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「成隆行 蟹王府」で上海蟹尽くし&極上ワインペアリング

2023.01.14

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「成隆行 蟹王府」で上海蟹尽くし&極上ワインペアリング

記事提供:料理王国
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寒くなってくると日本人が松茸や松葉蟹を心待ちにするように、中国の人々が季節を告げる味として楽しみにしているのが上海蟹。
日本でも上海蟹を食べられる店は数あれど、自社の養殖場を持っている店は少ないのでは。江蘇省と浙江省にまたがる大きな湖、太湖。水が澄み、景勝としても知られるこの地に養殖場を持つのが、「成隆行 蟹王府」。もともとは上海で2002年に創業され、2019年には現地でミシュラン1つ星の評価を得るなど名店として知られています。
2020年、東京・日本橋三井二号館に初の海外支店をオープン。蟹は全てスタッフが殻から外してくれるだけでなく、「ナリサワ」のシェフソムリエ を長年務めた木村好伸氏のセレクトした銘醸シャンパーニュやワインのペアリングとともに楽しめます。

上海蟹×極上のワインペアリング、そんなテーマで行われたある日のディナー、その様子をご紹介していきます。

まず提供されたのは、ペリエ・ジュエ、ベルエポックロゼ2004。甲殻類とロゼは王道の組み合わせ、年月を経たことで深みが増しつつ、爽快な泡で、すっきりとしたスタート。

葛でとろみをつけた、胃を温めるスープ。細く切った豆腐と海藻が入り、胡椒のアクセントが程よく食欲を刺激します。

続いては、9種の前菜。内容は上海料理をベースに、時によって変わるものの、甘味や酸味といった味わいのバリエーションはもちろん、揚げる・蒸す・焼くなど、調理法が重ならないように工夫が凝らされています。アラカルトも含め、全体の7〜8割が上海料理だそう。

そして、ここで登場するのが、ドメーヌ・トラペ・アルザスのゲヴェルツトラミネール「スポーレン」2016。
こちらがほのかな甘みを添える料理は、オスメス取り混ぜて、上海蟹の味噌を1人前5〜6匹分使うという、贅沢な蟹味噌ご飯。濃厚な旨味に「日本の蟹は肉を味わうものだけれども、上海蟹は脂が味わえるのが魅力」という言葉にも納得です。ベタつかず、さらりとした食感と香りが良いジャスミンライスを使っており、軽やかにいただけるのもポイントです。

続いてのワインは、シャプティエ「シャトーヌフ・デュ・パプ」の白、さらに1986年というオールドヴィンテージ。
合わせたのは、干した姫松茸、ベビー白菜を鶏ガラとキノコの出汁とともに蒸しあげたスープ。濃厚な蟹味噌の後、口内をさっぱりとさせながらも、深く上品な余韻は、年月を経て上品に角が取れた白ワインの印象とも重なり、相性抜群。

「菊の花の時期になると美味しくなる」と言われる上海蟹。そんな言葉に因んで、菊の花びらとともに登場した蒸し蟹。丸ごとを見せていただいた後は、プロの手でみるみるうちに食べやすく、そして美しく盛り付けられてゆきます。

部位ごとの味の違いも楽しめるこちらは、20年ものの紹興酒と合わせて。オーセンティックな組み合わせを満喫します。

そして、少量生産で知られる生産者ブラン・ガニャール「ル・モンラッシェ」、しかも2001年のオールドヴィンテージ。上品な樽香のこちらと合わせたのは、たっぷりのフカヒレと、蟹肉、蟹味噌を使った土鍋炒め。葱油の香りとともに、目の前でシェフが仕上げてくれる臨場感も楽しみの一つ。鱶鰭はしっかりと存在感のあるヒラシュモクザメの背鰭。フカヒレの金木犀炒めから着想を得て、なんと金木犀を上海蟹に置き換えたという、なんとも贅沢な品。

緑の野菜を思わせる香りにエレガンスが加わった、ドメーヌ・ド・シュヴァリエ 1985年ヴィンテージとともにいただくのは、鮑の上湯煮込み。金華ハムや鶏、豚などからとった上湯と鮑の戻し汁、八角などで煮込んで、同じく緑の香りがあるブロッコリーと冬瓜を添えたもの。(通常は写真のようにグリーンアスパラ)

モーリス・ヴェッセルの1976年という、こっくりとした味わいのヴィンテージシャンパーニュ とともにいただくのは、蟹肉と春雨の揚げ春巻と、蟹肉入り焼き小籠包。

デザートは、和栗のペーストにあんずのピュレを入れたもの、白木耳の入った燕の巣のスープを金木犀の香りの緑茶とともに。

世界に上海蟹料理のスタンダードを知らしめたいと作られた蟹王府。さらに、垂直にワインだけ飲んでも飽きない、五味の刺激を考えたペアリングも魅力の一つ。 いままでにない上海蟹×ワインという極上の味覚体験が楽しめる「成隆行 蟹王府」

ちなみに、空輸で届く上海蟹は、月曜、水曜、金曜の週3回の入荷。「当日の夜に訪問するのがお勧め」と、こっそり教えていただきました。

成隆行 蟹王府
東京都中央区日本橋室町二丁目1番1号 三井二号館1階
ランチ 11:00~15:00(L.O 14:00) ディナー 17:00~23:00(L.O 22:00)
https://www.shintai.co.jp/
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text:Kyoko Nakayama

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2024年12月8日(日)パネライ大丸心斎橋ブティックにて戸賀編集長のショッピングアドバイス

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