富裕層,確定申告
(画像=WK Stock Photo/Shutterstock.com)

2019年も確定申告の時期がやってきました。富裕層が確定申告する場合、その年の所得や資産額によっては「財産債務調書」の提出が必要となります。節税目的で不動産投資をしている場合は、不動産所得の申告における注意点もチェックしておきましょう。

財産債務調書を提出しなければならない人は?

2016年1月から、一定基準を満たす人は保有する財産や債務などを記載した「財産債務調書」の提出が求められるようになりました。これは所得税や相続税の申告の適正性を確保することが目的のもので、以前からあった明細書提出の制度を見直して運用されています。

財産債務調書の提出が必要な人は、確定申告をする必要がある人で、退職所得を除いた合計所得が2,000万円以上であり、かつその年の年末時点の財産が3億円以上または国外転出特例対象財産が1億円以上ある人、と定められています。

ここで言う財産とは、現金や預貯金などはもちろんのほか、土地や建物、山林、上場株式や非上場株式などの有価証券、貸付金、未収入金、工芸品、貴金属、保険の契約に関する権利など多岐に渡ります。

財産債務調書に記載すべき内容や罰則は?

財産債務調書には、提出者の名前や住所、マイナンバーなどの基本的な本人情報のほか、財産の種類や数量、金額などや債務の金額などを記載する必要があります。財産債務調書の提出も確定申告と同様、2019年は3月15日が期限です。

財産債務調書をきちんと期限までに提出した場合、所得税・相続税の申告漏れがあっても過少申告加算税などが5%軽減されるという反面、期限内に提出がない場合などはこの過少申告加算税などが5%加重されるという措置がとられます。

仮想通貨の保有財産も記載する必要はある?

国税庁は仮想通貨を保有していた場合についての説明もしており、財産債務調書への記載が必要であるとしています。

仮想通貨の場合は、ビットコインなどの仮想通貨の種類も書く必要があります。また、仮想通貨の預け先の仮想通貨取引所が日本国内の取引所か海外の取引所かは特に関係がないとも説明されています。

不動産所得による節税で注意すべき点

富裕層の人たちの中には相続税対策などのために不動産投資を行っている人もいます。不動産投資をしている場合、確定申告の際には注意すべき点がいくつかあります。

まずここでいう不動産所得とは、「土地や建物などの不動産の貸付け」「地上権など不動産の上に存する権利の設定及び貸付け」「船舶や航空機の貸付け」のいずれかによる所得のことを指し、最終的な不動産所得の金額は「総収入金額 − 必要経費」と計算されます。

この中で「必要経費」については特によくチェックしておくべきで、算入可能時期と算入する場合の注意点についてはよく知っておきましょう。

「必要経費」の算入可能時期

必要経費については「その年において債務の確定した金額」と定められています。例えば、2019年3月15日が期限の確定申告では2018年1月1日から12月31日が対象期間となりますので、この対象期間において確定した債務のみが算入可能な経費となります。支払い時期は関係がありません。

「必要経費」になるものとならないもの

この必要経費を計上することで不動産所得が減り、節税につながります。ただ中には必要経費だと思っていても実際は必要経費に認められないこともあるので注意が必要です。例えば、一緒に暮らす配偶者などの親族に支払う土地代や家賃は必要経費にはなりません。また、こうした家族に支払った給与も原則的には必要経費にはなりません。

提出期限直前に慌てないように

このように確定申告では、富裕層だからこそ注意しなければならないポイントもあるのです。確定申告の手続きは期限直前になればなるほど税務署の窓口も混み合います。税理士などに頼む場合も早めの連絡を心がけておきましょう。

文・J PRIME編集部

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