CAR
“クルマ通”戸賀編集長の愛車遍歴 Vol.9
戸賀編集長が語る愛車ヒストリー 第8弾! 「久しぶりに速いクルマに乗ってみようかな。で、911カレラを選択!」

業界でも屈指の “クルマ通”である戸賀編集長。数々の名車を乗り継いで来た彼が「何を基準にクルマを選んだのか?」、または「そのクルマのどこが魅力なのか?」を語ります。J PRIMEをご覧の貴兄の“今後のクルマ選び”の参考になれば…と思います。今回は十数年ぶりに乗ったポルシェ911のお話。聞き手は戸賀編集長の雑誌編集者時代の先輩、フリーランスエディターの高(「“クルマ通”戸賀編集長の愛車遍歴」参照)です。
「僕は水冷になったフラット6を否定していませんから!」
高 1990年末、メルセデス・ベンツのラグジュアリーモデルを3台乗り継いだことで、“カッコ良いクルマ選び”と“カッコ悪いクルマ選び”の違いを学んだ戸賀青年。で、次はポルシェ911に戻るんだっけ?
戸賀 そうです。『Begin』誌時代の964型911から、久しぶりのポルシェ911ですね。Eクラス(W124)〜ゲレンデヴァーゲン〜SL500〜CL500〜CLS500と乗り継いだもんですから、「メルセデス・ベンツ」というクルマ?…ブランドのクルマ作りの姿勢が好きになり過ぎた…というか、メルセデスにのめりこみ過ぎて疲れちゃったんですよね。で、いったんメルセデスから離れようかな…と。別に嫌いになったわけではなく、今でもメルセデスは大好きなブランドですから。この時は、しばらくスポーツカーに乗っていなかったので、ポルシェ911カレラにしちゃいました(笑)。
高 おお〜っ、空冷から水冷になって、いろいろと騒がれた911だね。モータージャーナリストも911ファンも、なんだかんだ言ってたよね。辛辣なコメントが多かったかな。
戸賀 そうそう。当時そういう低評価を下した人たちは、僕は「996のことを全然わかっちゃいないな」と思っていました。だって、996は0-100km/h加速も最高速も、ニュルブルクリンクのラップタイムも、前モデルの993を凌駕していたんですから。996は過渡期のクルマゆえに新しいモノ・コトを受け入れられない人、すなわちアンチが増えるのはいたしかたないんですけどね。
高 う〜む、トガッチは日頃から「自分のスタイルを守ることは大切だけど、新しい変化を受け入れなければ進歩がない」と言ってるもんね。クルマ選びにも言えることだよね。でもさぁ、俺は996が登場した時のアンチの発言のほとんどは、フロントライトのデザインのせいなんじゃないかと思ってたんだけどね(笑)。
戸賀 ボクスターと共通のフロントライトですね。ポルシェとしてはフロントライトとフォグランプを一体化したかったんでしょうが、あれは余りにも衝撃的でしたね。かくいう僕も、あのデザインが納得できなかった一人です(笑)。だから、僕が買ったのはフロントライトがシャープなデザインに変わった、996の後期型です。
高 でもさ、ターボでもなくGT3でもなく、あえて“素”の911にしたのは何故?
戸賀 う〜む、ターボは予算的に厳しかったし、GT3は一見さんお断りですから。屋根無し(=カブリオレ)の911には興味が無かったんですけど、タルガは昔から好きだったのでタルガにしたかったのですが…996のタルガはトップが後方にスライドするタイプだったので…あんまりカッコよくないので敬遠しました。それなら911はクーペにしよう!…と決めたって次第です。


■写真下/後期型になって、フロントライトがシャープなデザインに変更。戸賀編集長は「これで996を買う踏ん切りがつきました」とか。
高 それにしても「メルセデスというブランドに疲れた」と言っておきながら、またポルシェという疲れそうなブランドに乗るところが、ちと笑っちゃうんだけどね。
戸賀 まぁ、この“懲りない性格”は昔も今も変わらず…どうにかしなきゃいかんと思っているんですけどね(笑)。でも、メルセデスが掲げるブランド哲学って…語弊があるかもしれませんが…ものすごい深さがあると思うんです。だからメルセデスのクルマの良さを理解するのは非常に難しいと感じていました。同じく深さを持っているブランドとしては、ポルシェもそうだと思います。当時の僕を“正しいクルマ道”に導いてくれるブランドは、メルセデスとポルシェという似て非なる2つしか無かったんですよ。で、ポルシェ911カレラを選んだんですが、ボディカラーはホワイトで内装は黒、左ハンドルのマニュアルトランスミッションです。
高 996は当初300PSを発揮する3.4リットルの4バルブ水冷フラット6を積んでいたけど、トガッチが買った後期型は3.6リットルに拡大されてパワーも320PSにアップしたよね。それを6速マニュアルで操り、後輪だけの2駆で走らせるってワケだね。当時のインプレッションはどうだったの?
戸賀 僕は当時の911は2駆のカレラのマニュアルというのが、いちばんバランスが取れたスポーツカーだったと思っています。自分にはちょっと背伸びしたかなとも感じていましたが、本人も周りも「クルマ好きだからいいだろ!!」と納得していたと思います。走りのインプレッションとしては、RRなので常にリア(後輪)への荷重を意識して走らなければいけないので、シビアと言っちゃあシビア。アクセルのオン・オフがラフ過ぎると、クルマの挙動がシビアに変わってしまいますからね。もっと若い頃に4駆の911(964型)とFRの968CSに乗って、それなりにスポーツドライビングを経験していたこともあって、微妙なペダルワークやスムーズなステアリング操作が身についていたと思います。だから、この996の320PSをマニュアルで走らせるのは、とても楽しかったですよ。本当に「良いクルマだなぁ」と大満足でしたね。


高 そういえばJ PRIMEの30代編集者・藤倉くんが「オジサンってマニュアルにこだわりますよね」って疑問を、いや愚問を呈していたけど? まぁ、そういう俺も「自分がマニュアルでシフトするより、最近の高性能オートマの方が速く確実に変速できるじゃん」と感じている今日この頃。ポルシェならPDKに限るなぁ(笑)。
戸賀 いやいやいや、今だからこそマニュアルでしょ! あらゆることが便利になっていく現代社会において、あえて不都合なモノを選択するという美学が、若者には理解できないんですかね。クルマのパフォーマンスを自分の手と足を使って操るというスポーツ感覚、その楽しさがマニュアルトランスミッションの魅力であり、オートマでなくマニュアルを選ぶ理由と言えるでしょう。それに、クルマの電気化が進めば、マニュアルトランスミッションは無くなってしまうんです。世界的にEV化が推し進められている今後は、純ガソリンエンジン以上にマニュアルトランスミッションはレアな存在になって行くでしょう。そういう意味でも、マニュアルでスポーツカーを楽しむ意義はあるんじゃないでしょうか。
高 まぁ、普段はオートマでのんびり走っていても、何かの機会にスムーズにマニュアル車を運転しちゃうのって、同乗した女のコには好評価だろうし。そういうことが出来るのはオジサンの得意技だしね。さて、911は大絶賛のようだったけど、何か不満はなかったのかな?
戸賀 まぁ、内装のところどころにコストダウンが感じるのが、不満と言えば不満でしたね。それと、当時またゴルフに熱中し始めたもんですから、キャディバッグを積むのがひと苦労だったんですよ。
高 えっ、911にキャディバッグなんて積めるの?
戸賀 助手席のシートバッグを前に倒すと、フラットなスペースが出現するんです。そうすると後席に荷物を入れやすくなりますよね!? そこにキャディバッグを入れるんですが、いずれにしてもギリギリなので、キャディバッグの底や金具が内装に擦れちゃうんですよ。内装に傷がつくのが悲しくてねぇ…それでゴルフ用にもう1台、“足”クルマを買ったんですよ。 高 確かプジョーだっけ? その件は次回に話を伺いましょう!
文 高 成浩(POW-DER)

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