米国,定年退職,危機
(画像=l i g h t p o e t/Shutterstock.com)

モトリーフール米国本社、2019年7月15日投稿記事より

米国では今日、多額の学生ローンの借金と年金制度の支払能力の不確実性が注目を集めています。

そして、何百万人もの米国人にとって、同様に深刻な危機が起こりつつあります。

それは、定年退職に関する危機です。多くの人々は、残りの人生を暮らしていくのに必要な蓄えを持っていません。

蓄えがない場合、家族に頼るか、基本的な生活費をまかなうために政府の援助を求める必要があります。

ノースウェスタン・ミューチュアル生命による最新調査に基づけば、今後数十年のうちに何万人もの人々がそうなるでしょう。

統計が示す状況

ノースウェスタン・ミューチュアル生命の2019年の調査では、多くの人々の将来の見通しは厳しいままです。

調査結果は以下の通りです。

  • 米国人の22%は、定年退職のために5000ドル(約53万円)未満しか貯蓄していません。

  • 15%は、全く定年退職に関する貯蓄をしていません。

  • 56%は、彼らが退職後に快適に生活するためにどれだけのお金が必要かを知りません。

上記のうち22%もの人々が5000ドル未満の貯蓄しかないというのは驚きです。

(訳注:米国は日本に比べると貧富の差が激しく、州や居住地域(都市、農村等)によっても所得の差が大きいことに留意が必要です。)

この調査では、団塊の世代とその次の世代に焦点が当てられました。

その結果、1万人の団塊世代のうち、17%が5000ドル未満の個人退職口座(税制上の特典あり)、20%が5000ドル未満の個人貯蓄を退職口座以外で行っていることが分かりました。

これらの数字はジェネレーションX(1960年代初頭または半ばから1970年代に生まれた世代)ではもう少し高く、21%が退職口座で5000ドル未満、22%が個人貯蓄で5000ドル未満の貯蓄をしています。

彼らは退職までに時間があるので、それまでに貯蓄を増やすことは可能かもしれません。

しかし、現時点で貯蓄が5000ドル未満であるならば、彼らが引退する時までに十分なお金を貯蓄できるとは考えにくいでしょう。

多くの人は、貯蓄を退職後にすぐに切り崩すわけにはいかないことを理解しているので、労働期間の延長を計画しています。

調査対象者の約46%が65歳以上、18%が74歳以上まで働くことを想定しています。

これにより、退職後の貯蓄を補うことはできますが、予期せぬ健康上または家族の問題により、このように長く働くことは不可能な場合もあります。

将来の経済的安全を守る方法

団塊の世代や、ほとんどまたはまったく貯蓄のないジェネレーションX世代にとって、簡単な解決策はありません。

長く仕事をすることは選択肢のひとつですが、どれだけ長く仕事ができるかはわかりません。

退職研究センターの調査によると、37%の定年退職者が健康、雇用または家族の問題のために、準備が整う前に退職を余儀なくされています。

退職の準備ができているかどうかにかかわらず、職場を去ることを強制されるかもしれません。

定年退職後の生活年数を推定し、この年数に推定年間生活費をかけて、毎年3%のインフレを想定し、退職年金計画を作成してみてください。

それから、貯蓄必要額を把握するために、社会保障のような他から得られる金額を計算します。

老後の生活を安定させるために、できる限り401(k)プラン(米国における確定拠出型の個人年金制度)に加入してください。

これは、定年退職のための貯蓄の負担を軽減します。

しかし、退職時の貯蓄目標を達成するには、401(k)プランだけでは足りないかもしれません。

日々の生活の中で節約することは簡単ではありませんが、退職後の貯蓄を優先しなければなりません。節約に務め、利用していないサービスなどをキャンセルしましょう。

そして、経費を減らすために小さな家への引っ越しを検討するか、生活費の低い地域や州に移動することを検討してください。

また、税金の払い戻しと年末のボーナスは、退職に向けて貯蓄しましょう。

文・The Motley Fool Japan編集部/The Motley Fool Japan

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