FASHION
イタリアのリッチなオジサンの今
クルマ、時計、服のすべてを考慮してコーディネートがキマる!
第一弾では、ミラノの老舗紳士服ブランド「ラルスミアーニ」と高級紳士雑貨店「Gロレンツィ」のオーナー、かつミラノ随一の高級ショッピング街の協会の会長を務める、業界屈指の二枚目、グリエルモ・ミアーニ氏です。
「控えめな中に色や素材で遊ぶのがミラネーゼスタイル」
「私のスタイルを形容するなら、“ミラネーゼ風アンダーステイトメント”でしょうか。控えめでシンプルな中で色や素材で遊ぶのが好きですね。特に効かせ色は大事で、例えば靴下は必ずカラフルな小紋にするとか。私は大のクルマ好きなので、その日に乗る車の色に合わせて服のカラーコーディネートをしてしまうこともありますよ(笑)」とミアーニ氏。
さて、この日は黒のレザージャケットにナス色のクルーネックニット、明るい茶のパンツをあわせたスタイルです。ニットのナス色やスニーカーのチャコールグレーなど雰囲気のあるニュアンスカラーを多用し、遠くから見ると無地に見えるようなマイクロパターンの千鳥格子のパンツでシンプルさにひとひねりを加えています。また、良質なものを長く使うようにしていて、このパンツも7年間愛用しているのだそう。そして時計はブルガリのディアゴノ・クロノグラフを合わせていました。
「自然の色を愛で、経験で技を磨くのが着こなし上達への道」
「タートルネックが大好きなので様々な色で揃えていて、この季節、かなり頻繁に着用しています。今日はこれまた年間通して使用度が高いコーデュロイのパンツを合わせました。コーデュロイのパンツは冬のアイテムと思われがちですが、私は夏でも履いてますよ」というミアーニ氏。冬に白やアズーロ(ライトブルー)を着こなすのはやや上級テクではありますが、ブルゾンと靴を同色で合わせることですっきりまとまっています。「私の場合、色使いは自然からインスピレーションを得ますが、長年、生地に携わってきた経験も左右していると思います。色々トライしてみるのが、色使いや着こなしが上達する秘訣なのではないでしょうか」
そして足元には「フリウラーネ」を。これは北イタリアのフリウリ・ヴェネチア・ジュリア地方の、オペラシューズのようなデザインのスリッポンですが、カジュアルにもフォーマルにも合うので、ミアーニ氏の大のお気に入り。様々な色を揃えて20足ぐらい同じものを持っているそうです。ちなみにこの靴はやはり素足に直接履くのが基本。
「高級車も稀少モデルも普段使いで乗り回して、クルマでストレス解消」
自分でも“病気”だというほどのクルマ好きなミアーニ氏。「私は機能性と外観の美しさがマッチしているものが好きなのですが、その代表格がクルマだと思います。中でもちょっと変わったクルマのコレクターで、今のお気に入りはポルシェ・ターボのシリーズ。993、996、997を持っています。特に好きなのは、4年前に日本人のオーナーから買った、ポルシェ・エクスクルーシブ・マニュファクチュールの993ターボ。内装が赤のオールレザー仕様なんですよ」。
ガレージには他にも、さりげなくクラシックカーあり、フェラーリも数台! ちなみにこれらのクルマではサーキットを走ることもありますが、基本的にはすべて一般車道で乗れるように車両登録していて、普段使いをしているそうです。ゴーカートも大好きで、「ストレスはクルマに乗ることで解消します(笑)」とのこと。
「時計コレクションもこだわりのあるものだけ。クルマと時計のテイストを合わせることも」
多趣味なミアーニ氏は、クルマ以外にもヨットで大西洋横断レースに出たり、バイクに乗ったり(危険なので最近は控えめにしているそう)、インテリアに凝ってヴィンテージの家具やオブジェを集めたりしていますが、なんといってもクルマと並ぶほどのコレクションといえば時計。
「クルマと同様、コレクションしているのはこだわりのあるものだけです。服もそうですが、時計もクルマとテイストを合わせて選んだりしますね」。今回見せてくれた時計コレクションの一部は、腕にしているのが「ブルガリ オクト」、Gロレンツィ製の時計ケースに入った3本は、左から「ブルガリ ディアゴノ スクーバ(チタニウム)」、「ロレックス サブマリーナ デイト(セルティ ダイアモンドダイヤル)」、「ロレックス GMT マスターⅡ(ゴールド)」。
Profile
Guglielmo Miani(グリエルモ・ミアーニ)
イタリア・ミラノ出身。「ラルスミアーニ」CEO。1922年に仕立て人だった祖父グリエルモが設立した同社の3代目。2000年に入社し、12年間生地部門を担当した後、2012年より本格的に会社の経営を受け継ぎ、トータルブランドとして拡大。2016年には老舗の高級雑貨店「Gロレンツィ」を買収。2012年より、ミラノのファッションゾーンである「モンテナポレオーネ」協会の会長を務める。
撮影 Stefano Triulzi (ステファノ・トゥリウルツィ)
編集・文 田中美貴
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