car sharing
(画像=Andrey_Popov/Shutterstock.com)

今、自動車業界に異変が起きつつあります。「車は保有するもの」という概念が、崩れようとしているのです。シェアリングエコノミーと呼ばれる、保有するのではなく、必要な時に使う、共有するという概念が、自動車の世界にも広がりつつあります。

車を移動手段として使う方法は、自動車を保有する以外にも、レンタカーやタクシーなど、これまでもいくつか種類がありました。しかし、ここ数年で自動車の使い方は多様化しています。今、自動車がどのように使われているのか、事例をもとに紹介します。

自動車メーカーも、中古車販売店もカーシェアに参戦

今、自動車業界で大きなテーマとなっているのが、「カーシェア」です。実際、カーシェアのサービスに様々な業界が注視しています。

その代表的なものが、トヨタ自動車のカーシェアリングへの参入でしょう。トヨタ自動車は、TOYOTA SHAREという、24時間、スマートフォンアプリで車両の貸し借りができるサービスの提供を始めました。これまでもトヨタレンタカーを運営していた同社ですが、広がるカーシェアのニーズに合わせ、サービスを拡充したのです。

また、中古車大手でガリバーを運営するIDOMも、個人間カーシェアリングサービスである「GO2GO」のサービス提供を開始しています。同社は、車の販売だけにこだわらず、セールス、リース、シェアリングと、顧客のニーズに合わせて新しいビジネスを展開していくことを目指しています。

このほかにも、DNAが「Anyca」と呼ばれるカーシェアサービスを開始、BMWやminiなどの外国勢も、NTTドコモが運営する「dカーシェア」を通じてカーシェアに車を提供するなど、さまざまな企業が、カーシェア事業に参入しており、戦国時代を迎えてます。

MaaS革命により、自動車の利用形態は多様化していく

自動車の利用形態が広がっているのは、カーシェアだけではありません。トヨタ自動車は、「KINTO」と呼ばれるサービスを始めています。KINTOは、頭金なし、月々定額で、自動車を一定期間所有できるサービスです。また、トヨタ自動車は、ソフトバンクと合同で「MONET」という会社を設立しており、この新会社では利用法も含め新しい自動車の在り方を模索していくようです。

こういった背景にあるのは、MaaS(マース)と呼ばれる新しい動きです。MaaSは「モビリティ・アズ・ア・サービス」の略で、「必要な時にだけ、自動車を使う」と呼ばれる発想です。MaaSは、次世代自動車競争の中でも注目されており、今後、新しい自動車は「使い方」が変わってくると見られているのです。

これまでも単純に所有するだけだった自動車が、一定期間レンタルする、また、必要な時に使う、自動車を貸し出すなど、その利用形態は多様化しています。若い世代の人たちは、特にものを所有することにこだわらず、必要な時に使えればいいという考え方を持っている人も多いことから、今後、自動車についても、シェアリングエコノミーがますます進んでいくことが想定されます。

世界的に、所有から共有への流れは進んでおり、カーシェアの利用人数は、2015年には全世界で1,000万人だったものが、2021年には、3.5倍の3,500万人、市場規模は6,000億円を超えていると言われています。今後、自動車産業にかかわる人たちは、この所有から共有の流れの中で、新しいサービス、仕組みを作っていく必要があるのです。

今後、自動車の在り方が大きく変わっていく

今、次世代自動車といえば、電気自動車や自動運転など、その自動車の性能に目がいきがちです。しかし、今後の自動車はその性能と同等、またはそれ以上に、自動車の使い方、持ち方も、新しいニーズに合わせ進化していくでしょう。近い将来、自動車はコレクションとして所有するもので、一般の人はニーズに合わせて使う、そういう未来が待っているかもしれません。

文・J PRIME編集部

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