CAR
“クルマ通”戸賀編集長の愛車遍歴 Vol.14
戸賀編集長が語る愛車ヒストリー 第13弾!「レンジローバーが僕を“SUV好き”になるきっかけでした」

業界でも屈指の “クルマ通”である戸賀編集長。数々の名車を乗り継いで来た彼が「何を基準にクルマを選んだのか?」、または「そのクルマのどこが魅力なのか?」を語ります。J PRIMEをご覧の貴兄の“今後のクルマ選び”の参考になれば…と思います。今回はSUVの王道、レンジローバーを3台連続で乗り継いだお話。聞き手は戸賀編集長の雑誌編集者時代の先輩、フリーランスエディターの高です。
「レンジローバーの印象は、『素晴らしい!』のひと言に尽きましたね」
高 前回、ポルシェ ボクスターに乗ってオープン・ピュアスポーツの楽しさを満喫しつつも、ポルシェにおけるヒエラルキーを認識した経験を聞きました。しかも、オープン2シーターの非・実用性も痛感したもんだから、半年で手放してしまったんだよね。俺はてっきり次のクルマは911だと思ったんだけど…???
戸賀 いやいやいや、911は996の後期型に乗って、とりあえず納得してましたから、もう少し間を置いてもいいかな…と。そこで、当時(MEN`S EX編集長時代)仕事もプライベートでも懇意にさせていただいていた故・徳大寺有恒さんに、レンジローバーを譲ってもらったんです。徳大寺さんは初代レンジローバーから歴代モデルを乗り継いでいる大のレンジローバー好きだったんですが、走行距離がたった走行約300kmの極上車を僕に格安で売ってくれたんです。
高 それって2002年だよね。だからレンジローバーとしては第3世代(上の写真の左奥)になるのかな。
戸賀 そうです。エンジンはBMW製の4.4リットルV8で、トランスミッションはZF製の5速AT。この2つの組み合わせが最高でしたね。そして、一新されたインテリアが凄くモダンな雰囲気なのも良かったですね。
高 そんな素晴らしいクルマを…しかも走行約300kmというほぼ新車同様のコンディションを徳大寺さんはどうしてトガッチに譲ったんだろうなぁ。やっぱり徳大寺さんはトガッチのことを信頼して可愛がってくれてたのかな。
戸賀 う〜む。当時は徳大寺さんに公私ともども随分とお世話になりましたね。そういう意味ではクルマの売買って、売る人と買う人との信頼関係が大切だと思います。ところが、クルマのコンディションは「ほぼ新車」だったんですが、室内は徳大寺さんのトレードマークでもあったシガーの吸い殻&灰、臭い酷い状態だったんですよ(笑)。そこで、当時親しかったランドローバーの広報スタッフに用賀のディーラーを紹介してもらい、室内クリーニングを含めた様々なメンテナンスをしてもらったのを覚えています。確か、フロアマットまで交換したんじゃなかったかな。

高 うんうん。トガッチや俺みたいにタバコを吸わない人にとっては、タバコ(シガー)臭は耐えられないからね。のちのち女性を乗せることを考えると、室内クリーニングはマストだね。これって時代を問わず、スマートなカーライフ送るための鉄則だね。
戸賀 いやいやいや、洗車をまったくしなかった高さんが言うセリフじゃないですよ(笑)。さて、クリーニングもメンテも済んだレンジローバーで走り出すと、いやはや…素晴らしいのひと言! BMW製のエンジンはトルクが豊かでしかも高回転までスムーズに回りますし、ZFのオートマはすこぶる滑らかにシフトチェンジしますし、サスペンションはデカくて重いボディをしなやかに支えてくれますし…。レンジローバーって“砂漠のロールスロイス”と比喩されますが、砂漠じゃなく東京で走ればまるで魔法の絨毯のような乗り心地でしたね。だって、運転しながら『素晴らしい!』って叫んじゃいましたから。
高 ベタ惚れだね。このレンジローバーのおかげで、トガッチのSUVライフが始まったと言っても過言ではないね。
戸賀 う〜む、以前にゲレンデヴァーゲンに乗っているんですが、あの時は世間的にSUVもゲレンデヴァーゲンそのものも認知されていませんでした。僕が勝手にメルセデス・ベンツというブランドと、ゲレンデヴァーゲンというクルマに惚れ込んでいたんです。ただしショートボディだったこともあり、乗り味はトラックでした。だから、このレンジローバーが僕を“SUV好き”にしたと言ってもいいでしょう。なにしろ長距離ドライブが好きじゃない僕がレンジローバーでドライブ旅行に出かけたし、ゴルフにも行ったし、デートにも使ったし、乗っている間は嫌なことはひとつもありませんでした。ただし、徳大寺さんが選んだモスグリーンのボディカラーが渋すぎて、僕には全然似合わないことが唯一の難点でしたっけ。そうそう、譲り受けた時にたった約300kmしか走っていない新車同様のレンジローバーでも、青空駐車していたのでしょうか…窓に使われていた黒いパーツが日焼けでシラっちゃけていたんですよね。
高 で、神経質な戸賀はまもなくして売っちゃうわけだね。
———–と、そこへJ PRIME編集部の編集者・藤倉が登場!
藤倉 MEN’S CLUBのアシスタント時代に乗せていただいて、こんなクルマがあるんだ!とは思っていて、改めて戸賀編集長がベタ褒めしているのなら、欲しいなぁと…!! ネットで調べたら、2004年式のレンジローバーが絶対買えないって値段でもないぞ、と。
高 ええっ!? 藤倉くんがいきなり19年落ちの中古のレンジローバーなんて、故障ばっかりで苦労するだけだぜぇ。せめてもっと高年式のヤツにした方がいいんじゃないの?
戸賀 そこは運もありますからね…! でも、まぁ、走行距離によるけど、電子制御エアサスとオートマが心配かな。
藤倉 では、購入の際に車両価格に、エアサスとオートマの点検・整備費用を考慮しておけば安心ですね!?
高 うむ。中古車を買う場合、あらかじめ整備・修理代をプラスして、予算を組むというのは賢い買い方だな。
戸賀 高年式の第4世代のレンジローバーを中古で買って乗っていると、第5世代が街を走り始めている今では「あれっ、新車が買えなかったの?」と勘ぐられちゃうこともある。ところが第3世代のレンジローバーに乗っていると、「おっ、あいつは最後のBMWエンジンにこだわったんだな」と思われる! 若い藤倉が気負って新車を乗り回すより、第3世代の“力が抜けてる”感じが良いんじゃないかな。そういう意味でも、藤倉の選択は賢いと思うよ。だんだんとクルマやモノの選び方がわかってきたじゃないか!
高 この愛車遍歴の連載をやってきて良かったヨカッタ!
「3台目のレンジローバーは、妻との思い出が深いクルマです」レンジローバーからレンジローバーへの乗り換え
戸賀 僕はレンジローバーって、とてもラグジュアリーなクルマだと思うんです。砂漠やジャングルをしっかりと安全に走破できる性能&耐久性があるのに、決してラフ&タフではなく、むしろインテリアは極めて豪華で快適! そういうところこそ、本当のラグジュアリーだと思うんです。初代レンジローバーはイギリスの香りが濃厚だったので、あのクルマが現役の時に乗りたかったけど、僕はそういう世代じゃありませんでした。1995年からデビューした2代目はそろそろ僕の世代的にはマッチしているんですが、スタイリング的にもパフォーマンス的にも僕の感性とはシンクロしませんでした。で、ようやく大人になってから3代目のレンジローバーと出会ったというわけです。
高 その第3世代のレンジローバーにベタ惚れした戸賀青年は、徳大寺さんから譲り受けたモスグリーンのレンジローバーを売り、さらにレンジローバーを乗り継いだんだね!?
戸賀 そうです。2004年モデルでボディカラーは黒、内装はベージュ、走行1000kmの極上車でした。いやぁ、このクルマに乗ってまたまた感動しましたっけ。当時、ようやくSUVが世間的に認知されてきて、芸能人もレンジローバーやゲレンデヴァーゲンに乗り始めたのを覚えてます。ちょっと前に僕がゲレンデヴァーゲンに乗っていた時に「なに? このトラック!?」と失笑していた女性達も、手のひら返しで好評価を示していましたね(笑)。


下の写真が2006年からのフォードエンジンに変更となった三代目レンジローバー後期型。
高 そうそう! あの頃はカメラマンやデザイナー、ファッション関係の人たちもこぞってレンジローバーに乗ってたね。俺は近しい人たちから「新しいレンジローバーってどう?」って、頻繁に訊ねられたもんだよ。
戸賀 で、そのレンジローバーにしばらく乗り続けようと思ったんですが、1年後に2005年モデルの「最後のBMWエンジン」搭載の“出物”があったもんで…。思い切って乗り換えちゃいました!
高 レンジローバーを1年ごとに買い替えたのか…! まぁ、BMW製のV8エンジンが最後だと言われれば、その気になっちゃうのはわからないではないけどねぇ。よっぽどレンジローバーにゾッコンだったんだね。
戸賀 もちろん! 当時は世田谷のマンションに住んでたんですが、近くに洗車スペース(1時間100円)があったので、ほとんど毎日洗車してましたから。で、ピカピカのレンジローバーで毎日出勤してましたね。当時はUOMO編集部に勤務してましたから、編集部がある神保町まではもちろん、打ち合わせや取材などで都内をガシガシ走り回っていましたよ。幸せなカーライフだったなぁ。
高 ふ〜ん、MEN`S EX〜UOMO〜MEN`S CLUBと、ラグジュアリーファッション誌の時代を、ラグジュアリーなレンジローバーで駆け抜けたってわけか。
戸賀 ……実は、思い出深いことがあって…。当時、結婚しようと思って、彼女に「君の好きな指輪を買うから教えてください」と聞いたんですよ。するとデビアスの「プロミス」というワンオフモデルでした。そこで銀座のブティックに行って見てみたら、想定外の価格だったので、「やべえ、買えね〜」と焦っちゃいましてね。そこで男気を見せるためにレンジローバーを売って、なんとか指輪を買ったんです。で、彼女とハワイ旅行した際に、飛行機のビジネスクラスでその指輪を贈ってプロポーズしたんです。
高 おおっ〜! 良い話だなぁ。良い話過ぎるから、なんだか嫉妬するから書くの止めようかな(笑)。まぁ、このレンジローバー3台で本当のラグジュアリーというものを知り、その後は仕事もプライベートもラグジュアリー路線を突き詰めて行くんだね。そういう意味では、このレンジローバーがカーライフの節目、「シーズン1」が終わるんだね。その後の「シーズン2」については、改めてお聞きしましょう。ありがとうございました。
文 高 成浩(POW-DER)

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