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(画像=oatawa/Shutterstock.com)

「ハイイールド債」と呼ばれる高利回り債(低格付け債)の発行が日本で初めて発表されました。高利回り債は高い利回りが特徴です。信用の低い会社でも資金を集めやすくなり、投資家にとっては投資商品の幅が広がります。今回は、注目の高利回り債について解説します。

日本初の高利回り債(低格付け債)

高利回り債(低格付け債)の発行を決めたのは消費者金融大手のアイフルです。2019年5月に第61回無担保社債として公募で発行することを発表しています。発表に合わせて「社債発行による直接調達や⾦融機関からの借⼊による間接調達など、資⾦調達の多様化により、さらなる財務基盤の強化を図ってまいります」とコメントしました。

発行総額は150億円で利率は0.990%、各社債の金額は1億円で、株式会社日本格付研究所(JCR)による格付けはBB格(ダブルB格)と発表されています。日本において「投機的格付け」とされるBB格の公募債が発行されるのは初めてのことで、発表時を含めて大きな注目を集めました。次の項では、アルファベットで示される格付けと投機的格付けの定義について、少し深掘りして解説します。

「投機的格付け」とは?

債券は一般的に「AAA(トリプルA)」から「C(シングルC)」の間などで格付けされ、この例に合わせて説明すれば、AAAに近いほど利回りが低くなり、Cに近いほど利回りが高くなります。ただ逆に信用度でみると、AAAに近いほど信用度が高くなり、Cに近いほど信用度が低くなるという仕組みです。また格付け会社によって同じ債券でも格付けに違いが出てくることも少なくありません。

この格付けにおいて、一般的には「AAA」「AA」「A」「BBB」の4つの格付けを「投資適格格付け」と呼び、「BB」「B」「CCC」「CC」「C」の5つの格付けを「投機的格付け」と呼びます。投機的格付けだからといって一概に投資をすべきではないというわけではなく、あくまで民間の格付け企業による各債券の信用度に対する意見です。

高利回り債の特徴として債券の信用度が比較的低めであることが挙げられます。逆に高利回り債が日本で定着するようになれば、信用が低い会社でも資金集めをしやすくなるということです。日本で長らく続く低金利時代においては、高い利回りの低格付け債が登場することを朗報ととらえる投資家もいるのではないでしょうか。

日銀は適格担保を拡充

こうした高利回り債が日本で今後根付く可能性を指摘する有識者も少なくありません。その根拠の一つとして挙げられているのが、日銀の適格担保の拡充です。日銀の適格担保とは、日銀から金融機関がお金を借りる際に差し出すもののことで、日銀はこの適格担保における受け入れ基準となる社債の格付けを従来の「A格以上」から「BBB格以上」に緩和しました。

つまり受け入れる社債の格付け基準を1段階下げたということになります。ちなみに日銀が発表している公式文章では「外部格付けを取得している企業の債務については、当該企業がBBB格相当以上の格付けを取得していること」を説明されています。このほか、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は2018年4月から国内債券に関する新たな運用ガイドラインを適用しました。

国内債券への投資格付け基準をBBB格未満に下げたのです。このことも高利回り債の将来的な定着にとっては追い風であるとみる専門家もいます。

グローバルでは存在感が大きい高利回り債

利回りが高い高利回り債が日本でどれだけ根付いていくかは、今はまだ不透明ですが、海外では高利回り債は一定の存在感を示しています。今後新たに高利回り債を公募で発行する企業が日本国内でも出てくる可能性があり、引き続き社債市場から目が離せない状況が続きそうです。

文・J PRIME編集部

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