確定申告,節税
(画像=Rawpixel.com/Shutterstock.com)

株取引などで損失が発生した場合、損益通算によって節税につながるケースがあります。損益通算のためにも必要な手続きが確定申告です。今年も期限が迫ってきた確定申告の基礎知識と株取引における損益通算のルールについておさらいしましょう。

確定申告、2019年は3月15日が期限

所得税の確定申告は、毎年1月1日から12月31日までの1年間で発生した所得と税額を計算し、申告書を提出した上で源泉徴収された税金との過不足を精算するというものです。確定申告を行う必要がある人は、2019年は2月18日から3月15日までの間に手続きを終えなければなりません。

株の取引を行っている人も確定申告とは無縁ではなく、取引口座の種類や所得の金額によっては手続きが必要になります。

株式取引に使う口座と確定申告の関係

株式取引に使う口座には「一般口座」「特定口座(源泉徴収なし)」「特定口座(源泉徴収あり)」の3種類があります。銀行や証券会社で株取引などを始めるときには原則的にこのいずれかを選んで口座を開設しています。

一般口座や特定口座(源泉徴収なし)の場合、一般的なサラリーマンなどの給与所得者の場合は株取引を含めた所得の合計額が20万円以上のケースにおいては、確定申告をする必要が出てきます。

特定口座(源泉徴収あり)の場合は、原則的には確定申告をする必要はありません。この口座内で生じた所得に対して既に源泉徴収が行われているからです。

ただ特定口座であったとしても、一般口座や特定口座(源泉徴収なし)と同様に、確定申告する必要が発生するケースがあります。それはほかの口座との損益通算などを行うときです。

株取引における損益通算と繰越控除のルールとは?

損益通算とは、一定条件の下で損失を所得金額から控除することができる仕組みのことを呼びます。損益通算の対象となる所得は「不動産所得」「事業所得」「譲渡所得」「山林所得」の4つです。株式の譲渡などによる所得は譲渡所得に含まれますので、損益通算の対象となります。

株式取引による損益通算では大きく分けて3つの不可ルールがあります。

まず1つ目が、株式取引による損失はほかの所得と損益通算できないという点です。2つ目はこれとは逆に、株式取引以外で生じた損失も株式取引の所得と損益通算することができないと定められています。これらは例えば不動産事業などと株式取引などの間では損益通算ができないということです。

3つ目のルールは、上場株式の取引などによる損益と一般株式の取引などによる損益も通算できないというものです。一般株式とは上場株式以外の株式のことを指します。また、損益通算においては株式譲渡における損失と配当金の相殺も可能であることも覚えておきましょう。

また、上場株式などによって発生した譲渡損失は損失が発生した翌年以後、最大3年間は繰越控除が可能となっています。この繰越控除は損益通算した場合でも適用されます。

A口座で200万円の利益、B口座で100万円の損失が出たら…

例えば、2つの口座で上場株式の取引を行っており、A口座で200万円の利益、B口座で100万円の損失が出た場合は、損益通算によって取得額は100万円に抑えられます。上場株式の取得税率は20.315%ですので、当初は「200万円×20.315%=40万6300円」だった税額が、損益通算後は「100万円×20.315%=20万3150円」と小さくなります。

A口座で100万円の利益、B口座で100万円の損失を出した場合は、利益と損失は完全に相殺されて課税所得額は0円となります。また、A口座で100万円の利益、B口座で200万円の損失を出した場合は、最初の年の課税所得額は0円になった上で、繰越控除によって翌年以降に100万円のマイナスが持ち越されることになります。

忘れずに手続きを

損益通算をするとしないとでは、納税すべき所得税の金額が大きく異なります。確定申告は提出期限直前になって焦る人が多いのが現状です。条件が整えば誰でも可能な節税方法ですので、忘れずに手続きをするようにしましょう。

文・J PRIME編集部

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