動巻きモデルの誕生の経緯と現在の市場動向などについて解説します。
新たなデイトナ伝説の幕開けが始まる
![デイトナ](/images/CzSeBAgJkcpPJojgQQsusxYIIkudTIkm/fc910283-00d9-4085-a2c4-650323b1eedc.jpg)
1963年に発表されたロレックス「コスモグラフ デイトナ」の歴史において、大きなターニングポイントになったのが、1988年の“自動巻き式ムーブメントの採用”でした。
古典的な複雑機構のひとつに数えられるクロノグラフの自社製のムーブメントを開発・製造は、技術やコストの問題などのあらゆる面で困難を極めるものです。
これについては、パテック フィリップをはじめとする超一流と呼ばれるブランドでも例外でなく、専業メーカーが製造したエボーシュを独自に改良する形で採用していた時代が長い間続いていました。
ロレックスも然りで「コスモグラフ デイトナ」の初の自動巻き化の時点では自社製ムーブメントの開発までには至らず、毎時3万6000振動のベースムーブメントの振動数を毎時2万8800振動に抑えることで耐久性を向上させたCal.4030へと発展させ、このムーブメントを搭載させることでようやく本格的なモデルチェンジが実現できたのです。
自動巻き化と同時にデザインをリニューアル
これまで「コスモグラフ デイトナ」は手巻き時代も機能の向上などに伴い、ディテールのマイナーチェンジを幾度も行ってきたのですが、自動巻きモデルの発表時では比較にならないほどデザインを刷新しました。
904Lステンレススチール製のRef.16520を例に変更されたポイントを挙げていきます。
第一に注目すべきは、“ケースデザイン”でしょう。新型の自動巻きムーブメントCal.4030を搭載するために、これまで36mm径だったケースサイズを40mm径まで拡大、「コスモグラフ デイトナ」では初となるリュウズガードを採用しています。防水性能は手巻き時代には成し得なかった100mを達成しました。
![デイトナ](/images/tNsaFhoDHxtaCHGFRxeBEQExjTVVKoiy/446791ce-8921-4c61-9da2-1a1bbfc2ab0d.jpg)
このモデルの特徴であるタキメーターベゼルは、手巻きモデルの最終品番のひとつであるRef.6263まで採用されていたプラスチック製のべゼルを廃止。ケースやブレスレットと同じ904Lステンレススチールで統一されるようになりました。
手巻きモデルの文字盤を見比べれば一目瞭然ですが、視認性の向上を目的にレイアウトも見違えるほど変わりました。
つまり、「コスモグラフ デイトナ」は自動巻き化によって、まったく新しいルックスを手に入れたのです。
ラグジュアリーなモデルがラインナップに加わる
激動のクオーツショックから立ち直り、新たな機械式時計ブームが訪れた1980年代という時代の寵児であった新生「コスモグラフ デイトナ」の快進撃はとどまるところを知りませんでした。
その理由のひとつは、“バリエーションの拡充”がありました。主軸のステンレスケース以外にも、シリーズ初の18Kイエローロレゾールが初登場。手巻きモデル時代から展開されていた18Kゴールドモデルでは、時代を追うごとにラグジュリーなスタイルが追加されました。
![デイトナ](/images/JGOqzUtfIcxvvpbuqCRYNeDYoOhzcpAu/57942f63-96c1-499a-a9b0-a4f641af5836.jpg)
![デイトナ](/images/UXGdXIvKkOjxzZCLYLjhkslIWJDmnIqU/5f9fbc34-847b-4392-973a-3c0eb3f6ab72.jpg)
![デイトナ](/images/HeNuIaYGABTTJosvTvKpCEVFjvhYELHH/fb3b536b-ade0-4036-b4b8-f3f5488831a5.jpg)
アメリカのレーストラック「デイトナ・インターナショナル・スピードウェイ」との関係性から誕生した稀有なクロノグラフである「コスモグラフ デイトナ」は、スポーティな雰囲気はもちろん、モータースポーツが持つ華やかな雰囲気を表現する上でうってつけの1本だったのです。
ポストヴィンテージとしての揺るぎない人気が
今日の世界的なデイトナブームは凄まじいものがあり、ヴィンテージから現行コレクションに至るまで、その人気は一向に衰える気配を見せません。 ここで取り上げたCal.4030が搭載されていた1988~2000年までに製造された自動巻きモデルに関しては、前々からひとつのジャンルとして人気が確立されています。
![デイトナ](/images/CzSeBAgJkcpPJojgQQsusxYIIkudTIkm/fc910283-00d9-4085-a2c4-650323b1eedc.jpg)
![デイトナ](/images/eGqumyOCmGVXmVNwJocXmbYvdKIejYBR/6bbcffce-3542-43c9-a599-40db9da9d26e.jpg)
それぞれステンレススチール製のRef.16520ですが、製造された時期が異なるため、文字盤の表記やブレスレットの接続部分などのディテールに違いがあります。ちなみに白文字盤のモデルはCal.4030が搭載されていた最終モデル。
火付け役は、オークションハウス・アンティコルムの創業者オズワルド・パトリッツィ氏だと言われています。彼が名付けた“ブラウンアイ”と呼ばれるRef.16520は非常に高い人気を誇ります。
この他にも製造期間が極端に短い最初期の通称“段落ち”と呼ばれている文字盤のモデルは、Ref.6239やRef.6263などの手巻き時代の人気モデルに限りなく近い立ち位置のコレクターズアイテムとして、世界中のデイトナマニアたちを虜にしています。さらには、実機を見ることさえ不可能だと言われるほどの超レアモデルが存在します。
知れば知るほどディープな世界。これを機会に「コスモグラフ デイトナ」の更なる深掘りをしてみることをぜひオススメします。
ヘッダーデザイン_五月女幸希
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