米防衛関連株,銘柄
(画像=Getty Images)

モトリーフール米国本社、2019年7月15日投稿記事より

米防衛関連企業の売上高の大半は、国防総省などの政府関係機関からもたらされます。

歴史的には、防衛関連銘柄は武器を製造する大企業でした。

しかし近年、ITネットワーク管理、コンサルティングおよび分析に加えて、兵站などの通常業務を請け負う企業などが増えています。

以下で、現在注目される主要防衛関連株4銘柄を紹介します。

米防衛関連株は近年上昇を続けています。

防衛関連株を集めたSPADEディフェンスインデックスは、2014年から2019年にかけて倍になっています。

一方、S&P500インデックスは50%程度の上昇でした。

オバマ民主党政権下で軍事費は抑制されていましたが、トランプ共和党政権は軍事費を増額し、発注凍結も解除したため、堰を切ったように戦闘機、軍艦、その他装備について数十億ドル規模の発注が続いています。

これが防衛関連企業への追い風となっています。

SPADEディフェンスインデックスとS&P500インデックスの変化(単位:%)

YCHARTS
(画像=出典:YCHARTS。2019年6月25日時点)

防衛関連銘柄のバリュエーションが全般的に上昇したため、セクター全般に投資をする時期は過ぎたかもしれません。

しかし、個別銘柄に依然投資機会があると考えられます。

防衛関連銘柄の魅力

防衛関連銘柄は、国防総省や政府関連の長期的な契約に基づいて事業を行うため、投資家はある程度収益動向を予想できます。

このため、防衛関連銘柄は、安定的な配当収入を求める投資家にとって魅力的でしょう。

また、防衛関連株の事業は政府の発注に基づくため、景気変動の影響からある程度守られています。

ただ、議会で防衛問題が論議を呼び、防衛費が削減された場合には、その悪影響を大きく受けることになります。

なお、防衛業界には大きな参入障壁があります。

新興企業は、たとえば130億ドルにおよぶ空母を建造することはできません。

また、政府の武器調達方針に関する知識と理解が極めて重要なので、既存の防衛関連企業の競争優位性となっています。

防衛関連銘柄のリスク

防衛関連銘柄の多くは武器を扱っているため、たばこやマリファナ関連銘柄と同様に一部の投資家はそういったセクターへの投資を避けたいと思うかもしれません。

また、防衛関連銘柄には大きなヘッドラインリスクがあります。

経営陣が議会に呼ばれて、高額な装備や企業関係者の不祥事などの追及にさらされる可能性があります。

それでも、これまでのところ、こういった影響は一時的と考えられています。

注目すべき防衛関連銘柄

一部の防衛関連銘柄は、事業ポートフォリオの強みなどでセクター全般のパフォーマンスを上回るとみられます。

ここでは、防衛関連の中でも配当株や成長株を紹介します。

防衛関連銘柄
(画像=出典:主力分野は企業資料。時価総額、予想PER、予想配当利回りはYAHOO! FINANCE、2019年7月15日時点)

ロッキード・マーチン:世界最大の防衛関連企業

ロッキード・マーチンは世界最大の防衛関連企業で、競合を圧倒している存在です。

ステルス戦闘機F-22とF-35の契約を確保しています。

(訳注:安倍政権は、F35を中期的に105機程度導入する意向であることを5月に発表しました。)

ロッキード・マーチンはまた、超音速機開発で15億ドル超の契約を昨年確保しました。

さらに、次期ヘリコプター開発でも先頭に立っており、またミサイルおよびミサイル防衛システムの分野でもリーダーです。

総括すると、ロッキード・マーチンは国防総省の優先プロジェクトの多くで主導的な役割を担っています。

受注残は1,300億ドル以上です。

このように、ロッキード・マーチンは圧倒的な存在感を示していますが、予想PER(株価収益率)は競合と同程度です。

今回紹介する4銘柄の中では配当利回りは突出しています。

ゼネラル・ダイナミクス:ビジネスジェットの重荷が反転へ

ゼネラル・ダイナミクスは、ロッキード・マーチンのポートフォリオほど防衛色は強くありませんが、ビジネスジェット機事業の回復に注目すべきでしょう。

2019年6月までの5年で、ロッキード・マーチンの株価は130%以上上昇したのに対し、ゼネラル・ダイナミクスは約50%の上昇にとどまっていました。

これは、傘下のビジネスジェット機メーカーのガルフストリームの業績が、リーマンショック以降回復していなかったためでした。

しかし、2018年の税制改正でビジネスジェット機に関する減価償却が変更され、企業が保有しているビジネスジェット機の経年化が進んだため、ビジネスジェット機市場の回復が予想されています。

さらに、ガルフストリームは新鋭機を導入しています。

ガルフストリーム部門の改善がゼネラル・ダイナミクスの利益に貢献するまでには時間がかかるとみられますが、今後数年で見た場合にはゼネラル・ダイナミクスの利益率上昇に大きく貢献すると考えられます。

なお、ゼネラル・ダイナミクスは防衛関連部門で幾つか問題を抱えていますが、その多くは一時的なものです。

ゼネラル・ダイナミクスの業績と株価は、市場予想以上に低迷してきましたが、反転の兆しが見えつつあります。

レイドス・ホールディングス:防衛関連コンサルティングやITなど広範に担当

レイドス・ホールディングスは、主に防衛関連業界のサービス事業を担当していて、防衛関連および政府機関向けにコンサルティング、エレクトロニクス事業、IT事業を広範に行っています。

レイドスは2016年にロッキード・マーチンのIT部門を買収したことで、最大の対政府防衛関連サービス企業となりました。

最近、新たな大規模契約が増えており、NASAのコンピューターネットワーク管理が含まれます。

また、サイバーセキュリティーの重要性が高まっていることから、政府関連の新たな契約も見込まれます。

なお、戦艦や戦闘機のハイテク化がさらに進んでいるため、エレクトロニクスやITが重要になってきており、レイドスのビジネスにつながっています。

その一例として、レイドスは海軍の自動運転船開発に協力しました。

レイドスが自動運転の中枢部門とエレクトロニクス関連を供給した自動運転船は、乗組員なしでサンディエゴからハワイを問題なく航行しました。

クラトス:各種ドローン供給に大きなポテンシャル

クラトスは、伝統的な防衛関連企業ではありません。

以前はワイヤレスインフラ企業でしたが、過去10年で防衛関連に傾斜し、さまざまな防衛関連エレクトロニクス関連およびサービス事業に従事しています。

これまでクラトスの四半期決算はブレが大きく、それに伴って株価も乱高下しました。

しかし、同社の事業の安定性が増すにつれ、株価のボラティリティも徐々に低下しつつあるようです。

クラトスは、ジェット推進高速ドローンを長く供給してきており、ミサイルの演習で目標として使われてきました。

また、比較的低速のドローンは、今後、人間が搭乗している最新鋭戦闘機の警護および攻撃支援用に使われる予定です。

クラトス以外の企業もドローンを国防総省に供給していますが、クラトスは徐々に足場を固めつつあります。

クラトスの偵察用ドローン「XQ-58Aバルキリー」は空軍の研究所で試験を受けており、今後試験を継続するため20~30のドローンが発注される見込みです。

空軍の試験は今のところ順調に進んでおり、今後は大量に発注され、戦場で実際に使われる可能性があります。空軍としては、汎用性のあるバルキリーに最先端センサー、兵器、高度なAI(人工知能)を搭載し、攻撃用途なども検討しているとみられます。

なお、クラトス株には大きなポテンシャルがありますが、かなり株価に織り込まれつつあるとみられます。

株価はこの約3年で400%以上上昇しています。

クラトスは、大半の防衛関連銘柄と違い配当を出していません。

また、引き続き株価が乱高下する可能性があり、ボラティリティおよびリスクに対する許容度の高い投資家向けの銘柄です。

文・The Motley Fool Japan編集部/The Motley Fool Japan

【関連記事】
超富裕層が絶対にしない5つの投資ミス
「プライベートバンク」の真の価値とは?
30代スタートもあり?早くはじめるほど有利な「生前贈与」という相続
富裕層入門!富裕層の定義とは?
世界のビリオネア5人が語る「成功」の定義