デジタル,人材争奪戦
(画像=Alexander Supertramp/Shutterstock.com)

今、デジタル人材の争奪戦が過熱しています。日系大手であるNTTデータが、優れたデジタル人材を2,000~3,000万円の好待遇で迎えるという制度を作ったりするなど、今までの報酬体系を変えてでも、有能な人材を獲得する姿勢を見せています。今後、デジタル人材の獲得はどのようになるのか、日本企業の課題についても考えてみましょう。

世界的に不足するデジタル人材

ビジネスのデジタル化が進む今、デジタル人材が世界的に不足しています。グーグルは優秀な学生に1,000万円以上の高収入を提示し、人材の獲得に乗り出すなど、世界レベルで競争が起こっているのです。

世界で最も人材が不足している仕事として挙げられているのは、ソフトウェアエンジニアおよび開発者であり、さらに、ITデータアナリストやデータベースおよびネットワークの専門家といったデジタル関連の仕事でも不足しています。さらに、今後、アメリカでは、コンピュータ関連の職業で、140万人の需要があるのに対し、コンピュータを学ぶ学生は40万人しかいないとの予測もあり、日本のみならず、世界的にIT人材が不足しているといえるでしょう。

今後、デジタル人材に求められる要件とは?

今後、有能なデジタル人材を獲得するのは、さらに難しくなる可能性があります。デジタルが進化するにつれて、求められる要件もますます高くなっているからです。

これまでは、デジタル人材といえば、ルールに従ってプログラミングを行うといった、いわゆる類型的な役割を担うことが多かったのです。しかし、デジタルビジネスが高度化するにつれて、ITの知識だけではなく、経営全体の知識も求められるようになってきています。

今やデジタル戦略は経営戦略と密接に結びついています。そのため、デジタル人材においても、経営的な洞察力や、データを見て、「このデータが顧客にどういうインパクトを与えるか」まで考える必要が出てきています。また、デジタルを使ってビジネスをどう変えていくのかという、創造性が求められる部分も大きくなっています。

デジタルが密接にビジネスと関わるということは、1つの専門性だけでなく、複数の専門分野にまたがるということです。そのため、デジタルを通じて総合的にビジネス間をつなげていくような洞察力も必要になりつつあります。そういった複数のことに精通した人材は世界的にも少なく、激しい争奪戦になっているのです。

日本企業がデジタル人材争奪戦を勝ち抜くために

では、こういったデジタル人材獲得のために、日本企業がやるべきことは何でしょうか。

1つは、魅力的な報酬です。NTTデータの例を見てもそうですが、報酬が高いことは、それだけ人材を獲得する力があるということになります。今や、新卒であっても、優秀な人材に高い報酬を出すことは、世界的にも一般化しつつあります。日本の初任給は低く設定されていることが多く、これが競争力の低下にも影響しています。こういった従来型の報酬体系からの脱却が今後は求められるでしょう。

もう1つは、学習環境の整備です。優秀なデジタル人材は、自らのスキルを高めることができる場を求めます。そういった刺激的な環境を用意し、自ら学び続けることができるようにするのも効果的です。GAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)をはじめとする世界的IT企業に人材が集まるのは、こういった刺激的な環境を用意しているからでもあるのです。デジタルの世界において、労働時間は成果ではありません。彼らが高い成果を出せるように、制度も含めて、環境整備していくことも重要なのです。

デジタル人材を獲得するために、まずは環境面を整備しよう

デジタル人材には、デジタルビジネスが進化していることもあり、より高い要件が求められています。それを満たせる人材をめぐり、グローバルベースでの獲得競争が激化しています。

もし、自社で有能なデジタル人材を獲得したいのであれば、報酬面、環境面で、グローバルに負けない競争力が必要になります。逆に、有能なデジタル人材は、会社にそれ以上のリターンをもたらしてくれるでしょう。そういった人材を獲得するために、報酬面や環境面を見直してみることも1つの方法と言えるでしょう。

文・J PRIME編集部

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