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気になるあのクルマの考察を聞いてみました
Gクラスを3台乗り継いだ、戸賀編集長は『コンセプトEQG』をどう見たのか?
2024年の市販化を目指し、開発が進められる、メルセデス・ベンツ『EQG』。歴代のGクラスを3台乗り継いできて現在、マイバッハGLSに乗っている戸賀編集長は、このEQGをどう評価しているのか? そんな主観満載のトークをスタート! 聞き手は、編集部員・藤倉が務めます。
藤倉 少し前に話題になったゲレンデのメルセデス・ベンツGクラスのBEV版「コンセプト EQG」が気になるのですが、歴代Gクラスに乗ってこられた戸賀編集長はどう思われますか!? ゲレンデなのにブログでも触れていませんでしたよね? 発表された際はJ PRIMEでも紹介しましたが…!
戸賀 お、いいねぇ~。藤倉からこんな話を聞かれるとは(笑)
藤倉 菅原さんとEQS SUVの試乗会に行って、ちょっと電気自動車に興味が出てきたんです。そんなところに、話題のコンセプトEQGが日本初上陸という流れでしたから、ここは戸賀編集長に是非私見を聞いてみたいと思いまして。
戸賀 それは良い心掛けだ(笑)。理由は後ほど話すけれど、今のところ…EQGへの興味がそこまでないんだよね。ゲレンデの情報や限定、メルセデスの新型なら一度は見るんだけれど…EQGに関してほとんど情報を持っていないんだよ。その辺は調べてきている?
藤倉 はい。まだ公式なアナウンスがないので、あくまで予想ということになりますが、一応調べました。まずサイズに関してですが、基本となる骨格が現行のW463型のGクラスと同じラダーフレームということですので、全長4660㎜×全幅1930㎜×全高1975㎜前後のサイズ感になると考えられます。
戸賀 なるほど。サイズは、ほぼ現行モデルと変わらないんだね。
藤倉 そうなるかと思います。
戸賀 スペックの方は?
藤倉 こちらは、市販化されたメルセデス・ベンツEQS 580 4MATICの最高出力が523PS、そして最大トルク855Nmという事を考えれば、EQGも同等くらいのスペックは与えられるだろうと推測できると思います。
戸賀 G63が585馬力、G550が422馬力、G400Dが330馬力。マイバッハが558馬力だから、やっぱりパワーは500馬力台に設定してくるのかな。他に何か特徴はある?
藤倉 はい。例えば、ラダーフレームの隙間にバッテリーを搭載するので、現行のGクラスより低重心になるだろうということ、4つのホイールそれぞれに、モーターを備える4WDであることなどですかね。
戸賀 了解。動力性能や走りについては、実車に乗ることができないけど、G63とG550に比べると電気特有の走り出しの気持ちよさはあれど、パワーでアドバンテージがあるとは感じられないんだよな〜。
藤倉 そうなんですか!? 523PSもあるのに。
戸賀 G63もG550も2.5トンを超えているから、EQGは 3トン近くあると予想できるよね。となると走りは少しかったるい気がするんだよ。550より100馬力くらい勝るけれど、300キロくらい重くなりそうだし、G63に至ってはEQGより軽くて馬力も高いとなるよね。推測の部分もあるけれど、走りに関しては少し心配に感じるかな。
藤倉 確かに電気だから重くなりますもんね。
戸賀 今回は、エクステリアデザインや、EQGは「こうあって欲しい」という俺の願望をメインに話そうと思う。それでいいかな?
藤倉 はい、お願いします。
戸賀 繰り返しになるのだけれど、ゲレンデの電気自動車にはまだあんまり惹かれていないんだよ (笑)。重量とパワーの問題で、メルセデスの電気でもっとも重くなるであろうEQGは、僕が住んでいる港区では平置きの駐車場をもっていないと…。今後引っ越す先でも止められない…。クルマそのものに興味が無かった訳ではないんだよね。俺の住んでいるマンションのインフラが、電気自動車を所有できるほど整っていなかったからが一番の理由なんだ。
さすがに、買えないクルマに興味は湧かない…。何度も言っているけど、俺はスポーツカーの電気自動車は認めないけど、基本的にはSUVなどの電気自動車は完全な肯定派。速いし、静かだし、良いに決まっているしね。だから今回は、購入することは一切考えず、純粋にクルマそのものを評価してみよう。
まず外観。顔がいかにも電気自動車って感じだよね(笑)。リアのスペアタイヤカバー部分は四角くなっているけど、ここには何が入ってるの?
藤倉 ここはロック付きのボックスになっていて、充電ケーブルが格納されているそうです。
戸賀 さすが電気自動車だな (笑)。ところで、このマイバッハ風のツートーンカラーは人気が出そうだよね。個人的にはツートーンは苦手なんだけどね(笑)。内装は現行のGとあまり変わってないかな。まぁ、このクルマに乗っていること自体は悪くないと思う。でもやっぱりめちゃくちゃミーハーだよな(笑)。
『コンセプトEQG』はゲレンデヴァーゲンの血を受け継いでいるのか?
戸賀 でも、ゲレンデを3台乗り継いできた俺が一番気になるのは、このEQGが本当の意味でGの血脈を継承しているのか? ということなんだよ。オーナーにとっては、1979年にNATOに正式採用され、実際に戦場を駆け抜けたGの歴史自体がGを所有する喜びの一つ。
そして、実際に岩場を走ったりオフロードを走ったりする訳ではないけど、そんな場所を走ることができるポテンシャルを持つクルマを、敢えてラグジュアリー仕様にして都会を走るのが現代のGの楽しみ方となっている。
でも、『このクルマの根底には、軍用車として活躍できるほどのパフォーマンスが兼ね備えられている』というワイルドさも、オーナーの自尊心を軽くくすぐってくれる要素でもある(笑)。
それなのに、電気自動車に変わったことで、このオフロード性能が落ちたとしたら、それこそ本末転倒。これほどカッコ悪いことはないよな。EQGはイミテーションに成り下がってはいないか? そこはGオーナーだった身としては、非常に気になるところだね。
藤倉 ということは、戸賀さん的には、もしインフラが整っている住環境に住んでいたとしても、EQGを所有するのは時期尚早で、飛びついて買う必要はないという感じですか?
戸賀 電気自動車でプレミアムプライスがつくのはEQGが初めてなんじゃないかな? とはいえ、実際に走りを体感した訳ではないし、メルセデスがEQGを、どんなクルマに仕上げてくるのかも分からないから、何とも言えないかなぁ。そこはやっぱり、実際にEQGに乗れる機会を待つしかないよね。
藤倉 今は、『走ることができる実車の登場を待つ』ということですね。
戸賀 そうだな。乗ってみないと何も分からないからね。でも、例えばメルセデスがもっと軽いバッテリーを開発して、現行のGと変わらない車重のEQGを開発してきたら、間違いなく、世界が「さすがはメルセデス」ってことになるはず。そんな感じが、常に自動車業界をけん引してきたメルセデスっぽいと俺は思うんだよ。
だから、そんなに慌てて電気に移行させないで、じっくりと開発に時間をかけてみるのも『有り』なんじゃないのかなぁ、なんて思うこともある (笑)。
でも、取り敢えず今は、市販モデルのEQGに乗り、その走りを体感させて貰えることを楽しみに待ちたいね。
文 菅原 晃
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