カルティエ

3月30日、2年間のブランクを経て、時計好きが待ち望んでいたスイスの時計フェアがついに復活しました。S.I.H.H.(サロン・インターナショナル・オート・オルロジュリ:国際高級時計展)の出展ブランドに、ロレックスやパテック フィリップ、ショパール、ウブロ、ゼニスなど、Baselworld(バーゼルワールド)の人気ブランドが加わり、全39ブランドが揃った「WATCHES & WONDERS GENEVA(ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ)2022」です。

時計ジャーナリストの渋谷ヤスヒトが現地からの最新情報をお届けします。

会場は旧S.I.H.H.と同じで、時計業界の関係者にはおなじみの、ジュネーブ空港近くの国際展示場パレクスポ。今回から基本デザインもクールに現代的に。

カルティエ

日本から取材に来た時計ジャーナリスト、中でもフリーランスの時計ジャーナリストは筆者を含めてたったふたり。でも会場は、世界中から集まった時計ブランド関係者、そしてバイヤーやジャーナリストたちで溢れています。普通の場所ではマスク不要になっていることもあり、2年間のブランクを感じさせない賑わいでびっくり。

2021年、スイス時計の総輸出額が史上最高を記録したこともあり、時計業界はコロナ禍前の活気を取り戻しています。だから各社は、昨年2021年以上の力の入った新作を発表。その中でも飛び抜けて充実した、魅力的な新作時計を発表したのがカルティエです。

伝説の「タンク シノワーズ」の新作が登場!

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(画像=Maud Remy‐Lonvis © Cartier)

デザイン、機能、さらに価格まで圧倒的な魅力の「タンク マスト」が登場したのは昨年2021年。当然ながら、世界中で人気が沸騰しました。そしてカルティエが時計通、コレクターに贈る、毎回力の入ったコレクションが「カルティエ プリヴェ」。今年は、誕生からちょうど100周年を迎えた伝説の「タンク シノワーズ」の新作が登場しました。

カルティエ
(画像=「タンク シノワーズ」(1922年)。Eric Sauvage, Cartier Collection © Cartier)

初代の「タンク シノワーズ」が登場したのは1922年。「シノワーズ」とは「中国風」という意味で、中国寺院のデザインにインスパイアされたこと、ちょうど100周年の今年に発表された新しい「カルティエ プリヴェ タンク シノワーズ」は、シンプルなサンレイ仕上げ文字盤と、ドラゴンモチーフのスケルトン文字盤があり、どちらも心を奪われる、一度見たら忘れられない美しさ。例えば、ドレスアップのなかでも最上級のブラックスーツの合わせにリッチで遊びのある「カルティエ プリヴェ タンク シノワーズ」のようなアイテムをプラス。モードともフォーマルをさらに一歩進めたような、艶と色気を醸す、こなれた着こなしを愉しむことができるはずです。

カルティエ
(画像=© Cartier)

カルティエ「タンク シノワーズ」

(左)
ムーブメント:手巻き(Cal.430 MC)
パワーリザーブ:約38時間
ケースサイズ:Pt(縦39.5mm×横29.2mm、厚さ6.09mm)
価格:予価385万4400円(税込)。世界限定150本

(中)
ムーブメント:手巻き(Cal.430 MC)
パワーリザーブ:約38時間
ケースサイズ:18KYG(縦39.5mm×横29.2mm、厚さ6.09mm)
価格:予価341万8800円(税込)世界限定150本

(右)ムーブメント:手巻き(Cal.430 MC)
パワーリザーブ:約38時間
ケースサイズ:18KPG(縦39.5mm×横29.2mm、厚さ6.09mm)
価格:予価341万8800円(税込)世界限定150本

カルティエ
(画像=© Cartier)

カルティエ「タンク シノワーズ」

(左)
ムーブメント:手巻き(Cal.9627 MC)
パワーリザーブ:約38時間
ケースサイズ:Pt(縦39.5mm×横29.2mm、厚さ7.7mm)
価格:予価1128万6000円(税込)。世界限定20本

(中)
ムーブメント:手巻き(Cal.9627 MC)
パワーリザーブ:約38時間
ケースサイズ:Pt(縦39.5mm×横29.2mm、厚さ7.7mm)
価格:予価864万6000円(税込)世界限定100本

(右) ムーブメント:手巻き(Cal.9627 MC)
パワーリザーブ:約38時間
ケースサイズ:18KYG(縦39.5mm×横29.2mm、厚さ7.7mm)
価格:予価792万円(税込)世界限定100本

史上最高のミステリアス・コンプリケーション

カルティエ
(画像=Olivier Arnaud © Cartier)

メカニズムに芸術性を求める時計愛好家、コレクターにとっても、今年は絶対に見逃せない世界限定30本の超絶モデルが登場しました。「マス ミステリユーズ」です。

創業者ルイ=フランソワ・カルティエが時計師出身の世界的マジシャン、ジャン・ウジェーヌ・ロベール=ウーダンが考案した奇術に着想を得て、天才時計職人モーリス・クーエとともに、針だけが空中に浮かんでいるように見える「ミステリークロック」を開発。1912年に最初の製品を発表してから現在まで製作を続けていて、この機構を育て進化させ、数多くの傑作を残してきました。

2013年にはこの機構を搭載した「ロトンド ドゥ カルティエ ミステリアス アワー スケルトン」を開発。さらに2016年にはミステリアス機構に加えてトゥールビヨン機構も搭載した、時計のムーブメント全体が文字盤の中に浮かんでいる「ロトンド ドゥ カルティエ アストロ ミステリアス」も登場させています。

さらに2017年には、6時位置にケージのないトゥールビヨン機構が空中に浮かんで回転する「ロトンド ドゥ カルティエ ミステリアス ダブルトゥールビヨン」。そして2020年にはこの「ミステリアス ダブルトゥールビヨン」機構と、時を音で知らせる複雑機構の究極「ミニッツリピーター」機構を融合させた「ロトンド ドゥ カルティエ ミニッツリピーター ミステリアス ダブルトゥールビヨン」も開発、世界限定20本で発売しました。

今年2022年の新作「マス ミステリユーズ」は、この超絶モデルに続く、腕時計における「ミステリアス機構」の新たな金字塔とも言えるもの。時分針2本の針が文字盤の中央に浮かび、しかもその中で半円のスケルトン化された時計機構そのものが、自動巻きローターとなって文字盤全体を回転するのです。目にした筆者もただただ驚き感動しました。開発に約8年もの年月がかかったこのモデルは、まさにこの機構の「美の可能性」を追求するカルティエだから実現できた、世界限定30本の「究極のミステリアス・コンプリケーション」です。ひとたび、ドレッシーな着こなしに合わせれば、シックでラグジュアリー且つミステリアスなムードづくりを演出してくれるはずです。

カルティエ
(画像=Olivier Arnaud © Cartier)
カルティエ
(画像=Olivier Arnaud © Cartier)

カルティエ「マス ミステリユーズ」

ムーブメント:自動巻き(Cal.9801 MC)
パワーリザーブ:約42時間
ケースサイズ:Pt(直径43.5mm、厚さ12.64mm)
価格:予価3250万円(税込み)世界限定30本

「パシャ」待望のグリッドモデル!

カルティエ
(画像=Olivier Arnaud © Cartier)

「タンク」と共に2020年にリニューアルされ、再び世界を魅了したラグジュアリーな歴史を持つ「パシャ ドゥ カルティエ」にも、かつてこのモデルの伝説的なディテールである、精悍で力強いグリッド(格子)付きのモデルが、直径41mmと35mmで登場しました。

カルティエ
(画像=Matthieu Lavanchy © Cartier)

しかも、かつて風防を破損からガードするために作られたこのグリッドは、レンズ交換式のカメラのレンズのようなバヨネット式で着脱可能。つまり1本の時計で、まったくテイストが異なる2つの顔を楽しむことができます。しかもケースにはカルティエ独自の「クイックスイッチ」システムが搭載されているので、気分に合わせてストラップを自分で簡単に交換できます。例えば、ラフな装いの際にはwithグリッド、フォーマルな装いの際にはwithoutグリッドなどと、カルティエの遊び心に便乗してみるのも良いかもしれません。

カルティエ
(画像=© Cartier)

カルティエ「パシャ ドゥ カルティエ グリル」

ムーブメント:自動巻き(Cal.1847MC)
パワーリザーブ:約40時間
ケースサイズ:18KYG(直径41mm、厚さ9.55mm)
価格:予価227万400円(税込み)世界限定30本

この他にも、メンズ&レディスで見逃せない新作が数多くありますが、まずはこの3本をご紹介して、2年ぶりのスイス時計フェアの現地からの第1報とさせて頂きます。

カルティエ
https://www.cartier.jp/

文 時計ジャーナリスト 渋谷ヤスヒト
ヘッダーデザイン_五月女幸希


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