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(画像=Getty Images)

FinTechが金融の世界を塗りかえています。

インターネットがWindowsのパソコンと共に広く普及しました。

そして90年代〜2000年代には、オンライン証券やインターネットバンキングなどが日本でも広まりました。

これが金融2.0とも一部で呼ばれた現象です。

しかし今や金融2.0の世界ではありません。

AIやブロックチェーン、ソフトウェア機能を共有するAPIを統合することによって、既存の金融機関に匹敵するサービスを生み出す新しいフェーズに入っています。

既に金融2.0が古いとするならば、金融3.0とも言える大きな変化が起こっています。

海外FinTechは既存の金融を再編しています。

そして、その波はすぐに日本にもきているのです。

FinTech企業が金融の常識を次々と塗り変えている

FinTechという言葉自体はアメリカでは2000年代前半から使われていました。

しかしリーマンショックや金融危機を経て、スマートフォンやビッグデータ、ブロックチェーン、AIなどの新しいテクノロジーを活用した新しい金融ベンチャーも次々に誕生しました。

既存の金融サービスがITの世界で広く世界に普及し、オンラインでサービスを受けることができるようになりました。

しかし既に金融の世界はサービスそのものを大きく改編する次のフェーズに移っています。

例えば、日本のネット証券でも既にパソコンではなく、スマートフォンに最適化され、東証以外の市場(ダークプール)への注文も可能にすることで売買手数料0を実現したFinTech企業もあるほどです。

最近では、ブロックチェーンによる中央銀行を持たない暗号通貨も有名になりました。

海外のFinTechが金融をどう変えているのかをみれば、日本に起きている変化も良く見えてきます。

FinTechは海外送金を変えた

FinTechは国際送金を変えました。

国際送金をする際に、手数料が為替取引も含めて高いと不満に思った経験がある人も多いのではないでしょうか。

国際送金をする際には中継銀行(コレルス銀行)を介して取引する必要が多いため、手数料が割高になります。

しかも為替取引による両替コストも決して安いものではありませんでした。

あまりに国際送金のコストがかかるせいか、銀行法等の免許もなしに不正に海外送金する地下銀行という犯罪も珍しくありませんでした。

しかし、エストニア出身のクリスト・カーマンとターヴェット・ヒンリクスが創業したFinTech企業「TransferWise」は海外送金の世界を変えました。

既存のコレルスのネットワークを使わずに送金したい国同士の顧客同士の送金ニーズをマッチングさせることで、手数料を大幅に下げることに成功しました。

銀行では平均5%の手数料が0.5%程度で済み、しかも送金にかかる日数まで短くしました。

TransferWiseは現在、日本でも正式に認められた国際送金サービスとして事業を展開しており、従来の多くの銀行に比べかなり割安で海外送金できます。

FinTechは株の取引手数料を無料に変えた

FinTechは株の取引手数料を無料に変えました。

例えば米国で話題になったのは「Robinhood」です。

モバイルアプリを通じて株式・ETF・オプション・仮想通貨の取引手数料を無料にしました。

他にも「Stash」は株、ETFを手数料なしで分割購入できるモバイル投資アプリといった、取引手数料無料の株取引のプラットホームを生み出しました。

Robinhoodは同社の顧客の注文データを企業に売却することで利益をあげていたことが問題視されるなどの事件もありました。

しかしFinTechによって手数料以外の部分で収益をあげる株取引のブローカーは今後も増えていく可能性があります。

日本でも、東証以外の取引所を介さない取引をうまくマッチングさせることで、取引手数料の実質無料を実現したFinTech企業スマートプラスの「STREAM」が話題になっています。

FinTechは既に株取引の手数料無料を実現してしまっているのです。

FinTechは決済を変えた

FinTechは決済も変えました。

例えばビットコインを買い物で受け付ける企業も日本で話題になりました。

中国ならばEコマースのアリババが提供しているQR決済のアリペイなども広まっています。

既に日本でもいつの間にか広まっています。

世界的には現金の管理コストや偽札などの問題から、決済そのものキャッシュレス化が進んでいることも珍しくありません。

FinTechは人の信用を可視化した

FinTechは人の信用を可視化しました。

中国の場合はキャッシュレス決済が急速に普及する中で、取引履歴から信用を格付けする社会に変化しています。

日本でも信用をスコア化する流れがあり、例えばLINEが「LINE Score」で信用スコア事業に参入することでも話題になっています。

米中のFinTechが変える社会の変化がすぐに日本に押し寄せているのがわかります。

FinTechのお釣り投資もすぐに日本にやってきた

アメリカのFinTech企業の「Acorns」は、デビットカード・クレジットカードの決済をドル単位で切り上げ、余分なセント単位額を様々なETFに投資するお釣り投資アプリです。

日本でもお釣り投資アプリのトラノコが話題を呼んでいます。

海外でのFinTechの波や社会の変化は、このようなお釣り投資の分野でもすぐにやってきます。

Facebookが仮想通貨「Libra」発表後、下院反発。FinTechは揺れ動く

FinTechは既存の金融を覆す大きな力があります。

しかし既存の金融を動かすとなる以上、不安定でもあります。

SNS大手のFacebookは仮想通貨「Libra」を発表しました。

LibraはFacebookと関連アプリで使える仮想通貨です。

あのFacebookが仮想通貨を発表することで話題になりましたが、米国の下院が開発の停止を求めており、本格的に今後普及するのかどうかは未知数です。

FinTechは、金融や社会の制度を根本から変えてしまうだけの影響力がある反面、既存の社会制度との折り合いをうまくつけられるかどうかも課題になりやすいのです。

世界のFinTechで日本の今後も見える

世界のFinTechによる社会変化の波は日本にもすぐにやってきます。

つまり海外のFinTech事情を見ておけば、日本にも今後訪れて広まるFinTechによる変化の予兆も見えてきます。

金融2.0ならぬ金融3.0の大きな変化と形容しても良いでしょう。

またFinTech企業は現在数多く立ち上がっています。

しかし過去のインターネットサービスの多くが再統合されたのと同じように、多くのFinTechによるサービスが、少数のプラットホーム企業によって再統合される流れがくる可能性もあるでしょう。

金融3.0の世界が再統合された時は、金融4.0などと形容してもおかしくない状況になっているかもしれません。

まとめ

FinTechという言葉自体は昔からありました。

既存の金融サービスをITによって利用できるようになった金融2.0から、AIやブロックチェーンなどのさらなる技術革新で、金融3.0の世界へと既に移行していると言っても過言ではありません。

海外のFinTechが変える世界をよく見てみれば、日本に今後やってくる金融の変化も見えてくるかもしれません。

文・The Motley Fool Japan編集部/The Motley Fool Japan

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