法人向け,オープンバンキング
(画像=Panchenko Vladimir/Shutterstock.com)

今、銀行をはじめとする金融機関で盛り上がりを見せているのが、「オープンバンキング」です。今まで銀行が独占していたデータを企業に開放することで、企業が顧客により良いベネフィットを提供できる一方、銀行もオープンバンキングを通じて収益をあげることを期待しています。このオープンバンキングで何が変わるのか、消費者の立場から見てみます。

オープンバンキングとは何か、なぜ生まれたか

そもそもオープンバンキングとは何かについて、解説していきましょう。これまで、銀行をはじめとする、金融機関は、口座所有者のデータ・自社データを独自の隔離されたシステムで管理・保存を行ってきました。しかし、このデータを、自社だけで独占するのではなく、外部と共有し、サービスを連携させることで、より高いベネフィットを顧客に与えられるのではないか、というのがオープンバンキングの基本的な発想です。

オープンバンキングの発想が生まれた背景には、技術の発達があります。ブロックチェーンに代表されるような新技術の登場であったり、IoTの発達により、我々が容易に、かつ安全にデータにアクセスできるようになったり、というのが代表的な例と言えるでしょう。こういった技術を裏付けとして、顧客に「より便利で、わかりやすく、ストレスのない」サービスを提供しよう、というのが金融界でも始まっているのです。

世界的にオープンバンキングはブーム、各国政府もオープンバンキングを後押し

このオープンバンキングの動きは、日本だけではなく、世界レベルで進んでいます。代表的なのはヨーロッパで、EUでは、EUサービス決済指令により、2018年1月より、銀行は登録された外部事業者とのAPI連携が義務付けられるようになりました。これをもとに、大きな銀行だけでなく、小さい銀行も、外部との連携を始めています。イギリスでも、2018年中に全銀行のオープンAPIが義務付けられるようになりました。

一方日本でも、政府がオープンバンキング化を後押ししています。2017年の銀行法改正により、銀行は、オープンAPIの体制整備を進めることが努力義務とされました。実際、各行はオープンAPIを推進しており、2020年6月までにオープンAPIの適用を始める計画の銀行は、100行を超えているようです。

オープンバンキングで、我々の暮らしはどう変わる?

では、オープンバンキングで、我々の暮らしはどう変わるのでしょうか。具体的にイメージしてみましょう。

大きく変わるのは、シームレスな金融サービスを受けられるようになる、ということです。例えば、自動車など大きな買い物をする場合、住宅ローンの残債や預金額など、各銀行にまたがる情報を集めなければならず、非常に煩雑で手間がかかるものでした。しかし、オープンバンキングが進むと、こういった個人情報がシームレスにつながるため、どれくらいローンが組めるのか、どういった保険に入るべきなのかなどの具体的なアドバイスが即座に手に入るようになります。また、多くの企業が銀行とつながることで、例えばクルマを買おうと決断した場合、カー用品の店からクーポンが届くなど、金融サービス以外のサービスも受けられるかもしれません。

一方、銀行にとってもオープンバンキングは大きなチャンスとなります。これまでの銀行のビジネスモデルは、預金や貸し出し、保険の販売など、限定的なものにとどまっていました。しかし、オープンバンキングが進むことで、各社へのデータ提供や紹介手数料などが、新たな収益の柱として期待されるからです。実際、オープンバンキングに期待する声として、より多くの顧客やパートナーにアプローチできることなどが挙げられています。

オープンバンキングで、銀行も消費者も変わる

銀行が保有していたデータを連携させるというオープンバンキングの構想が進めば、消費者にとっても、シームレスな金融体験ができるようになるなど、大きなメリットが生まれることが期待されます。また、銀行にとっても新しいビジネスモデルの可能性が広がり、オープンバンキングに対する期待は非常に高いものになっています。今後の動向に注目が必要となりそうです。

文・J PRIME編集部

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