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クルマ通“戸賀編集長愛車遍歴

戸賀編集長が語る愛車ヒストリー 第28弾。戸賀編集長にとって、あくまでセカンドカーという位置付けのSUV。だからこそ選べたのか? またもや究極の1台を購入!

2024.07.16

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戸賀編集長が語る愛車ヒストリー 第28弾。戸賀編集長にとって、あくまでセカンドカーという位置付けのSUV。だからこそ選べたのか? またもや究極の1台を購入!

ベントレー ベンテイガという、ある意味究極の1台を手離したあとに購入したのが、メルセデス・ベンツのG400Dの限定車エディション マグノホワイト。なんとこのクルマ、購入した金額より数百万円高く売れるというラッキーな展開が待っていました! それを元手に戸賀編集長が選んだ1台とは、まさかの1台⁉

出版業界では、かなりのクルマ好きとして知られている戸賀編集長(トガ)。数々のクルマを乗り継いで来た彼が、10年に渡るメンズクラブ編集長という肩書を外し、忖度が無くなった状態のなかで、「どんな基準でクルマを選んでいたのか?」、「そのクルマの魅力はどこなのか?」等を大いに語ります。
話の聞き手は、戸賀編集長が雑誌編集者時代から30年来の付き合いを続けている、フリーランスエディターの菅原(スガ)。若い頃の数年間は、仕事も遊びもほとんど一緒に過ごしていたという「トガ&スガ」の二人。そんな二人ならではの昔話、こぼれ話もお楽しみに!

G400Dエディション マグノホワイトの売却益が数百万円

菅原 前回は、サードカーだったフォルクスワーゲンのUp! GTiがいかに素晴らしいクルマだったのかを語ってもらいました。今回は話しを戻して、セカンドカーであるSUVについて話していただきたいと考えております。で、トガ。いきなり本題に入らせてもらうけど、ほとんど乗ることが出来ていなかった、限定車のメルセデス・ベンツG400Dエディション マグノホワイトの売却益が、数百万円っていうのは本当なの?

戸賀 それは本当。やっぱりG63のマグノホワイトではなくて、G400Dのマグノホワイトがどうしても欲しいという人が居たんだろうな。さらに、借りていた平置きの駐車場がちょっと自宅から離れていたから、まったく乗れていなかったのも良かったのかも知れない。手離した時点で、2000キロくらいしか走ってなかったしね。俺が言うのもなんだけど、G400Dのマグノホワイトを探していた人には、間違いなく、かなりの出物だったと思うよ。

菅原 確かに。でも数百万円も高く売れてしまうところに、ゲレンデの、それもマグノホワイトの人気の高さが垣間見れる気がするよ。では早速、本題に入ろう。G400Dのマグノホワイトが、購入時より数百万円高く売れた時、トガの中で次のクルマの候補はあったの?

戸賀 正直な話し、まったくのノーアイデアだった。やっぱり次はレンジローバー辺りかなぁ? というくらいのものはあったけど、基本はノーアイデア。そんな時、メルセデスの営業の天野くんが悪い顔をして、俺にささやいてきたんだよ。

キャンセル車両の登場!

菅原 悪い顔ってどんな顔だよ(笑)。

戸賀 いや、本当に悪い顔(笑)。いつもはそんな顔はしないヤツなのに、その時は本当に悪い顔をして笑ったんだよ。だから、「もしかして、またG63に限定が出るの?」って聞いたら、「違うんですよ、戸賀さん。じつキャンセル車両が出たんですよ。マイバッハのGLS600です」、なんて言ってきた。

菅原 マイバッハのGLS600! また凄い1台をブッこんでくるなぁ。

戸賀 だから俺は、「いやいやいやいや、それは全然買えない」って言ったんだけど、さらに天野くんが「G63とマイバッハのGLS600の差は50万円もありませんよ」って畳みかけてくるんだよ。

菅原 えっ、その2台の差って、そんなもんなの?

戸賀 そう、そんなもんなんだよ。でもな、スガ。その時俺が考えていたのは、マイバッハというより、いかにG63が高すぎるかってことだった。G63の価格が、あまりに高騰している事実に、あらためて驚かされたんだよ。

G63が高すぎるという問題

菅原 確かに、G63の中古相場は、ここ最近もずっと高止まりしているよな。でも、新車のマイバッハGLS600とゲレンデのG63の価格差が、50万円も無いっていうのには、俺も本気で驚いたよ。マイバッハがもっと圧倒的に高いようなイメージを勝手に持ってた。

戸賀 だよな。そこで俺も考えた。ベンテイガで調子に乗ったところを露呈させたのに、今度はマイバッハで、またやっちゃっていいのかな? って。でも実際問題、G63とマイバッハは50万円も変わらないんだよ。ましてや俺には、数百万の売却益がある。だったら、マイバッハ買っちゃおうかな? って気持ちになっちゃうのも仕方ないと思うだろ? G63の限定車はまだ出てないし。

菅原 まぁ、分からんでもないな。

戸賀 ということで、俺が次に購入したセカンドカーは、マイバッハGLS600なのでした!

菅原 話しの流れからしても、そうなるよね(笑)。ちなみにマイバッハの購入相談した時の、奥さんの反応はどうだったの?

戸賀 意外だったんだけど、いつもは厳しい妻も、この時はほとんど一発OKだった。やっぱりG63と価格に差が無いこと、さらに売却益があったことが大きかったんだろうね。いつもは引っかかる駐車場問題も、G400Dで借りた平置きの駐車場を引き続き借りれば問題無かったしね。

ちょっと地味なボディカラーも良かった

菅原 確かにその辺は大きかったと思うよ。今回はキャンセル車両ということだったけど、どんな仕様のクルマだったの?

戸賀 まずボディカラーだけど、これはモハーベっていうガンメタよりはシルバーに近いような感じのくすんだシルバーで、他のブランドには無いような色だった。さすがにあの威圧的なツートーンは乗れないと思っていたから、これは良かった。ちょっと地味な感じだったのも良かったし、メルセデスのGLSにも同じ色があって、マイバッハとの差が出難いのも良かった。メルセデスと明確に差を出したい人は、間違いなくツートーンを選ぶからね。

菅原 おっ、ベンテイガで学んだことを活かしているじゃん。

戸賀 うるさいよ(笑)。で、もちろん左ハンドルだったし、内装がクリスタルホワイトっていう300万円くらいかかるオプションが設定されていて、シートはもちろん、ドアパネルもダッシュもピラーも天井も、真っ白いレザーだった(ドアパネルとダッシュは一部グレー)。ステアリングも白いウッド?だったし、キャンセル車両とは思えない、まさに俺好みな世界観を持ったクルマだった。ちなみに、内装にクリスタルホワイトのオプションを奢ったモデルは、今、カーセンサーで見ても全部相場が高いんだよ。クルマの買い替えが早い人間は、常にリセールを考えなければいけない、という話しは何度もしたけど、そういったこともあって、この時はマイバッハGLS600の購入を決めました、って感じかな。

妻にも喜んでもらえた贅沢な空間

戸賀 ちなみに俺って、SUVに乗っていても家族以外の人を乗せることは、まず無いんだよ。うちはPちゃんも入れて3人家族だから、俺がドライバーだったら、後ろの2座席は妻とPちゃんのもの。たっぷりしたホールドシートにひとりずつ乗るっていうのは、快適性を考えたら言うまでもなく最高なのは間違いない。そんな贅沢空間を、妻に愉しんで欲しかったというのも、じつはマイバッハを購入した理由のひとつでもあったんだ。昔から贅沢をさせてもらってばかりだったから、妻に何かしてあげたい、恩返しがしたい、喜ばせたいっていう気持ちが、この頃すごく強いんだよ。実際、妻をマイバッハの後部座席に乗せたら、むちゃくちゃ喜んでくれたんだけど、あれは本当にうれしかった。じつは、おふくろを乗せた時は、おふくろも喜んでくれたんだよ。マイバッハは、妻孝行、親孝行をさせてもらえた、最高の思い出を作ってくれたクルマでもあるんだよね。

菅原 奥さん、さらにおふくろさんも喜んでくれたクルマなんて、今までの愛車遍歴の歴史にはなかったよな。

戸賀 そうなんだよ。だから本当に良いクルマだってこと。でもね、やっぱりマイバッハには、5000万円以上するんじゃないの? みたいなイメージがある。実際スガもそうだったろ?

菅原 それは間違いないね。

戸賀 G63と50万円しか変わらなくても、G63はなぜか許されて、マイバッハはどうしても悪見栄しちゃうのが問題なんだろうなぁ。ベンテイガと一緒で、最高峰クラスだけが持つ、ある種、宿命みたいなものなのかも知れないけどね。

走りはジャンボジェットのイメージ

菅原 ところで、マイバッハGLS600の走りはどうだったの?

マイバッハGLS600のサイド

戸賀 これは体験しないと分からないかも知れない。たとえば、高速道路で渋滞に巻き込まれていたとする。ノロノロ運転を繰り返しているうちに、ふいに渋滞が終わって、目の前が開けたところでアクセルを踏み込む。その時の感覚は、クルマではなくて、まさにジャンボジェット機だね(笑)。それしか形容のしようがないんだよ。感動のパワーと静けさ、剛性感を超えた、壁に守られたような安心感。当たり前だけど、ヤンチャ感はまったく無い(笑)。あれはマイバッハならではの感覚なんだろうなぁ。それを経験できたことも良かった気がするよ。

期間限定の贅沢だった

菅原 ここまで話しを聞いてきたワケだけど、このマイバッハGLS600ともお別れの瞬間は訪れるんだよね?

戸賀 そうなんだけど、このマイバッハには、長くてもこの夏までには売らなければならないという前提があった。まず、引っ越し先にマイバッハGLS600を入れられる駐車場がなかったんだよ。さらに、エンジンも変わらない、確かホイールも変わっていない、ほとんど変わったところが無いようなマイナーチェンジがあったんだけど、これで相場がガクンと下がってしまった。お金持ちは、お金があるから常に新しいものに目が行くということを、再認識させられた出来事だった。富裕層の市場の特殊さを、身をもって感じさせられたよね。でも、ここでもラッキーなことに、相場が下がっていく前に、俺のマイバッハGLS600を欲しいという人が出てきてくれたんだよ。

菅原 売って欲しいと言われた時が売り時をまた実践したワケだ!

戸賀 その通り。だから迷うことなく、マイバッハGLS600も次のオーナーの元へ送り出すことが出来ました。期間限定ではあったけど、究極の贅沢をさせてもらったクルマであり、富裕層の市場の特殊さ、凄さを再認識させてくれた1台でもあったよね。でも今は、マイバッハに戻りたいという気持ちはまったく無い。今後はどうなっていくかは分からないけど、また、新たなる魅力を持つ1台を探したいね(笑)。

次回は、久しぶりのスポーツカーが登場の予定です。マクラーレンの次に戸賀編集長が選んだ1台とは?

マイバッハGLS600の後ろ

マイバッハGLS600
全長×全幅×全高:5210mm×2030mm×1840mm
ホイールベース:3135mm
車重:2840kg
駆動方式:4WD
エンジン:3982㏄ V型8気筒DOHCツインターボ
トランスミッション:9速AT
最高出力:557ps/6000~6500rpm
最大トルク:730Nm/2500~5000rpm
価格:¥29,150,000 ※2023年当時

文 菅原 晃

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