社会,貢献,エシカルファンド
(画像=Getty Images)

大量生産・大量消費の社会は様々な問題を生みました。

資源は目減りし、食糧不足で亡くなる子供達の数は増え、環境破壊は今も加速しています。

そんな現状を憂い、どうにかしたいと考える人達の中で「エシカル」という思想・行動が広まっています。

エシカルファンドは、エシカルな活動の一環であり、投資を通じて世界を良くしたいという目的があります。

しかし、日本だと市場の規模は拡大しますが、認知度は横ばいのままです。

そこで今回は、エシカルファンドについて解説します。

エシカルファンドとは何なのか、メリット・デメリットも含めて解説します。ぜひ、最後までご覧ください。

エシカルファンドとは

エシカルファンドとは、社会的道徳や倫理に問題がある企業を除き、健全な社会に貢献しようとする企業にのみ投資するファンドを指します。日本だと「道徳ファンド」と呼びます。

エシカル(ethical)とは、日本語に訳すると倫理的・道徳的という言葉になります。

1960年ごろからアメリカで注目されるようになった思想の1つで、大量生産・大量消費社会が導く未来に対する警鐘を鳴らすために幅広い活動を行っています。

例えば、商品を購入する時に社会問題に貢献できる商品を選択したり、オーガニックコットンや天然染料を使用した洋服を選ぶなどの行為がエシカルの代表例になります。

エシカルファンドは、投資におけるエシカルな活動という事になります。

エシカルファンドのメリット

社会的責任が高い企業を中心に投資ができる

エシカルファンドの投資先はファンドによって違いはありますが、環境汚染や自然破壊、人権問題につながるような企業は排除されています。

これらの企業は社会的に大きなリスクを抱えやすいです。

例えば、環境汚染や自然破壊を推し進める企業は環境保護団体から糾弾されやすく、人権問題を軽視する企業は訴訟や規制の対象になりやすいです。

これらのリスクによって株価が急落した場合、ファンド全体のパフォーマンスが下落する可能性は十分考えられます。

逆に、これらの企業を最初から投資先に選ばないエシカルファンドは、リスクマネジメントが十分にとれているファンドと言えます。

市場規模が拡大中

エシカルファンドは、SRI(社会的責任投資)の一環になります。

SRIの市場規模は2014年から2018年までに50%以上も上昇し、世界全体の市場は約30兆米ドルと言われています。

日本でのSRIへの意識も2014年から2018年までの間に高まり、市場規模が70億米ドルから2兆米ドルまで膨れ上がりました。

アメリカを始め、いま世界中でナショナリズムが台頭している中、それに危機感を持つ投資家や団体の動きが活発になっていると予想できます。

日本の急上昇はともかくとしても、欧州や米国などの先進国を中心にSRIの増加率は上がっているため、エシカルファンドはこれからの投資の主流になるだけのパワーがあります。

参照:日興リサーチセンター

分散投資の対象にしやすい

投資における鉄則の1つに、資産を1つの投資先に集中させないという物があります。

仮に、投資先が好調なら資産を集中した分だけ利益も上げられます。

しかし、投資先が不調だと利益を減らすだけでなく、投資資産が目減りしてしまい、別の投資先に運用する事も出来なくなってしまいます。

投資の格言にも「卵は1つのカゴに盛るな」といというのもあります。

そこでリスクマネジメントとしてやっておきたいのが、分散投資になります。

分散投資は投資運用先を1つに絞るのではなく、複数に分散する事で、どれかが下落しても他でカバーできる投資運用方法になります。

投資信託やインデックスファンドは、分散投資の代表例になります。

エシカルファンドは、上記でもふれたように社会的責任が高いおかげで、株価が下落するリスクを減らしています。

つまり、安定した経営が見込める企業を中心に投資をしています。

分散投資の観点から言って、リスクの少ない企業を中心に投資するのは理にかなっており、理想的といえます。

エシカルファンドのデメリット

投資運用先が限定される

エシカルファンドは、社会的責任の低い企業を投資運用先から除いています。

除く基準はファンドを扱っている証券会社ごとに違っていますが、あまり差はありません。

そのため、エシカルファンドの投資運用先は、ファンド事にそれほど差がありません。

米国や欧州に比べてエシカルファンドやSRIが成熟していない日本だと、エシカルファンドの投資運用先は大手企業に限定されやすいです。

大手企業は株価が安定しているため、パフォーマンスが極端に落ちる心配は少ないものの、あまり価格が上昇しません。

つまり、エシカルファンドは大きな利益を上げるビジネスチャンスを限定しているというデメリットがあります。

ファンドの基準が統一されていない

エシカルファンドの投資運用先は、社会的責任の高い企業という主軸は共通しています。

しかし、そこから一歩踏み込んだ基準に関してはファンド事に違いがあります。

例えば、イギリスに古くからある「F&C Responsible UK Equity Growth Fund」は、社外取締役が名目だけでなくきちんと機能しているかどうかまでチェックします。

単純に、社会的責任を果たしているだけでは投資運用先とみなしません。

このようにファンド事の基準が違うため、エシカルファンドだからといってきちんとした基準が定まっているかどうかを確認する必要があります。

長期保有向けのファンド

エシカルファンドの方針としては、利益を追求するよりも社会的責任を果たす企業に投資します。

そのため、ファンドとしては短い期間に投資を繰り返さず、長期での運用を目指しています。

投資家もエシカルファンドを保有したら、長期保有するのが最も賢い選択となります。

アクティブ運用の投資信託と違い、運用コストなどは低めに設定されていますが、長期保有だと運用コストもそれなりの額になります。

ファンドのパフォーマンスが、運用コストを超えない場合は資産がマイナスになる恐れもあるため、ファンドを手放すタイミングだといえます。

まとめ

以上が、エシカルファンドの解説になります。

エシカルファンドは投機目的のファンドではなく、ファンドを通じて社会を良くしようという目的のために活動しています。

そのため、老後の資金形成や子供の学費といった目的には不向きかもしれません。

しかし、投資先に迷っているなら、エシカルファンドを1つ持っておくことで社会に貢献できます。

この記事を読んで投資への興味が深まれば幸いです。

文・The Motley Fool Japan編集部/The Motley Fool Japan

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