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(画像=99Art/Shutterstock.com)

日本は先進国の中でも高等教育費用の家計負担が大きい国だといわれています。そんな学費の負担を支援してくれるのが奨学金制度です。奨学金というと、家計が苦しい世帯のためのものと思われがちですが、実際には高所得世帯もかなりの割合で申請している傾向です。今回は、高所得世帯の奨学金活用の最新事情をチェックしましょう。

所得1,900万円以上の世帯でも約4割が奨学金を申請

奨学金を利用する目的は、もちろん家計の補助です。加えて家計に余裕がある世帯でも利用することで現金をストックし、それを資産運用に回せるというメリットがあります。そのため高所得者層や富裕層でもチャンスがあれば、積極的に奨学金を利用していきたいものです。ここで興味深いデータがあります。奨学金希望者の申請状況を収入別に見てみると以下のとおりです。

【所得別の奨学金申請状況】
1,000万~1,100万円:28.2%
1,100万~1,300万円:35.8%
1,300万~1,500万円:18.1%
1,500万~1,700万円:15.2%
1,700万~1,900万円:0%
1,900万円以上:37.5%
出典:東京私大教連「私立大学新入生の家計負担調査2018年度版」

このデータから1,000万円以上の高所得世帯でもかなり高い割合で奨学金を申請していることがわかります。とくに1,900万円以上の世帯は4割近くが申請しています。「高所得世帯だから奨学金は関係ない」と思い込まず、リサーチしたうえで要件を満たす奨学金はしっかり利用していきたいものです。

日本学生支援機構の奨学金−貸与型と給付型で性格が違う

奨学金の中で最もポピュラーな機関が日本学生支援機構(JASSO)です。ただし日本学生支援機構の奨学金は「給付型」「貸与型」と2種類あり、それぞれで特徴が大きく異なります。「給付型」は、2020年4月にはじまる新制度で、返済しなくてもいい奨学金です。一方の「貸与型」とは、平たくいえば借金ですので、当然ながら後々返さなければなりません。

また貸与型には利息がつかない第一種と、利息のつく第二種があります。では奨学金が受けられる基準はどのようなものなのでしょうか。慶應義塾大学の基準を例に見てみましょう。例えば以下のような家庭環境の学生が奨学金を受ける場合で考察してみましょう。

・父、母、本人、弟か妹1人(公立高校生)の世帯
・収入は父か母のどちらか一方のみ
・大学へは自宅外通学
・第二種奨学金を希望

次のような家計基準(奨学金を受けるための限度額)が想定されます。

医学部
・年間給与収入:1,407万円
・事業所得:999万円

理工学部
・年間給与収入:1,229万円
・事業所得:821万円
※参照:慶應義塾大学 奨学金案内2019年度

これらはあくまでも目安です。大学種別、希望する奨学金、収入形態、通学形態等、世帯人員などによって基準額は変わります。収入が基準を超える場合であっても対象となる可能性がありますので、大学が用意した資料などをもとに一度詳しく調べてみることをおすすめします。

大学独自の奨学金−大学ごとに基準は多種多様

日本学生支援機構以外にも、大学が独自に用意している奨学金があります。今回は以下の2大学を例にして紹介します。

早稲田大学

・めざせ!都の西北奨学金
審査に通ると入学時納入金から春学期分授業料が免除されます。4年間の継続が可能で採用候補者数は約1,200名です。

・大隈記念奨学金
早稲田の創立者大隈重信を記念して設置された、人材育成を目的とした奨学金。学業成績を重視して選考されます。学部ごとに少人数が対象です。

法政大学

・開かれた法政21
学業、スポーツ、芸術、ボランティア活動などですぐれた実績をあげた学生に給付される返済不要の奨学・奨励金です。家計状況に関係なく給付される奨学金もあります。

・L・U(リーディング・ユニバーシティ)奨学金
在学中に難関資格試験に合格したり、団体スポーツで優秀な成績を収めたりした学生に給付されます。

基準を満たす奨学金をリサーチしよう

従来の奨学金制度に加えて、授業料の減免や返済不要の給付型奨学金の拡充といった支援策が、低所得者層を対象に2020年4月からはじまります。それ以外にも大学独自の奨学金制度や、国・自治体が設置している奨学金もあります。中間層、高所得者層の方も基準を満たす奨学金があるかもしれません。ぜひ一度チェックしてみてください。

文・J PRIME編集部

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