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心を揺さぶる奇跡の名品が手に入る!「青瓷 浦口雅行展 2021」
国内外の展示会に出品し、海外の美術館にも作品が収蔵される世界的な陶芸家、浦口雅行氏。宋代の青瓷(青磁)をベースに、最新技術と現代的センスを融合させた作品は、圧倒的な独創性とダイナミックさで、多くの人々を魅了しています。その浦口氏の新作約30点が並ぶのが、松坂屋名古屋店で、10月27日~11月2日に開催される「青瓷 浦口雅行展 2021」。名匠と呼ばれる今なお、挑戦と進化を続ける浦口氏に、作品への想いを語っていただきました。
現代の技法と感性を注いだ「進化系青瓷」
紀元前14世紀頃の中国で生まれ、釉薬をかけた焼き物としては最古と言われる「青瓷」。釉薬にわずかに含まれた鉄が、窯内への酸素を制限する還元炎焼成という焼き方によって、青や緑に変化。細やかな貫入(表面に現れるひび)とあいまって、独特な風情と美しさを醸し出します。その青磁に、新たな息吹を吹き込んだのが、浦口雅行氏です。
1000年前に最盛期を迎えた宋代の青瓷の制作法をベースに、土や釉薬、火入れの温度や窯内に送り込む酸素の量などを調整。黒がかった青色と結晶状の貫入が特徴の「青瓷黒晶」や、貫入が虹色に輝く「青瓷黒燿砕」、青瓷に銀彩をするなど、独自の技法を次々と開発しています。
1000年前の陶工が憧憬した大型の鼎を現実のものに
「使う土や釉薬の調合、窯の温度、酸素の量、それらの組み合わせで、色味や質感、貫入の状態など、無限に広がるんですよ。それが、青瓷のおもしろいところ。1000年前の陶工たちの技術や想いを受け継ぎつつ、現代に生きる私ならではの新しい技法や感性を生かした作品を目指しています」
その筆頭とも言える作品が、「青瓷黒晶博山鼎爐「 REIMEI」」。鼎(てい)とは、古代中国の青銅器の代表的な器物で、三本脚で支えられているのが特徴。後に王侯の祭祀に使われるようになり、権力の象徴として重用されたそうです。
「当時の青瓷を調べた際、大型の鼎をつくろうとした形跡は見られましたが、傷のない完品がひとつも残存していませんでした。青銅ではできても三本脚という形状を窯で焼くのは難しかったのが、原因ではないかと思います。それならば、現代の技術を活かし、大型の鼎をつくってみよう。そう考え、試行錯誤して生まれたのが、この香炉です」。
ポジティブなパワーに満ちた縁起物
青瓷黒晶博山鼎爐「REIMEI」は、作品の表面全体を覆う深い青色の青磁を海に見立て、その上に険しい山がそびえている様を表現。山の上には、太陽系の惑星が配され、香炉の先端を飾る三日月へと連なります。なんともドラマテックな形状ですが、「コロナ禍で世の中が暗澹とした空気に覆われていますが、明けない夜はない。そんなメッセージを込めました」と、浦口氏。
ちなみに「博山」とは、古代中国で海にそびえる山とされ、神が住むとも言われたとか。権力の象徴とされる「鼎」と神が住む「博山」を融合させ、古の陶工たちが手にできなかった技術と知恵を活かし、未来への希望を込めて生まれた作品。手元に置けば、前向きな気持ちと大きなパワーが得られ、運気も上がりそうです。
焼き物は“つくる”のではなく“生まれる”もの
「焼き物は、絵画や彫刻といった他の芸術作品と異なり、最初から最後まで自分の目で確かめながらつくることができません。とくに難しいのが火入れ。もちろん温度や酸素の量の調整はしますが、窯から出すまで、どんな形や色に仕上がるのか、つくり手ですらわからない。火の神様のみぞ知る……です。だからでしょうね、焼き物は、人の力だけつくられるものではなく、火の神様の力を借りて“生まれてくる”ものだという気持ちが強いんですよ」
完成までに半年以上を要したという「青瓷黒晶博山鼎爐「REIMEI」」も、火入れの段階でパーツが破損したり、思うような色が出ないなどの難局に、何度となく直面。何度も挑戦した末、ようやく火の神様が微笑んでくれて形になった、いわば奇跡の作なのです。
新しく、奥深い青瓷の世界へGO!
古くから成功者たちに愛されてきた青瓷に、新たな息吹を吹き込んだ浦口雅行氏。浦口氏の新作に出会える「青瓷 浦口雅行展 2021」は、ニューリッチにこそ足を運んでほしい注目の展示会です。
青瓷 浦口雅行展 2021
2021.10.27 (wed) – 2021.11.2 (tue)
場所:松坂屋名古屋店 本館8階美術画廊
問い合わせ先:052-251-1111
https://www.matsuzakaya.co.jp/nagoya/access.html
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