ふるさと納税,富裕層,メリット
(画像=PosiNote/Shutterstock.com)

ふるさと納税がますます盛り上がっています。寄付金で節税でき、また、地場の返礼品がもらえるとあって、多くの人が利用するようになったふるさと納税。しかし、自治体の財政改善に寄与する一方で、泉佐野市など独自の取り組みをしていた自治体が対象外となったり、また、金持ち優遇との批判もあったりなど、課題も多くなっています。ふるさと納税は、富裕層にとってメリットのある制度なのでしょうか。もう一度整理してみましょう。

年々拡大を続けるふるさと納税

ふるさと納税は、2008年に始まった、地方自治体に寄付をする制度です。寄付金控除が使え、返礼品として地場の特産品がもらえることから、年々その知名度は向上しています。実際、寄付金の総額は6年連続で増加しており、平成30年度には5,000億円を突破しています。

人口減に伴う税収の減少に苦しむ地方自治体も多い中、ふるさと納税はそういった地方自治体の税収源としても期待されています。実際、返礼品の調達に寄付金の約35%、送料や手数料を含めると約55%の経費がかかっています。すべてが税収として活用できるわけではありませんが、残りの45%は税収としてプラスになっています。また、返礼品の調達などを通じて地場産業を活性化させていることからも、納税者と地方自治体、両方にとってプラスになる政策だと言えるでしょう。

富裕層ほどふるさと納税はお得になる?

さて、ふるさと納税ですが、実は、その仕組みを詳しく理解している人は多くないかもしれません。例えば、富裕層ほどふるさと納税がお得になることをご存知でしょうか。

ふるさと納税の仕組みは、地方自治体に寄付をした金額から、所得税と住民税のうち、2,000円を除く部分が控除されるという仕組みになっています。控除される部分は、所得税、住民税の基本分、そして住民税の特例分に分かれるのですが、それぞれ、控除できる上限は、所得税部分は4割、住民税の基本分は3割、特例分については2割が上限となっています。

基本的に、住民税は年収の大小にかかわらず10%ですが、所得税は年収が高ければ高いほど税率が上がる累進課税制度になっています。つまり、年収が高ければ高いほど、ふるさと納税として使える所得税の割合も上がってくるのです。そのため、富裕層ほど、ふるさと納税を有効に活用できると言えるでしょう。

ふるさと納税に潜む課題とは?

そういった、富裕層にとってメリットの大きいふるさと納税ですが、課題がないわけではありません。一つは、返礼品の制限の問題です。現状は、「返礼品は地場のものに限り、上限を寄付金の3割までとする」というガイドラインがあります。このガイドラインを大幅に違反するとして、泉佐野市をはじめとする4市町村はふるさと納税の対象から除外されています。しかし、国地方係争処理委員会がこの除外を不当とし、除外を見直すよう勧告をしました。このように、そもそも制度自体が不明瞭な部分も多く、今後、明確な運用方針が求められることになりそうです。

また、富裕層が相対的にお得になることから、「金持ち優遇」という批判もあります。税金には、「富の再分配」という役割があります。しかし、ふるさと納税は、富裕層が得することも多く、結果、格差が拡大していくのではないかという懸念もあるのです。

地域への貢献を兼ねて、ふるさと納税に取り組もう

ふるさと納税の規模は現在、年々大きくなってきています。しかし、返礼品のガイドラインの問題や、富裕層になればなるほど得をする制度など、制度自体に課題もあります。今後、制度そのものが変わっていく可能性はありますが、今の時点ではやらない理由はないでしょう。また、ふるさと納税を受け入れた先に対し、貢献できるのも事実です。制度を理解した上で、ふるさと納税の開始を検討してみるのもいいでしょう。

文・J PRIME編集部

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