いよいよ5月1日に新たな時代が始まります。昭和から平成と続き、次なる元号は何になるのでしょうか。元号にまつわる歴史的な経緯を紐解いてみます。

災害等を理由にした改元も多かった

明治憲法発布以来、天皇が退位したことはありませんが、200年さかのぼると、1817年には光格天皇が譲位しています。それ以前、天皇の譲位は珍しくなく、譲位した天皇(上皇)が実権を握るいわゆる院政も行われてきました。重祚(ちょうそ)といって、天皇に再登板する上皇もいたほどです。

元号の起源はもともと中国から伝わり、日本初の元号は西暦645年、孝徳天皇が「大化」を定めます。以来、247もの元号が制定されてきました。

朝廷が分裂した南北朝時代も、改元が途切れることはありませんでした。ほとんどの権限が幕府に奪われた江戸時代も、朝廷は権威のよりどころとして綿々と改元を続けてきました。

紀元前の前漢時代から2,000年以上続いてきた中国の元号も、「ラストエンペラー」宣統帝の時代を最後に潰えました。北朝鮮や台湾でも元号は使われていますが、1,400年以上にわたり連綿と続く日本の元号は、世界でも稀有な存在なのです。

元号の出典は何か

そもそも改元は天皇退位の時と決まっていたわけではなく、自然災害や大飢饉などの厄災が起こるたびに「汚れをはらう」ためとして執り行われてきました。

明治22年、政府が「皇室典範」を発布し、ようやく一世一元がルール化されたのです。

ちなみに247ある元号のうち、奈良時代に使われた4文字(神護景雲・天平勝宝・天平感宝・天平宝字・天平神護)を除き、基本的に漢字2文字が使われてきました。

その2文字は、ほぼ例外なく漢籍から選ばれます。例えば平成は、歴史家の司馬遷が編纂した中国24史の1つ「史記」五帝本紀に登場する「父義、母慈、兄友、弟恭、子孝、内平外成」 より選んでいます。

「父は正義を重んじ・母は慈しみ・兄は友情を大切にし・弟は恭しくふるまい・子は孝行に励めば、家庭内は平和が続き、世の中もうまく治まる」といった含意が込められているようです。

さて、新元号も漢籍から選ばれるのでしょうか?有識者からは日本古典も典拠に加えるべしとの意見も出されたようで、古事記や日本書紀などが出典となるようです。

何度も候補に選ばれる元号も

元号は、有識者が考案した候補を3つ程度に絞り込んだうえで最終案を選定します。平成の時も、他に「修文」や「正化」が候補として挙げられましたが、頭文字「S」が昭和とダブルということで、最終的に外されます。

過去の改元を遡ると、何度も登場した元号案もあり、例えば「明治」は11度目にようやく採用されました。逆に「昭和」はたった一度でクリアしています。

ちなみに、平成年号案の策定には山本達郎東京大学名誉教授ら4人が関わったと言われていますが、細かいことは明らかになっていません。改元の選定プロセスを記録した公文書は非開示とされ、公開されるのは今から25年後の2044年になるようです。

新元号公表は4月1日

安倍首相は1月4日に伊勢神宮を参拝した後、年頭記者会見で「4月1日に新元号を公表する」と発表しました。元号の事前公表に関して前例はありませんが、政府は国民生活への影響に配慮し、1ヵ月の周知期間を設けたのです。

改元までもう3ヵ月を切りました。新元号が日本人に、そして世界にどんなメッセージを発信するのか期待したいです。

文・J PRIME編集部

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