Tokyo Metropolitan Government
(画像=segawa7 / Shutterstock.com)

本業とは別に「将来新たなことに取り組んでみたい」という人もいるのではないでしょうか。地域ボランティアなどを含めた慈善活動や趣味の充実などさまざまな分野が検討できます。そんな中で、「違った視点での事業に取り組む」というのも一つの選択肢です。東京都が行政にはない新たな視点から都政の課題を解決することを目的として、都民による事業提案を募集しています。

都民一人ひとりの声を直接反映させる新しい予算編成手法を模索する施策の一環という位置づけです。2017年の秋に「都民ファーストの視点に立ち、従来の発想に捉われない新たな視点から都政の喫緊の課題を解決する」として始まり、225件の応募がありました。当時、インターネットなどを介して市民の政治参加を促進し、開かれた政府を目指す取り組みとして「オープンガバメント」に注目が集まっており、画期的な取り組みとの声も一部で上がっていました。

集まった提案事業から、優れたものをインターネットや郵送による投票で決めます。2018年秋の投票では、セーフシティ、ダイバーシティ、スマートシティの3つに分けて、計18の事業がピックアップされました。ユニークなものの1つとして、防犯体験VRシアターによる「セーフシティ東京の実現~都民の安全・安心のために~」がありました。

犯罪を防ぐため、臨場感を楽しみながら「犯罪が起きやすい場所」の条件を知ることができる「疑似体験施設」です。もう1つは、「モバイル ICU/ER」による病院間高度緊急搬送支援システム構築プロジェクトです。命の危険が迫っている患者を専門医師と看護師が『動く集中治療室』で迎えに行き、治療しつつ病院に運ぶ仕組みです。

新たに「東京の活力を生み出す人材の育成」

2019年度の募集期間は2019年5月31日~2019年9月11日までです。子育て支援、高齢化対策、働き方改革、女性が輝く社会づくり、起業・創業支援、観光振興など社会的基盤のものから、エネルギー・資源対策、暑さ対策、防災対策、空き家活用など東京の活力を生み出す人材の育成を新たに加えています。期待する視点は以下のような項目です。

・IoT(Internet of Things)
・人工知能(AI)
・フィンテックなどの最先端技術の活用
・ビッグデータの活用
・ボランティアや地域コミュニティの活用
・若者や女性、元気高齢者、障害者などの活用
・ゼロエミッションなど

住民からさまざまなアイデアを募るという施策は、時代背景からしても合理的なものといえます。なぜなら、特に昨今のテクノロジーの進化は非常に早く東京都のような大きな組織がタイムリーに情報を収集し、新しいアイデアを具現化するのは非常に難しいからです。そういった斬新なアイデアが一瞬で世界の常識を変えるような出来事を起こしています。

アメリカではUBERが、タクシー業界をほんの数年で「破壊」し、消費者が移動するための新たな仕組みを構築したといわれています。GPSやクレジットカード決済、アプリといった多彩なテクノロジーを組み合わせ、一般の人をタクシー運転手に早変わりさせてしまったのです。いわゆる「イノベーション」といわれるこうした例はほかにも一般の人が宿泊施設を提供するAirbnbも有名でしょう。

また自動車を使っていない間だけ自宅にある自動車を貸し出すサービスの登場など、さまざまな分野でイノベーションがみられているのです。Google、Amazon.com、Facebook、Appleを指す「GAFA」が台頭するなど、競争が世界をまたがる形に変化してきています。クラウドコンピューティングなどの普及で、共通インフラとなるインターネット活用のためのハードルが下がっているという背景も加わります。

斬新なアイデアと少しの技術力があれば、大きな企業でなくてもイノベーションが起こせる環境が整いつつあるのです。実際のところ、このめまぐるしさに行政という単位でついていくことは難しく、民間、さらには市民の事業提案を受け入れるメリットは大きいでしょう。今回の事業提案は1事業につき2億円以内の単年度事業としています。

もし「これ」というアイデアがあれば、東京都など公的機関の力を借りながら、市場の立ち上げを図るのも面白いかもしれません。

文・J PRIME編集部

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