スコアサービス,個人信用度
(画像=Rawpixel.com/Shutterstock.com)

携帯電話大手やヤフー、メルカリといったIT企業大手が参入を発表しているスコアサービスが注目を集めています。スコアサービスとは、サービスの利用状況などを集約したビッグデータを解析し、ユーザーの信用スコアを導き出すというものです。ユーザーは、その信用スコアをもとに融資を受けたり、利用しているサービスの利便性が向上したりといったメリットが得られます。

日本における個人の信用度は、勤めている企業や勤続年数、持ち家などの資産によって担保されてきました。サービスの利用状況をもとにする信用スコアは、個人の信用度を図る新たな指標ともいえるでしょう。影響の範囲は、融資などにおける金利や上限金額にとどまらず、より生活に則したシーンでの活用が可能になるとされています。

現在、サービスを開始しているのは、ソフトバンクとみずほ銀行による合弁子会社J.Scoreが手掛ける「AIスコア」、クラウドソーシングサイトを提供するクラウードワークスによる「クラウドスコア」など。2019年に入ってからはNTTドコモが「ドコモスコアリング」を開始したほか、ヤフーの「Yahoo!スコア」、LINEの「LINEスコア」など、有名企業の参入が相次ぎました。

スコア付与の仕組みは各社異なりますが、NTTドコモでは、サービスの利用状況などのビッグデータを解析し、自動的に算出するという話です。LINEではLINEプラットフォーム上での行動傾向データや、利用前に回答する追加情報をもとに人工知能(AI)を活用する方針を打ち出しています。ヤフーでは、本人確認、信用行動、消費行動、Yahoo! JAPAN利用と、4つの度合いを測るスコアと、それらを集約した総合スコアで構成しているといいます。

顧客囲い込み、プライバシー保護など課題も残る

消費者は信用スコアが上がることで、融資を受ける際の金利が低くなったり、個人の趣味、嗜好に最適化されたサービスが受けられるようになったりと、メリットは多岐にわたります。LINEスコアでは、LINE内のサービスにとどまらず、映画のジャパンプレミアムへの招待やスポーツカーやブランドバッグの無料レンタルなど、さまざまな企業と連携し、魅力的なサービスを展開。

しかしそのためには、より多くの個人情報をサービス会社に提供することが必要です。サービス会社は、より多くの個人情報を取得しスコアの精度を高める一方で、そのデータを活用した新サービスや新規事業を開発することも考えられます。信用スコアを上げたいがために、多くの個人情報を一つのサービス、企業に提供することで顧客の囲い込みにつながるのではという懸念も出てきているのです。

融資サービスを受ける際には、信用スコアを提供する会社の金融サービスと連携することで、より使い勝手が向上するケースもあります。グループ内のサービスを連携させることで強力に顧客をつなぎとめることにもつながるでしょう。またプライバシー保護の観点からも課題は残ります。Yahoo!スコアではサービス開始当初、SNS上で「個人情報が勝手に外部に提供される」という一部投稿が広がり、非難する声が相次ぎました。

これに対しヤフーは、説明不足だった点を認め、現在は、顧客の同意なく個人情報やスコアを他社に提供することはない旨をウェブサイト上に明記しています。すでに中国やアメリカで先行する信用スコアですが、スコアの付与はAIを活用するなど不透明な部分も多く日本で普及が進むかどうかは未知数です。勤務先、勤続年数、資産などをもとにした従来型の個人の信用度は、フリーランスには不向きですし、実態が伴わないケースもあります。

ここで取り上げているサービスの利用状況に応じたスコアサービスは、新たな個人信頼度の指標の一つとして注目すべきものといえるでしょう。

文・J PRIME編集部

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