土地活用,アパート経営
(画像=Markus J/Shutterstock.com)

長年更地になっている土地は数多く存在する。過去に購入した土地が、ある時期から活用されなくなったものや、遊ばせている土地を何も知らないまま相続させられる相続人も多い事だろう。多くの場合、そのまま手付かずで放置されて税金だけが毎年請求されている。

近年では、空き地のニーズが増え活用方法も多様化しているため、土地の所有者にとっては空前のビジネスチャンスが到来していると言っても過言ではない。しかし、資産運用のイメージが難しくリスクの高いイメージが強いため、なかなか土地を生かして収入に繋げる発想にならない実情がある。

用途の定まっていない土地を遊ばせておくよりも、何らかの形で土地活用の手段を取る方が効果的だ。アパート経営は収益率の高い土地活用方法なので、この記事ではアパート経営の手順やメリットを紹介する。

土地活用の手段としてアパート経営が選ばれる理由とは

アパート経営は、土地活用において人気の高い経営方法の一つだ。理由にはいくつかあるが、中でも1番の理由は不労所得を得る事が出来る点にある。その他にもアパート経営のメリットとして挙げられるのが、収入の部分と経費削減の部分だ。ここでは、これらの内容を掘り下げながらアパート経営のメリットを紹介する。

節税効果が高い

アパート経営が人気の理由として、節税効果が高い事が挙げられる。土地やアパートを所持し続ける以上、固定資産税と言う税金がかかってくる。固定資産税は、資産の評価額によって納付額が算定され毎年納付しなければならない義務があるのだ。

但し、土地に対する固定資産税は住宅用地とすることで優遇措置を受ける事が出来る。住宅用地は、住宅用に利用される土地を指し、不動産経営におけるメリットの一つとされる節税の条件だ。住宅用地の特例が適用されると、課税対象額が最大で6分の1にまで下げる事が出来る。

この事からアパート経営は、節税対策としても有意義な方法であると言えるだろう。他にもアパートに対する節税効果が期待出来る。アパートを購入すると、それに対する固定資産税が新たに上乗せされるが、建設から5年間にわたって2分の1が減税される優遇措置を受けることも可能だ。

また収益から算定される所得税に関しても、アパートの減価償却費を計上することで節税効果が得られる。このようにアパート経営に対する節税効果は、固定資産税に対する効果と所得税に関する効果がある。

土地の立地に依存しない経営が可能

立地条件は、アパート経営を行う上で非常に重要になるが、立地が悪いからと言ってアパート経営が出来ない訳ではない。工夫次第では、立地に依存せず経営が出来るのもアパート経営のメリットだ。例えば、アクセスの悪い土地であれば駐車場を設置すれば入居者を確保する事が出来る。家族向けの間取りにすれば、車を持っているファミリー層からの入居も期待出来るだろう。

逆に都心部で狭い土地におけるアパート経営の場合には、全ての間取りをワンルームにして部屋数を確保すれば家賃を安く提供出来る。実際、都心部では「3畳ワンルーム」と言われる集合住宅が話題だ。間取りは狭いが、清潔感のある安価な新築アパートとして売り出せば狭い土地でも十分に収益が見込める。

アパート建設の費用については融資が受けられる

アパート建設には、銀行から低金利での融資を受ける事が出来る。当然ながら審査はあるが、成人であればアパート建設の目的でまとまった資金を借り入れる事が可能だ。金利の計算方法には、金利が変わらない固定金利と時期によって金利が変動する変動金利がある。

固定金利は、一定の金利ではあるものの変動金利に比べて若干金利が高くなる。一方で、金利が低いものの率が変動する可能性があるのが変動金利だ。最近の傾向では、0金利政策が進んでいるのもあり全体的に金利が下がっている傾向にある。この事を踏まえると、変動金利のローンを組んで不動産投資を行うのが得策と言えるだろう。

通常の不動産投資に比べて費用を抑えられる

通常の不動産投資であれば、土地と建物の両方購入する事になるので設備投資が高くなる。既に土地を持っている場合であれば、土地を購入しなくてよいので、不動産の取得費用が抑えられるのもメリットの一つだ。その結果、通常の不動産投資に比べて利回りが高くなり、早期に設備投資費用の回収が実現出来る。

「団信」に加入すれば生命保険かわりにも

団信は団体信用生命保険の略称で、不動産購入際に使用する住宅ローンの保険として使用するものだ。団信に加入すると住宅ローン残債が残っていた場合に被保険者に万が一があっても保険金で住宅ローンを賄うことが可能だ。

また経営権を移譲できるのもメリットといえるだろう。しかし団信の利用料は毎回の住宅ローンに上乗せ手支払うことになるため毎月の返済の負担増となってしまうのがデメリットといえよう。

物価の変動リスクを受けにくい

他のビジネスに比べて、物価の変動に影響を受けにくい点もメリットの一つと言える。不動産が安定資産である事から、物価の変動によって大幅な家賃の増減は考えにくい。長期的に運用していくものなので、老朽化による家賃の低下が想定されるものの固定資産税も比例して下がっていく。

物価の変動とは違う観点での変動になるので、逆を言えば土地が高騰して家賃収入があがる可能性もゼロではない。在庫を抱えるビジネスと比べれば、この辺の物価の変動リスクは受けにくいと言える。

土地活用でアパート経営を行う際の注意点

メリットが多いアパート経営だが、不動産投資である以上はリスクも当然ながら存在する。経営を成功させるためには、万が一の時の事を考えて柔軟に対応出来るようにしておく必要がある。不動産投資はリスクが高いので、リスクを減らすためにいくつかの注意点を抑えておこう。

ニーズについて事前調査を行う

賃料相場などを通して入居者が集まるかどうか想定してみる必要がある。周辺地域の相場を把握する事で、よりニーズにあったアパート経営が現実的なものになるからだ。また、駐車場の有無も調査の対象に入れておくと良いだろう。周辺に駐車場付きの物件が多く、駐車割合が多い場合には駐車場付きアパートを視野に入れておいて方が良い。

不動産投資で必要な税法や不動産関連の法令について学習する

アパート経営のような集合住宅の不動産投資を行う場合には、税法や法令についてある程度学習しておく必要がある。不動産投資における税法では、固定資産税に関する知識だけでなく収益から発生する所得税の知識も必要だ。前述でも触れた固定資産税と減価償却費の費用計上などが、税法上におけるメインの知識となる。

法令にも色々あるが、一番知っておきたいのはトラブルに関する法令だろう。入居者への対応の仕方によっては、法令違反になる場合があるので注意が必要だ。

収支シミュレーションを通してアパート経営をイメージする

闇雲にアパート経営を始めてもリスクが大きくなるばかりで、収支に繋がらず損失を招いてしまう原因になる。経営前に収支シミュレーションを行い、アパート経営をしっかりとイメージすることが大切だ。その中には、設備投資にかかった費用がどれぐらいの期間で回収できるのかを計画立てておくことも重要になる。

特に費用においては月々のランニングコストだけでなく、経年劣化によるメンテナンス費用も予算立てておく事でシミュレーションの精度も上がる。シミュレーションを行うか行わないかで事業への見通しは大きく異なってくるので出来ればシミュレーションはおこなうようにしよう。

土地活用で得たいゴールを明確にする

アパート経営で「利回りを高めて高額で売却する」などの出口戦略を立てるためには土地活用を通して得たいゴールが明確になっていなければならない。場合によっては、次の世代に譲渡する事にもなるので出口戦略を決めておくことは極めて重要だ。土地は持っている以上は固定資産税が半永久的にかかってくるため、アパート経営で収支を出し続けなければならない。

どの時点をゴールにするのかを明確にしておくことで、売却するタイミングの目安にもなる。例えば、いくら収支が出ればいつ売却しても良い時期を見定めておくのも一つの手段だ。目的・目標をしっかり明確にすることで自分のやることを正確に行えるようにしよう。

アパート経営を始めるための手順を紹介

どのような手順でアパート経営をすれば良いのか、誰しもが疑問に思う事だろう。経営にはお金の管理シミュレーションや業者との折衝、別の方法を視野に入れた柔軟さが必要になる。時には初めて知る内容を1から学習する事も出てくるかもしれないが、一度経験すれば他の不動産経営にも使えるノウハウが多い。ここでは、アパート経営を始めるための手順を紹介する。

用意できる初期費用を算出する

まずは自己資金でどこまで初期費用を出せるかを算出する必要がある。「貯金を使う」「一定期間貯金をする」「他の資産運用で得た利益を使う」など色々あるだろう。自己資金は借入とは違い利子のかからない資金になるので、理想としては全ての初期費用を自己資金で賄う方が良い。

不動産投資は、金融機関からの融資が当たり前と思い込まず、先ずは自己資金でどこまでの経営が出来るのかを算出するのも大切だ。どこまでの金額を最初に出せるかが、今後の経営に大きく影響してくると言える。

融資の限度額と自己資金から捻出できる初期費用を明らかにする

自己資金で希望の初期費用に到達しない場合、残りの金額でローン組をしなければならない。当然ローンを組む場合には、審査結果によって金額が変わってくるので、結果が得られないと初期費用を明らかにする事は出来ない。しかし一方で金融機関へ見込み収支を明らかにした資料を提出しないとローンが組めないため、初期費用をシミュレーション上で決定しておく必要がある。

初期費用の決定は、アパート経営する上での経営方針の決定の場であるとも言えるため、金額が不明確なローン組みにおいては、いくつかの戦略パターンを作っておくことが重要だ。ローンの結果が出た時点で、改めて確定した初期費用での経営方針を固めるべきだろう。

アパートの規模や設備をメーカーとすり合わせる

初期投資額が決定すれば、アパートの規模や設備をメーカーとすり合わせする事も必要になる。メーカーとのすり合わせ時には、少しでも疑問に感じた事を解消しておく事が非常に大切だ。建設前の段階で、認識を合わせておく事で今後の修繕やメンテナンス費用に大きく響いてくる。

またアパートの規模と部屋数のバランスを考える事も重要だ。間取りを広く取りたいのであれば家賃を高くする必要が出てくるが、一方で周辺の家賃相場も考えないといけない。その辺のリサーチ結果を踏まえて規模を考えるべきである。

収支シミュレーションを行ってキャッシュフローをイメージする

収支シミュレーションの中で、意外と見落としがちなのがキャッシュフローに関するシミュレーションだ。キャッシュフローは、通常の収支計算とは異なり実際の現金の出入りを見るためのもので経営する上で重要なポイントになる。例えば、減価償却費は費用として計上されるが実際に現金が出て行っている訳ではない。

キャッシュフロー上で減価償却費分の現金は手元にあるものとして計算される。代わりに、最初に固定資産を取得した時に高額の現金が出て行ったと見なされるのもキャッシュフローの特徴である。帳簿上で利益が出ているにも関わらず、実際には赤字になっている事態が存在するのは、キャッシュフローの観点を持っていない事によるものだ。

キャッシュフローの観点を持たない事で、一番見落としがちなのが借入金の利息になる。収支シミュレーションをする際、家賃収入に対して管理費などの固定費は差し引いて計算されるが、借入金の利息を入れる事がない。これは支払利息が営業外費用とされている事に起因するのだが、キャッシュフローの観点から行けば現金が出て行っている事には変わりないので、費用として考えるべきである。

この事からアパート経営時には、通常の帳簿による収支とキャッシュフローによる収支を見比べて見る事も重要になってくる。

不動産管理会社への管理委託も視野に入れて集客、運用

アパート経営は、自己経営で全て行うのではなく不動産管理会社を使った管理委託を視野に入れるのも一つの手段だ。管理を委託すれば、入居者の募集や細かな管理運用まで一気に任せる事が出来る。オーナーとしての経営に集中する事も出来るので、不動産管理会社を使う手段は非常に有効的だ。

また、入居者とのトラブル対応や事前のリスクヘッジにおいても管理会社を挟む事で、質の高い管理が実現となるケースが多い。管理コストがそれなりにかかってくる事から、小さな物件では全て自分でまかなってしまうケースも多いが、法的なトラブルや手続きには目の行き届かない部分がどうしても出てくるのだ。

特に孤独死に関する対応には、法的でセンシティブな要素が強いため、どうしても自己経営では限界が出てくる。一人暮らしの男性が増えている近年においては、自己経営で管理できそうな小さな物件でも管理会社をつけておく方が無難であると言えるだろう。

但し、管理コストもかかるので入居者数が少ない場合には収支に見合わないケースもある。この方法以外にも、管理会社へ土地ごと貸して経営の全てを任せるのも一つの手段だ。この方法は土地の賃料のみが収入源となるため、通常のアパート経営に比べて収益が少ない。

少なくとも土地の固定資産税を払えるだけの収支が、出し続ける事が出来るのかをシミュレーションしておく必要があるだろう。固定資産税を支払う事だけが目的なのであれば、全てを管理会社へ任せる方法が有意義であると言える。

アパート経営は高い収益が期待できる土地活用の手段!

土地活用にも色んな方法はあるが、不動産経営が一番収益性の高い方法として注目されている。中でも都心部でのマンション経営には注目が集まっており、分譲マンションへの不動産投資も多い。しかし、これらの不動産投資には管理会社がこぞって営業をかけているのもあり、管理会社主体で契約が進むことの多い案件だ。

その点、既に土地を所有している人のアパート経営は、身近に行える経営であり周辺権境も把握出来る事が多い。そのためニーズも拾いやすい事から、不動産経営の中でも比較的リスクが少なく収益性の高い経営である事が伺える。持て余している土地があるのであれば、この機会にぜひ検討してみてはいかがだろうか。

文・ZUU online 編集部/ZUU online

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