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戸賀編集長の視点からスリッポンを考察

リッチなオジサンの足元は、ちゃんと語れるスリッポンが新常識

2023.02.05

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リッチなオジサンの足元は、ちゃんと語れるスリッポンが新常識

いまやビジネスシューズとしても許容されるようになったスリッポン。スーツにおいても楽チンであることが命題となった今、その存在感は高まるばかりです。でも、「単に楽チンだから」でいいのでしょうか。リッチなオジサンのスリッポン選びには、やっぱり見栄えと裏付けも重要なワケで。

もはやベンチマークとなったスリッポン、だからこそ気をつけるべきこととは?

テレワークの浸透よりもさらに以前、クールビズが叫ばれるようになってきた頃から、ビジネスおよびドレススタイルはコンフォート至上へとシフトしてきました。構築的でクラシカルなスーツで装ったオジサンを見る機会はすっかり減り、もはや珍しい存在とまで言われるほどに。その状況を戸賀編集長はこう語ります。

「ファッションを生業としてきた者にとっては、正直悲しいところではあります。クラシカルなスーツでビシッとキメた男性は、やはり素敵ですからね。でも、時代の変化を受け入れるのもファッションの宿命。そんな今の時代において、スリッポンがキーワードとなる気がします」
かねてよりスリッポンの有用性を説き、普段から愛用している戸賀編集長。今回はリアルに重宝している3足を持ってきてもらいました。

「僕は怠け者なので(笑)、そもそもスリッポンが昔から好きでした。かつてドレス靴としては難ありといった時代がありましたが、今では許されたとあってよりヘビロテしています。紐靴と比べたら、言うまでもなく楽チン。スラックスにもデニムにも合う汎用性の広さも加味すれば、ヘビロテするのも当然でしょう」

履き心地もコーデも楽チンなスリッポン。だからこそ、気をつけなければいけないことがあると続けます。
「イージーに見えがちだからこそ、こだわりが大切。まず、名作と呼ばれる1足を選ぶこと。時代を超えて評価されるスリッポンは、その佇まいに格式があります。僕も愛用するジョンロブのロペスが良い例でしょう。バランスの良いラスト、上質なレザー、しっかりとした堅牢な作り。そんな1足なら、スーツと合わせても見劣りせず、デニムスタイルではむしろ格上げしてくれます。それから、レザーソールへのこだわりもポイント。さすがに雨の日はラバーソールでいいと思いますが(笑)、歩いている時や座って足を組んでいる時にレザーソールがチラッとでも見えると、『ちゃんと美学のある人なんだな』と思ってもらえます」

つまりは、脱ぎ履き容易で楽チンなスリッポンだからこそ、しっかりと矜持を備えておかないとダメってこと。戸賀編集長が、ジョンロブ、ベルルッティ、オールデンの3足を揃えているのも、そのためです。
「同じスリッポンでも、この3足はまるで印象が異なります。クラシックにして洗練されたジョンロブのロペス、色気と品を両立するベルルッティのアンディ、そしてカジュアルながら重厚感のあるオールデンのコードヴァン。オヤジのファッションにおいて、この3足があれば事足りるといっても過言ではありません。事実、僕は長年この3足をヘビロテしていますから」
脱ぎ履きもスムーズで楽チン、それでいて正しく選べば、オトナの格や色気、貫禄も楽しむことができるスリッポン。そう考えると、これだけ広く支持されているのも頷けますよね。

左から戸賀編集長の私物となるオールデン、ジョンロブ、ベルルッティ。
「オールデンは、とにかく万能。アメリカらしく合理的と言うか、それこそジャケパンからデニムまで幅広く馴染んでくれます。コードヴァンの質感は、雑に履いても絵になりますし。ジョンロブのロペスは、まぁオヤジが履くべきスリッポンにおける王道と言えるでしょう。価格的にはラフに履けませんが、何足かを回してヘビロテできるようになれば、真にリッチなオヤジと言えます(笑)。ベルルッティのアンディは、20年以上ずっと買い続けている名作。デザイナーごとに新しく解釈したアンディが出ますが、僕的には定番で展開し続けているものが好きかな。並べて見ると、同じスリッポンでも全然印象が違うのがわかりやすいでしょう? 本当にスリッポンって、奥が深いんですよ」

撮影 杉田裕一
文 安岡将文

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2024年12月8日(日)パネライ大丸心斎橋ブティックにて戸賀編集長のショッピングアドバイス

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J PRIME戸賀編集長によるトーク後におこなわれるショッピングアドバイス(1組15分間 記念写真撮影込み)は

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