開発,渋谷,地価
(画像=PIXTA)

100年に1度とも言われる渋谷駅周辺の再開発が進行中です。その中でも、渋谷駅の南西部に広がる渋谷駅桜丘口地区の事業が進み、これまで昭和の香りが漂う街並みだったエリアが大きな変貌を遂げようとしています。大型開発の真っただ中にある渋谷は、投資価値の面からはどのように推移しているのでしょうか。開発の勢いとともに、不動産投資の動向が気になるところです。

昭和のレトロから国際競争力強化に向けたエリアへ変貌

まず、気になる渋谷駅桜丘口地区の開発事業についてですが、2.6ヘクタールに及ぶ広大な敷地が対象となっています。流行の先端を生み出す渋谷において、桜丘口地区はそうした最先端の渋谷の一面とは対照的に、懐かしさに包まれた大衆居酒屋やジャズ喫茶、ライブハウスなどが軒を連ねている区画です。こうした一見、渋谷に居ることを忘れるようなレトロなエリアに開発が及ぶことになります。

再開発事業では、A、B、Cとそれぞれの街区に分けられ、A街区には地上39階、地下4階、B街区は地上29階、地下2階、C街区は地上4階のビルが建設される予定です。グローバル化が進行する中、国際競争力強化のための都市機能を導入することが開発計画の要となっています。新しいビルには、商業やオフィス空間に加え、国際医療施設、サービスアパートメント、子育て支援施設が整備される予定です。竣工は2023年度に予定され、住・働・遊を兼ね備えたエリアに生まれ変わります。

渋谷区の住宅地、商業地とも地価は上昇傾向

この開発プロジェクトでは、アパートメントも供給される予定であり、周辺の投資環境にもインパクトをもたらしそうです。目下、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに関連した不動産需要が、国際的なイベントの終了とともに落ち込むという懸念が不動産投資市況には広がっているのは事実です。一方、この渋谷駅の開発計画の完成は、オリンピックよりさらに3年先となっており、オリンピック後に不動産投資市況が腰折れするのか、あるいは大型再開発計画が完了するまで持ちこたえるのかがポイントとなりそうです。

国土交通省の地価公示価格(2018年)によると、東京都内の住宅地においては、渋谷区恵比寿西の地点が前年比11.3%と最も高い伸び率を記録しました。都財務局は、都市部のマンション需要は底堅く、雇用情勢の改善、低金利の環境から住宅購入意欲は根強いと分析しています。さらに、商業地の地価公示価格の伸び率をみると、前年比で最も上昇率の高かった地点は、中央区銀座に譲ったものの、都内のトップテンのうち、実に8地点を渋谷区が占める結果となりました。その上昇率も前年比13.7%から16.8%と2桁以上の伸び率となっています。

少子高齢化、人口減少が進む日本において、東京一極集中化が叫ばれており、都心の不動産は国内の需要に加え、国際都市として海外からの投資も引き付けています。東京都全体では住宅地・商業地とも地価は5年連続で前年比プラスを記録している状況です。オリンピックという国際的なイベントによる特需も要因として働いている可能性も指摘されていますが、一過性のイベントで終わらない渋谷駅周辺の再開発は、エリアの価値をさらに高めることに貢献し、国内外の投資家から注目されそうです。

足元の上昇傾向が続いているのを、高値警戒感として様子見する投資家もいるかもしれません。さらに、オリンピック後の需要の落ち込みから、不動産市況が冷え込むとの懸念を完全に払しょくすることができず、投資に慎重姿勢を貫くケースもみられます。一方で、渋谷駅周辺の開発は、投資価値をさらに引き上げる材料となる潜在性を秘めており、不動産投資には明るい材料となりそうです。

文・J PRIME編集部

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