地域経済分析システム,RESAS
(画像=Ruslan Grumble/Shutterstock.com)

地域経済分析システム「RESAS:リーサス」が注目を集めています。人口動態や産業構造、人の流れといった官民のビッグデータを集めて可視化するシステムで地域創生を支援するために、経済産業省と内閣官房のまち・ひと・しごと創生本部事務局が提供しています。さまざまなビッグデータを誰でも手軽に使えるのが魅力です。

リーサスのウェブサイトで利用できるデータは「人口マップ」をはじめ、「観光マップ」「産業構造マップ」「地域経済循環マップ」「企業活動マップ」「地方財政マップ」など多岐にわたります。例えば人口マップの人口構成からは、各都道府県の人口推移や人口ピラミッドを図表で見ることができます。こうしたデータは「東京都千代田区」といった市町村単位で表示することも可能です。

「将来人口推計」を選べば、将来の人口の推移が表示されるほか、自然増減と社会増減が将来の人口に及ぼす影響度も見られます。「観光マップ」を利用すれば、「どの都道府県にどの国から何人の外国人観光客が訪れたのか」「指定した地域に宿泊者が日本国内のどの地域から多く来ているのか」といった割合を確認することが可能です。

「目的地分析」を使えば指定地域の目的地のなかから検索回数の多い観光施設なども調べることもできます能。各都道府県の業種別の企業数や従業者数、売上高などを見ることができるのが「産業構造マップ」です。

政策アイデア提案コンテスト

こうしたさまざまなビッグデータを活用するリーサスを使って地域の現状や課題について分析し、政策アイデアを提案するコンテストが開催されています。その名も「地方創生☆政策アイデアコンテスト2019」。同コンテストでは「高校生・中学生以下の部」「大学生以上一般の部」「地方公共団体の部」の3つの部門でアイデアを募っています。

それぞれで地方創生担当大臣賞(副賞あり)と優秀賞(副賞あり)を選出し、協賛企業から協賛企業賞が贈られます。政策アイデアの一例としては以下のようなものです。

・地元の人口減少・少子高齢化を〇〇で解決する
・地域への観光客、まちのにぎわいを〇〇で増やす
・地域経済を〇〇で元気にするなど

例えば2018年のコンテストで、高校生・中学生以下の部で地方創生担当大臣賞に選ばれたのは、山口県立豊北・下関北高等学校の生徒が提案した「ハロウィンかぼちゃで交流振興・生産振興~角島大橋ハロかぼランタンライトアップ大作戦~」でした。同校は山口県下関市豊北町にありますが、にぎやかなイメージのある下関市でも中山間地域では人口減少や少子高齢化が進んでいます。

リーサスのビッグデータからも、急激な人口減少や高齢化、企業数の減少が見えてきました。その一方でリーサスのデータを通じ、豊北町にある角島や角島大橋が山口県内の観光資源のなかでも上位に位置することが分かりました。これらの観光資源と、毎年10月に行われて近年各地で盛り上がりをみせているイベント「ハロウィン」を組み合わせ、角島大橋をハロウィンのカボチャでライトアップするイベントを開催することで、大都市から夜や冬の時期に観光客を呼び込むアイデアが生まれました。

また同じく地方創生担当大臣賞で大学生以上一般の部で選出されたのは、吉野川市役所&財務省徳島財務事務所の若手プロジェクトチームが提案した「花で彩る吉野川市の未来~Edibleflower Ecosystem Challenge~」です。こちらもリーサスを通じて、「若年女性人口の減少と合計特殊出生率の低さ」「食料品製造業の生産性と給与の低さ」「若者の新規就農者の減少」といった課題を把握しました。

こうした課題の解決に向けて、エディブルフラワー(食用花)に着目し、エディブルフラワーを軸にした新たな社会的・経済的価値の創造を目指した政策アイデアを提示しています。地域の課題や成長のタネを探し出し、そこから新たなアイデアを導き出す……人口減少やインバウンドの増加など、人口動態的な動きが今後ますます強まる日本において、ビッグデータを手軽に扱えるリーサスは注目のサービスといえるでしょう。

文・J PRIME編集部

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