手に入れるべきは細部に神が宿る名作ファニチャー

INTERIOR

トガルーム第12弾：一見シンプル、実は“こだわり”の塊

2023.02.11

リッチなオジサンのモットーは「一日一贅」。ですが、圧が強い高級感やこれみよがしなギラギラ感を追いかけるのは、少々大人気ないというもの。それらはラグジュアリー道をデビューしたての若者に任せ、一見シンプル、でも実は、細部にクリエイターのこだわりが詰まった”見る人が見れば“なアイテムを選びたいところ。というわけで、今回のトガルームは、名作ソファが主役のインテリアをご案内します。

アイコン家具ひとつで空間の印象はガラリと変わる

マレンコ　W2060mm× D950mm× H800mm× SH395mm \804,100（税込）／アルフレックスジャパン

シンプルながら細部につくり手のこだわりが感じられるアイテムとして、まず取り上げたいのがアルフレックスのアイコン的存在、マレンコ。イタリア人デザイナー、マリオ・マレンコによるコロンと丸いフォルムのソファが、アルフレックスジャパンで発売されたのは1971年のこと。以来50年以上に渡って愛され続けてきた名品中の名品です。

マレンコの魅力は、個性的なフォルムに留まりません。アルフレックスジャパンは、日本での発売に向け、「長く、安心して使い続けられる」ことを念頭に製造過程を大幅に見直し。シート内部は、堅牢なモールドウレタンを柔らかなウレタンが包む構造にし、丈夫さと快適な座り心地を両立。背、シート、アームとパーツごとにつくり、最後に組み上げる製法にすることで、傷んだシートの表層だけを交換するといったきめ細やかなメンテナンスも可能にしました。

さらに、「自宅でカバー交換ができる」という当時は他に類をみない画期的なカバーリング技術を開発。後にイタリアでも採用されたこの技術によって、マレンコは、空間に合わせてイメチェンできるソファとしての地位を確立したのです。

「マレンコといえば、まず浮かぶのがビジュアルの素晴らしさ！　独特なフォルムはもちろんですが、カバーリングで自分らしさを演出できるのが魅力ですね。時々、著名デザイナーやクリエイターが手掛けたカバーが発表されるのですが、そんなリミテッドエディションがあるのも、“限定品好き”としてはそそられます。それでいて、座り心地も申し分がない。まさに名品中の名品ですね」と、戸賀編集長も大絶賛。
　アルフレックスジャパンはその後もマレンコの製造をブラッシュアップし続け、その数なんと100回以上とか！　その心意気もまた、オジサンの心をくすぐります。

アストルフォ　W2020mm× D245mm× H1430mm　\290,000（税込）／LCI

マレンコの存在感に負けないフロアランプとしてセレクトしたのが、イタリアの照明器具メーカー、LCIのアストルフォです。スチール製ケースのベースに、上質なオークの無垢材をファサードとして取りつけ、そこに光源となるアルミ製ブラックアルマイト仕上げのアームを差し込むという、なんともユニークな設計。アーム部分は、真横や斜めなど、３つの異なる角度に調整できます。ちなみに、アルミニウムのアームは騎士の槍に見立てたものだとか。騎士の抒情詩から発想を得たという成り立ちもまた、男のロマンを掻き立てますよね。

質実剛健さと優雅さのバランスにセンスが表れます

ダイニングテーブル「イエナ」W1600mm× D900mm× H720mm、チェア「ヴェラ」Ｗ505mm×D565mm×H780mm×SH460mm　トータルで\1,250,700（税込）／アルフレックスジャパン

ダイニングスペースにも、マレンコ同様シンプルながら細部にこだわりのあるアイテムを。パトリック・ノルゲがデザインしたイエナは、素っ気ないほどシンプルなフォルムながら、天板を支える脚が上部から下部に行くにつれてほっそり引き締まる、質実剛健×優雅さが特徴。天板はオーク材（ナチュラル、チャコールグレー、マロンブラウン、コーヒーブラウン、グレー）5色またはデクトン（ダナエ、ケオン、ブロモ）3種から選択でき、脚はスチール粉体舗装（メタリックグレー、メタリックベージュ）２色からチョイスが可能。組み合わせ次第で、クールにも温かな印象にもなります。

チェアは、美しい曲線が印象的なヴェラで柔らかさをプラスしてはいかがでしょう？　張りのある感触と抜群の耐久性をそなえたフルモールドウレタンのチェアは、長期間使用しても、美しさをキープ。ラグジュアリーをお望みならレザー仕様を、カジュアル志向なら撥水加工済みのファブリック仕様をと、こちらも、自分好みを確立できます。