はやぶさ2,リュグウ,再着地
(画像=Gorodenkoff/Shutterstock.com)

宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小惑星探査機「はやぶさ2」が2019年7月、地球から約2億4,000万キロ離れた小惑星「りゅうぐう」への再着地を成功させました。はやぶさ2は高度20キロメートルから降下を開始して、高度30メートルでホバリング(静止)、ターゲットマーカーを確認すると、そのまま予定地点近くに着陸。着地した数秒間に岩石などの試料を採取すると再び宙へと舞い上がりました。

はやぶさ2が再着地を成功させるとJAXAの管制室は歓声に包まれました。再着地成功を受けて記者会見に臨んだ津田雄一・プロジェクトマネージャは「100点満点でいうと1,000点です」と喜びを語りました。はやぶさ2は、2010年に世界で初めて小惑星から採取した試料を地球に持ち帰った探査機「はやぶさ」の後継機です。

初代はやぶさが岩石質の微粒子を採取したのは小惑星「ITOKAWA」。ITOKAWAは主な材料が岩石質とみられる「S型小惑星」に分類されます。はやぶさ2が目指したリュウグウは、表面の岩石に有機物などを多く含むとみられている「C型小惑星」です。C型小惑星はS型小惑星よりも「原始的(太陽系初期の情報を多く保っている)」とされています。

ただ初代はやぶさは、故障などから小惑星から岩石などを採取するための弾丸の発射に失敗していました。

往復6年、50億キロメートルの旅路

はやぶさ2は2014年12月3日、種子島宇宙センターから、H-IIAロケット26号によって打ち上げられました。ここから往復に約6年、移動距離が約50億キロメートルに達するはやぶさ2の長い旅路が始まったのです。はやぶさ2は2015年12月3日に、りゅうぐうに向かうために地球に接近し、地球の引力を利用して軌道を制御する「地球スイングバイ」を実施。

2016年6月27日に小惑星りゅうぐうに到着しました。上空からの観測を行った後、2019年2月、りゅうぐうに最初の着陸。はやぶさ2は2019年2月の着陸時にも岩石などの試料の採取に成功したとみられていました。それでもJAXAは2度目の着陸と、試料の採取を目指します。2019年4月には搭載した衝突装置を利用して金属の塊を小惑星に打ち込み、りゅうぐうの地表面に人工のクレーターを作りました。

小惑星に人工のクレーターを作ったのは世界初です。さらに人工クレーターの近くに目印を投下するなど、2度目の着陸の準備を着々と進めます。こうした準備が2019年7月の再着地成功につながったのです。はやぶさ2が今回採取した岩石は、地中に埋まっていたため放射能などにさらされておらず、「太古の姿」を保っている可能性があるとみられています。

太陽系の歴史や進化の過程を解明へ

宇宙は約138億年前に誕生したと考えられています。ビッグバンによって陽子や電子、中性子、原子などが生み出され、その後、最初の恒星や銀河が形成されました。130億年前には銀河がすでに存在したとみられており、地球がある太陽系の形成は約46億年前に始まったとされます。JAXAや米航空宇宙局(NASA)、世界各地の大学などが研究を進めていますが、まだ不明なことが多いのも実情です。

JAXAによれば、りゅうぐうには太陽系が生まれたころの水や有機物が今でも残されていると考えられています。このことからリュウグウから回収した試料を調べれば、約46億年前に誕生した太陽系の歴史や進化の過程について解明するための鍵が得られるかもしれません。はやぶさ2は引き続き調査を続け、秋ごろにはリュウグウを離れて帰途に就きます。

2020年末ごろには試料が入ったカプセルを地球に送り届けてくれる見込みです。地球の水はどこからやってきたのか、生命を構成する有機物の成り立ちは……宇宙の神秘の解明にまた一方近づけるのでしょうか。はやぶさ2が持ち帰ってくれる成果に期待しましょう。

文・J PRIME編集部

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