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“クルマ通”戸賀編集長の愛車遍歴 Vol.22

戸賀編集長が語る愛車ヒストリー 第21弾! 思い返せば、サラリーマン時代最後のクルマは、BMWのM6でした

2023.11.21

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戸賀編集長が語る愛車ヒストリー 第21弾! 思い返せば、サラリーマン時代最後のクルマは、BMWのM6でした

イスタンブール・パーク・サーキットで開催されたBMWの海外試乗会で、M4と運命的な出会いを果たした戸賀編集長。このM4との出会いをきっかけに、冬眠していたはずの悪い虫が再び動き出し、どっぷりとチューニングにハマった彼が選んだ次なる一台がこちら。ある意味、納得の一台です(笑)。

出版業界では、かなりのクルマ好きとして知られている戸賀編集長(トガ)。数々のクルマを乗り継いで来た彼が「何を基準にクルマを選んだのか?」、「そのクルマの魅力はどこなのか?」を大いに語ります。話の聞き手は、戸賀編集長が雑誌編集者時代から30年来の付き合いを続けている、フリーランスエディターの菅原(スガ)。若い頃の数年間は、仕事も遊びもほとんど一緒に過ごしていたという「トガ&スガ」の二人。そんな二人ならではの昔話、こぼれ話もお楽しみに!

菅原 前回は、トガが惚れ込み、自分好みにチューニングまでしてしまったM4が登場した訳だけど、よくそんなクルマを手放すことができたね?

戸賀 いや、手放したく無かったのが本音かも(笑)。俺もマクラーレンを始め色んなスポーツカーに乗ってきたし、他にもフェラーリとかいいクルマはいっぱいあるけど、あんなに楽しめるクルマは、いまだにM4が頂点だと思ってる。そんな最高のクルマを、なぜか俺は手放してしまったんだよね。

菅原 その理由は何なの?

戸賀 う~ん、今あらためて考えてみると、チューニングの楽しさを再認識しちゃったっていうことなのかな。もともと、クルマをいじるのは嫌いじゃないし、チューニングをお願いしていた「スタディ」も、BMWの公認チューナー7社で、唯一アジアに存在していたチューナーだった。違法改造とはまったく違った楽しさがあったよね。スタディ友達もできて、本当に楽しかった。それが証拠に、仕事で忙しいのに合間を縫って、月に一度は横浜の「スタディ」に入り浸っていたから(笑)。

藤倉 そういえば、たまに行方不明になることがあったような記憶が………。

菅原 編集長特権ってヤツだな。

戸賀 そこの二人、うるさいよ(笑)。

菅原 で、ズバリ次に選んだクルマは?

戸賀 はい、BMWのM6です。

M6を選んだ理由は、スタディのファンだったから?(笑)

菅原 おいおい、6はグランクーペで懲りたんじゃないのかい?

戸賀 いや、今回はMだから(笑)。でも、またしても白いボディカラーに黒の内装っていう組み合わせ(笑)。一番納車が早かったのがそれだったんだよ。

菅原 うん、もう言い訳はいらないです(笑)。

戸賀 はい、すいません(笑)。じつのことを言うと、この当時、『スーパーGT』に参戦していたスタディの車両が、M4からM6に変わったんだよ。それを知って、「だったら俺も乗り換えたいっ!」って思っちゃったんだよね。

菅原 どっぷりハマってますな。

藤倉 ただのスタディ・ファンですね。

戸賀 ………乗っていたM6の詳細を説明すると、搭載されていたエンジンはV8のMエンジンで、前に乗っていたZ8、レンジなんかの改良版。そこに『アクラポビッチ』のフルチタンマフラーを付けて、………あ、思い出した! V8のアクラポのマフラーって、タコ足から全部変えるから、120万円くらいするんだよ。めっちゃ高かった記憶がある。さらにホイールは、M4の時に付けていたBBSのジュラルミンホイールが気に入っていたから、スペーサーをかましてM6にも流用。白のボディにガンメタのホイールだと、足元が引き締まるんだよ。70年代のスポーツカーっぽくて、けっこう気に入ってたんだよなぁ。で、最後に定番のコンピューターチューニングもしました、という感じかな。

菅原 なるほど。ところでスタディ・ファンだった戸賀さん、肝心の走りはどうだったの?

戸賀 うるさいなぁ(笑)。当たり前のことだけど、大きいクルマはやっぱりエレガントでラグジュアリーだったよ。M4とはまったくキャラクターの違うクルマだったね。車重があるから明らかに遅くなるからね。なんであのクルマでレースに出ようとしたのかが、今でも不思議。あれはスタディではなくて、BMW本社が決めたことだったと思うんだけど、真面目な話し、あのクルマで速いのは直線しか無かった(笑)。スポーツカーは軽いのが正義。走りでは、どうしてもM4に勝ることはできなかったよね。

菅原 M6でM4超えを狙って、失敗したって感じ?

戸賀 否定はしない。やっぱり、大きいクルマは、スポーツカーとしての走りというよりは、GTとしての魅力が上がるんだよ。それが証拠に、妻はM6が大のお気に入りだった。ロングホイールベースで乗り心地が良かったのもあるだろうし、アクラポビッチのマフラーを付けているといっても、彼女が乗っているときには、さすがに勇ましい音は出さないから(笑)。M4で白金の家に帰ってくると、「あなたが帰ってくると、音でわかる。もっと静かに帰ってきなよ」とか毎日のように言われていたけど、M6に乗り換えたら、ノーマルモードにして帰るだけで何も言われなくなった。クルマのキャラクター的にも、M6はラグジュアリー志向だったんだろうね。

戸賀編集長にとってのM6とは?

戸賀 M4で感じた、攻めて走る楽しさを求められるクルマでは無かった。でもラグジュアリーやエレガントさの中に、スポーティなテイストをプラスしたい人には最高のクルマだったと思う。俺個人で言うなら、M6は、あらためてBMWの6カブの良さをあらためて教えてくれたクルマでもある。やっぱり『M』は特別なクルマだった。前にも言ったけど、カーセンサーに6カブの『M』で、走行3000キロとか5000キロで左ハンドルがあったら、今でもグラっときちゃうから (笑)。そういえば今、思い出したんだけど、このM6って俺のサラリーマン時代最後のクルマなんだよなぁ。色んなことに悩み、行き詰っているときだったから、このクルマと本気で向き合えなくて申し訳なかったという気持ちもあるかな。でも、もう一度買うかと聞かれたら、申し訳ないけど要らない (笑)。だから現状、俺の中でのBMWは、走りならM4、ラグジュアリーなら6カブのMの2台であることは間違いないね。

BMW M6 クーペ
全長×全幅×全高:4905mm×1900mm×1375mm
ホイールベース:2850mm
駆動方式:FR
車両重量:1910kg
最高出力: 560 ps/6000~7000 rpm
最大トルク:69.3 Kg・m /1500~5750rpm
エンジン:V8 DOHC32バルブ ツインターボ
総排気量:4394cc
価格:¥17,660,000(税込)※2016年当時

文 菅原 晃

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