タイカン

J PRIME戸賀編集長は、自他共に認める“大の”クルマ好きです。その彼が「いちばん好きなクルマはポルシェ」と明言。そこで今回から3回に渡って、最新のポルシェ…それもポルシェ初のフル電動スポーツカー「Taycan(タイカン)」を紹介します。連載1回目はドライブインプレッションの前に、EVとしてのタイカンの価値や魅力について、少し独断と偏見が混じった “戸賀目線”で語ります。

「EVというトレンドを、どう受け入れるか!?」

戸賀 連載企画『“クルマ通”戸賀編集長の愛車遍歴』と同じく、僕が編集業界に入った当初からの先輩である高さんと、ポルシェ タイカンについて語り合いたいと思います。

高 よろしくお願いします。さて、地球環境が世界規模で騒がれている昨今、EVが注目されているけど、戸賀編集長はもうEVに乗ったことあるの?

戸賀 もちろん! 巷で言われているように“アクセルを踏んだ瞬間からの猛烈な加速”には、「うむ、確かに内燃機関の加速とは違うな!」と実感しました。また、EVっておのずとそのメーカーのトップグレードになるため、エクステリアもインテリアも凄く品質が高いことも印象的でしたね。でも、心の底からワクワクドキドキするようなインパクトは受けなかったんですよね。

タイカン
(画像=タイカンのボディサイズは4965×1965×1380mm。「数値を見ると意外とデカいのですね。でも、目にするとそんなに大きく感じないのは、全体のプロポーションのバランスが取れているからでしょう」と、タイカンのスタイリングの印象を語る戸賀編集長。)

高 う〜む、編集長はフラット6の911を何台も乗り継いでいるし、かくいう俺はR32GT-Rに乗っていたからなぁ…。空気を吸引→燃料を噴射→霧化して混合→点火して燃焼・膨張という工程の後、ようやくシリンダー内のピストンが押し下げられることによってクランクシャフトが回転し、エンジンのトルクが発生して駆動力になる…というプロセスに、今でも快感を感じているからなぁ。世界のトレンドはEVにスイッチしているというのにね…。やっぱり俺らって古い人間なのかね?

戸賀 そういうトレンドに背を向けてしまうのは良くありません。自分のスタイルを貫くのは大切ですが、絶えず変化する時代の流れに応じて「その変化のどこが、何が良いのか?」を吟味して変化を、すなわちトレンドを自分のスタイルに取り込んでいくことが大事なんだと思います。言ってみればポルシェって、頑なに911=RRにこだわり続けてきたメーカーでしょう!? そういう頑固にスタイルを貫き通しているポルシェが、昨今のEVというトレンドを受け入れたわけじゃないですか! だからこそ、ポルシェが作った初のフル電動スポーツカー、タイカンに期待をしているんです。

高 んじゃあ、早速タイカンを見てみましょうか。ポルシェが「スポーツセダン」と謳っているタイカンは、タイカン、タイカン4クロスツーリズモ、タイカン4S、タイカン4クロスツーリズモ、タイカンGTS、タイカン ターボ、タイカン ターボ クロスツーリズモ、タイカン ターボSの8グレードあって、今回ポルシェ ジャパンが用意してくれたのは、最上級グレードのタイカン ターボSです。

タイカン
(画像=ドアノブがぴったりとボディに収納され、フラッシュサーフェス化に貢献。「ポルシェに限らず、どこのメーカーも燃費を良くしようと空力をかなり攻めています。ポルシェは競合他社がお金を払って使わせてもらっているテスト用の風洞を、シュツットガルトに所有しています。世界一の空力実験場で、タイカンのスタイリングが生まれたのでしょう」と推察する戸賀編集長。)

「タイカンはカッコいいクルマ。このひと言に尽きますね!」

戸賀 おおっ、間近で実車を見ると、カッコいいですね〜。空力も細部にいたるまで考えられている! ポルシェはスポーツセダンと言ってるんですか!? セダン=3BOXとすると、フロント、居住スペース、リアの3つのセクションのバランスが絶妙で、しかもその3つを流麗なラインで繋げているところが素晴らしい。チラ見するだけで「速そう!」と思わせますね。セダンというよりは4ドアクーペと言った方が似合うと思います。このタイカンのスタイリングを見ると、他のスポーツセダンや4ドアクーペを謳っているクルマは形無しですね(笑)。

タイカン
タイカン
(画像=「911のシートって、ドライバーの身体を点で支えるんですよ。タイカンのシートは、それをもっと進化させたみたいですね。支える点がいっぱいあって、まるで面で支えている感じ。タイカンはフロントシートはもちろんですが、リアシートも“ポルシェ史上最高”と言えますね」と、戸賀編集長はタイカンのシートを絶賛しています。)

高 戸賀編集長がスタイリングに感激している間に、EVの存在意義について考えてみようかな。ひと口に「環境悪化」と言っても地球温暖化、気候変動、海洋ゴミ問題など多岐に渡っていて、現代人はさまざまな問題を抱えているんだよね。しかも、それらは緊急性を要しているにもかかわらず、解決策が非常に難しい…。んじゃあ、俺ら“クルマ大好き”オヤジは今、何ができるのだろうか? ポルシェが考えた解決策がEVであり、そのタイカンに乗るというのはクルマ好きがすぐにできる環境改善へのアプローチなんじゃないかな。ローンチコントロール時オーバーブースト出力は761PS、0-100km/h加速は2.8秒という、まぎれもないスーパースポーツのパフォーマンスを、化石燃料を消費せず、排ガスを出さないで楽しめるんだから。

戸賀 おっと、なんか、珍しく真面目ですね(笑)。高さんがそんなアカデミックなことを発言すると、今年は冷夏になっちゃうんじゃないですか(笑)。ま、冗談はさておき…とかくEVというと、環境性能のことばかり取り上げがちです。あるいは高さんが指摘したように、瞬時に大パワーを有する電気モーターならではの加速に焦点を当てる人(メディア)も少なくないですが…。でも、僕はEVの前に、クルマとしてのタイカンを評価したいんです。だって、カッコいいスタイリングを見て「速そうだな」とワクワクする気持ちって、クルマに乗るときに大事じゃないですか。さらには、コクピットに座ったときに「よ〜し、カッ飛ぶぞ〜」とその気にさせるインテリアかどうかっていうのも、非常に重要な要素だと思うんです。そういう意味では、タイカンの室内は魅力的ですね。シートの座り心地なんて、リアシートに至るまで最高ですよ。ステアリング、コンソール、ドアトリムといったディテールも、高級感溢れる質感が素晴らしい!

高 なるほど。編集長が冒頭で「EVっておのずとそのメーカーのトップグレードになるため、エクステリアもインテリアも凄く品質が高い」って話したように、このタイカンもそうなのかな。なにしろタイカン ターボSは¥25,070,000だからねぇ。

タイカン
タイカン
(画像=タイカン ターボSの航続距離は400km(WLTPモード)。充電ポートはフロントフェンダーの左右にレイアウトされ、キーを持っていれば手をかざすだけで蓋が自動的に開閉。ドライブ中は高速S.Aの充電スタンドで充電することができますし、またショッピングついでにパーキングの充電スタンドを活用してもOK。車載のモバイルチャージャープラスを家庭用100V、または200Vの電源に繋げば、自宅でも充電することができます。)

戸賀 それもありますけど…僕がタイカンを評価したいところは、タイカンが地球環境に配慮したEVであると同時に、まぎれもないスポーツカーでもあること。それはポルシェが長年スポーツカーを作り続けてきたメーカーだからこそできたと思います。「EVだって運転が楽しいクルマにするんだ!」というポルシェの強い姿勢(思い入れ)が、ヒシヒシと伝わります。

高 ふむふむ。そんなに気に入ったタイカンに、次回は実際に乗っていただきましょう。そして、赤裸々にドライブインプレッションを語っていただきましょう。

タイカン

「Porsche Taycan Turbo S」
●全長×全幅×全高:4965×1965×1380mm
●車両重量:2330kg
●システム最高出力:761PS(560kW)
●システム最大トルク:1050Nm(107.1kgm)
●価格:¥12,260,000(タイカン)〜¥25,070,000(タイカン ターボS)

ポルシェジャパン
https://www.porsche.com/japan/jp/

文 高 成浩(POW-DER)


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