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(画像=Nickolay Stanev/Shutterstock.com)

答えは、サンフランシスコ。これは人口当たりのビリオネア(資産10億ドル以上を保有する人)の割合で、サンフランシスコは1万1,612人に1人の割合で市内にビリオネアが住んでいます。それに比べて、東京は、31万9,750人に1人。サンフランシスコの30分の1です。ただし、ビリオネアの実数では、異なります。

富裕層の調査レポートから、世界の都市の富裕層の実態を紹介しましょう。

東京は、人数でも29人、人口当たりの数でも圏外

先日、アメリカの調査会社Wealth-X(ウェルス-エックス)がビリオネアの分布まとめた「Billionaire Census 2019」を発表しました。この調査によると、2018年の世界のビリオネア数は2,604人(対前年比5.4%減)で、彼らが住んでいる都市のランキングは次のようになっています。

1位 ニューヨーク(アメリカ):105人(8万1,311人に1人)
2位 香港(中国):87人(8万4,962人に1人)
3位 サンフランシスコ(アメリカ):75人(1万1,612人に1人)
4位 モスクワ(ロシア):70人(17万6,145人に1人)
5位 ロンドン(イギリス):65人(13万5,198人に1人)
6位 北京(中国):55人(22万3,000人に1人)
7位 シンガポール(シンガポール):39人(14万3,904人に1人)
7位 ロサンゼルス(アメリカ):39人(10万1,957人に1人)
9位 ドバイ(UAE):38人 (8万4,007人に1人)
9位 ムンバイ(インド):38人(32万7,431人に1人)
11位 深圳(中国):37人(29万4,636人に1人)
12位 サンパウロ(ブラジル):33人(36万2,661人に1人)
13位 イスタンブール(トルコ):32人(46万2,629人に1人)
14位 杭州(中国):31人(14万3,677人に1人)
15位 東京(日本):29人(31万9,750人に1人)

これは、人数のランキングですから、これだけで億万長者が多いとは言えません。むしろ、( )内に示した人口当たりの人数のほうが実態を表しています。

とすると、1万1,612人に1人のサンフランシスコが圧倒的な1位になり、続いて約8万人台のニューヨーク、ドバイ、香港と続きます。東京は人数で29人、人口当たりも31万9,750人に1人で、いずれもトップ10圏外です。

東京に住むビリオネアはどんな人たち?

では、東京に住むビリオネアとはどんな人々でしょうか?

アメリカの経済誌『フォーブス』の「世界長者番付2019」によれば、日本のビリオネアの1位はファーストリテイリングの柳井正会長で資産額は222億ドル、世界全体では41位です。2位はソフトバンクの孫正義氏で、資産規模は216億ドル、世界全体では43位です。2人とも都内に豪邸を構えています。

以下、キーエンス創業者の滝崎武光氏、ユニ・チャーム創業者の高原豪久氏、楽天の三木谷浩史氏、森ビルの森章氏、光通信の重田康光氏、セブン&アイ・ホールディングの伊藤雅俊氏、日本電産創業者の永守重信氏、ABCマートの三木正浩氏と続きます。いずれも、大企業の経営者か創業者です。

これは、ほかのビリオネア都市とは大きく違います。みな日本人だからです。モスクワ、ムンバイ、イスタンブール、サンパウロと中国の北京、深セン、杭州の3都市をのぞいて、世界のビリオネア都市は、多国籍のビリオネアが暮らしています。

そういうなかで、日本人だけというのは、東京が世界の富裕層にとって魅力のない都市だということの表れです。

なぜ東京には世界の富裕層がやって来ないのか?

日本は、世界的に富裕層の数が多い国の一つです。クレディ・スイスが世界の富裕層の動向をまとめた「Global Wealth Report 2018」によると、ミリオネア(資産100万ドル以上を保有する人)は約280万人。アメリカと中国に次ぐ第3位です。

また、前出のWealth-Xのレポートで、資産3,000万ドル以上を保持する準ビリオネアの都市別ランキングを見ると、1位が香港で約1万人、2位がニューヨークで約8,900人、3位が東京で約6,800人となっています。

つまり、東京にはスーパーリッチは少なくとも、リッチな人々は多い都市なのです。ただし、前記したように、このなかに多国籍のリッチはほとんどいません。

日本にはアメリカのような移民法がないこと、税金が高く、日本の税制が世界に比べて厳しすぎること、英語があまり通じないことなど、さまざま原因があります。しかし、最大の原因は、富裕層向けの生活インフラがないことでしょう。東京の高級コンドミニアムにはメイドルームがありません。また、バトラー(執事)の派遣サービスなどもありません。

世界の富裕層が集まるニューヨーク、香港、ロンドン

では、世界のビリオネア都市の特徴を見ていきましょう。

まずは人数で世界一のニューヨークですが、ここに住むビリオネアは多国籍です。世界中から富裕層が集まっています。富裕層にとってニューヨークに豪邸を持ち、1年のうちの数ヵ月を過ごすことが最大のステータスだからです。ニューヨークを代表するビリオネアは、マイケル・ブルームバーグ氏です。

香港もまた、世界中から富裕層が集まっています。それは、世界有数のオフショアであり、国際金融センターだからです。また、中国投資へのゲートウェイでもあります。代表的なビリオネアはCKハチソンホールディングス創立者の李嘉誠氏です。シンガポールもオフショア、国際金融センターである点で香港と同じです。

ロンドンも国際金融センターであり、世界のオフショアへのアクセスポイントのため、世界中からミリオネア、ビリオネアが集まります。世界最高級のタウンハウス「ケンジントン・パレス・ガーデンズ」の豪邸は2億6,000万ドルもするところがあります。ここには、インドの鉄鋼王ラクシュミ・ミッタル氏、ロシアの石油王ロマン・アブラモビッチ氏の豪邸が立っています。

サンフランシスコは一夜にして大富豪が誕生する都市

このようなビリオネア都市のなかで、現代を象徴しているのがサンフランシスコでしょう。シリコンバレーがあるここは、ITハイテク企業とスタートアップの聖地だからです。ベイエリアには多くのITリッチが住んでいます。

フェイスブックの創業者の1人ダスティン・モスコヴィッツ氏、オラクルのラリー・エリソン氏、グーグルの共同創業者ラリー・ペイジ氏とセルゲイ・ブリン氏などの名前がすぐに挙がります。いまやサンフランシスコは、居住用住宅の平均価格が全米一になりました。

サンフランシスコは、デジタルエコノミーが続く限り続々とビリオネアが誕生する都市です。スタートアップたちはIPOを目指し、一夜にして大富豪になることにしのぎをけずっているからです。

文・J PRIME編集部

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