サグラダ・ファミリア,2026年,完成
(画像=krivinis / Shutterstock.com)

建築家アントニ・ガウディによるサグラダ・ファミリア。未完成ながら最高傑作と呼ばれるこの教会が、2026年についに完成するという発表されています。かつて着工から完成まで300年と言われていた工期を、どのようにして半分にまで縮められたのでしょう。設計図がないといわれる状態で、どう工事を進めているのか。日本人彫刻家の外尾氏の彫刻など、完成までの見どころをお伝えします。

2026年完成予定? 工期大幅短縮の謎

サグラダ・ファミリアは別名「聖家族贖罪教会」といい、ガウディは寄付や献金による資金のみで建設しようと考えていましたが、資金不足や紛争によりたびたび工事はストップし、建設が進みませんでした。また、着工から長い年月が経過し、新しい部分を作ると同時に完成部分の修繕工事もしなければならず、「完成までに300年かかる」「永遠に完成しないのでは?」ともささやかれていました。しかし、近年になって、2026年に完成予定であることが発表されました。

2026年はガウディ没後100年にあたります。サグラダ・ファミリアの完成と没後100年という節目を同時に体感できたらすばらしいですが、150年近くもの工期の短縮がはたして本当に実現可能なのでしょうか。

まず、工事が進まなかった理由としては3つの理由が考えられます。

  1. 前述の資金面の問題があったこと。
  2. ガウディ生前時、詳しい設計図を描かずにイメージをスケッチや実験模型で弟子たちに伝えており、詳細な設計図がない中で、常に手探り状態での建設だったことも考えられます。
  3. 建築途中でガウディ本人が亡くなり、弟子たちが作った数々の資料も内戦で焼失。ガウディ本人のスケッチ1枚と、実験模型のみが残りました。そこに見られる思想と模型をもとに、推測しながら常に手探り状態で建設を進めていくしかなかったこと。

しかし、建設方針の手探り状態が、近年のコンピューター技術を駆使することで、かなり解決していきました。以前は実験のための模型作りもすべて手作業、構造計算も実験と模型で行われていたため気の遠くなるよう作業が、今や3Dプリンターを駆使した模型が活用され、コンピュータによるシミュレーションのおかげで、大幅な工期の短縮につながったのです。

そして、現在はサグラダ・ファミリアの入場料も建設費用に充てられています。スペイン観光スポット随一の年間400万人ともいわれる集客を誇り、資金面の課題も解決しています。

サクラダ・ファミリア完成までの見どころ

サグラダ・ファミリアの地下には博物館があります。そこでは「フニクラ」と呼ばれる逆さ吊り模型による実験の再現や、近年の3Dプリンターによる模型などから、生前ガウディが思い描いていたと想像できるアイデアやイメージがどのように実際の建物になっていくかのプロセスを見ることができます。

工房もあり、実際にガウディの遺志を受け継ぐ職人たちの彫刻や修繕作業の風景を覗くことができます。奇抜な形で有名な教会といった認識が多いかもしれませんが、ガウディの建築技術の奥深さと緻密な構造は必見です。壮大なスケールの外観と内観の美しさを堪能した後は、ぜひ地下ものぞいてください。

ガウディが生前に作ったのはサグラダ・ファミリアの東側に位置する「誕生のファサード」のみです。サグラダ・ファミリア全体のフォルムも魅力的ですが、ガウディによる誕生のファサードは彼の精魂が込められ、特別な雰囲気を放っています。

また、建設に長期間携わり、現在主任彫刻家である日本人の外尾悦郎氏が、生誕の門に飾られている『15体の天使の像』と3つの門の扉の彫刻を手がけました。東洋にも天使がいるという外尾氏の考えから、天使のうち2体は東洋人の顔をしています。この生誕のファサードは、壮大な全体像に圧倒されてしまいがちですが、リアルな彫刻が細部に彫り込まれているのも魅力の一つです。

サグラダ・ファミリアの、一つひとつの彫刻に込められた意味や意図に注目して見てみると、ガウディと彼の思いを受け継いだ彫刻家たちの情熱を感じることでしょう。

文・J PRIME編集部

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