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(画像=HandmadePictures/Shutterstock.com)

2023年には約1,500億円規模になると言われている世界の人工肉市場。人工肉とは肉の食感や風味、見た目などを再現した加工食品のことで、ベンチャー企業に加えて大手企業もこの領域に積極的に参入し、ビジネスが活発に行われ始めています。

そもそも人工肉とは?

人工肉は「代用肉」「代替肉」「植物肉」「フェイクミート」などとも言われ、一般的には植物性たんぱく質を原材料としてつくられます。一方、動物の細胞を培養してつくる場合は「培養肉」と呼ばれ、人工肉とは異なる扱いをされるのが普通です。

調査研究事業を手掛ける日本能率協会総合研究所の試算によれば、2020年度における世界の人工肉市場は1,200億円規模ですが、年々右肩上がりの状況が続き、2023年には1,500億円まで伸びると見られています。

人工肉が注目されるようになった理由としては、世界的に懸念される食料不足のほか、養鶏や牧畜の非効率性や家畜から発生する温室化ガスなどに対する指摘などが挙げられますが、同研究所は今後について「ベジタリアンの増加」や「健康志向の高まり」なども市場拡大に寄与すると指摘しています。

同研究所は発表の中で、人工肉市場は欧米で拡大した後、中国を含むアジア、そして日本への波及も見込まれていることにも触れています。

上場で注目を浴びた米ビヨンド・ミート

人工肉を製造する企業として今年注目を浴びたのが、米企業のビヨンド・ミートです。2019年5月に米ナスダック市場に上場し、マイクロソフト創業者であるビル・ゲイツ氏やアメリカの有名俳優が出資していることでも関心を集めました。

上場は同社が設立されてから10年目のことで、既に人工肉をアメリカやカナダ、イスラエルなどのレストランやスーパー向けに出荷していることなどが投資家にとってはポジティブ材料になり、IPO(新規株式公開)では初日に株価が2倍以上に跳ね上がる結果となりました。

2011年に設立された米インポッシブル・フーズも、人工肉・植物肉の分野で存在感を示しています。インポッシブル・フーズはハンバーガー大手の米バーガーキングに植物由来の食材を提供する契約を結んでおり、バーガーキングでは既に一部の店舗で人工肉を使ったハンバーガーを店頭で販売しており、消費者からは好評を得ているようです。

食品・飲料大手のスイス・ネスレも人工肉マーケットに参入しています。過去に人工肉開発などを進める米企業を買収し、2019年4月にはハンバーガーのパテとして人工肉を販売することを明らかにしています。

植物性由来で作ったシュウマイ登場

日本でも2019年7月に人工肉に関してあるベンチャー企業が報道発表し、話題となりました。報道発表を行ったのは植物性商品を扱うグリーンカルチャー株式会社です。

同社は植物を主原料として肉製品とそっくりな原材料を開発し、その人工肉を使ったシュウマイの販売を開始すると明らかにしました。報道発表では「食感の再現にこだわりました」とした上で、畜肉や畜肉エキスなどの動物性原材料を全く使用していないことなどを説明しています。

同社は販売するシュウマイについて「味・食感・香りの面で畜肉のシュウマイに非常に近く、畜肉を使用するシュウマイと区別がつかないと一部の投資家から評価を受けています」とも語っており、同社の今後のさらなる商品開発にも業界で注目が高まっています。

2040年には世界の肉の60%が…?!

持続可能な地球環境を考える上で畜肉から人工肉に消費をシフトしていくという考え方は、欧米を中心に徐々に広まりつつあります。今はまだスーパーやレストランで見かけることは決して多くはありませんが、将来的には人工肉が売られていることが当たり前になっている可能性もあります。

米コンサルタント会社のATカーニー社は、世界において人工肉や培養肉が占める割合は2040年には60%に上ると予想しています。

文・J PRIME編集部

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