OSAKA
(画像=Picnote/Shutterstock.com)

大阪はIR(カジノを含む統合型リゾート)の有力候補地です。2019年6月、事業計画の募集をしていた大阪府・大阪市は全国に先駆けて7事業者が参加登録したことを発表しました。そのため、事業者選定が本格化しています。IRが実現すれば関西全体への大きな波及効果も見込まれるでしょう。そこで、本記事では「大阪IRに死角はないのか」について解説します。

大阪IRの成功モデルになる「リゾート・ワールド・セントーサ」

IRの誘致によって本当に大阪経済が潤うかは、同じアジアですでにIRを展開している他国の先例が参考になるでしょう。アジアでIRを運営する国は、シンガポール、韓国、マカオの3ヵ所になります。このうち、大阪と一番近い条件は、シンガポールの「リゾート・ワールド・セントーサ」です。この施設と大阪IRには「ユニバーサル・スタジオの関連施設を有する」という共通点があります。

シンガポールには、敷地内に「ユニバーサル・スタジオ・シンガポール」があり、大阪は同じニシエリアに「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」があります。さらに、両者は海沿いに立地することも共通しているのです。「リゾート・ワールド・セントーサ」では、この特性を活かしてIR敷地内に海洋歴史博物館や水族館などを配置しました。

そのため、ファミリーで訪れても楽しめる場所となっています。大阪でもシンガポール同様に海をテーマにした企画を打ち出す可能性は十分にあるでしょう。

大阪IRの売上規模は2,000億~4,100億円?

シンガポールの「リゾート・ワールド・セントーサ」は、アジアのIRの中でも成功例として知られます。条件が近い大阪IRも成功する可能性は十分あるといえるでしょう。具体的にどれくらいの売上高が見込まれるのでしょうか?東京都のIRに関する報告書によると、「リゾート・ワールド・セントーサ」の2016年度の年間売上高は1,894億円です。

このうち7割の売上をカジノがたたき出しています。また、来場者は年間2,000万人(2016年)、雇用者数は1万2,500名(2014年)でエリア内の経済活性化に大きく貢献しています。一方、大阪が試算したIRの年間売上高は、第1段階にオープンする施設規模で約2,000億円、第2段階の2030年ごろで約4,100億円です。

施設詳細や延べ床面積が確定していないため、この売上予測は今後変わる可能性もありますが、大阪市のシミュレーションはそれなりの説得力があります。詳細については、下記の大阪府のレポートをご覧ください。

統合型リゾート(IR) 立地による影響調査(外部リンク)

大阪中心部との一体化で超エンタメエリアに

大阪がIRで成功する要因としては、近年堅調に伸びている訪日外客数も挙げられます。2014年に376万人だった来阪外客は、2018年に約3倍の 1,142 万人に達しています。観光で好調な大阪にIRというコンテンツが加われば、さらに訪日外客の集客力が増す可能性が高いでしょう。今後大阪メトロ中央線の夢洲までの延伸が実現すれば、大阪市中心部とIR会場のアクセスがスムーズになることも予想されます。

これによって、大阪の他エリアの商業施設、芸能、食文化との一体感が増し、さらに大阪IRの魅力が高まるといえるのではないでしょうか。

懸念材料があるとすれば、オーバーツーリズム

今後、アジア・日本国内にIRが急増し、過当競争に巻き込まれる可能性があることが大阪IRの懸念材料です。一方で、大阪IRにはエンタメ施設が充実したり訪日外客が好調な環境であったりするなど、このリスクを吹き飛ばす材料があります。もし、大阪IRに懸念材料があるとすれば、失敗よりも想定以上の成功かもしれません。将来的にオーバーツーリズムに陥る可能性はあります。

オーバーツーリズムとは、観光客が増え過ぎて交通渋滞やゴミ問題、環境破壊などのトラブルが増加する現象のことです。例えば、近年イタリアのベネチアやフィリピンのボラカイ島などでオーバーツーリズムが深刻な問題になっています。身近なところでは、訪日外客の増加により、「京都で地域住民がバスに乗れない」という問題も発生しているのです。

「地域住民の生活を守る」という意味では、大阪IRに不安材料があります。しかし、実現すれば大阪だけでなく日本全体にとっても大きな経済効果をもたらすことが期待できるでしょう。IRがはじまる前に行政や運営会社がどれだけ対策を打てるか……この部分にも着目したいところです。

文・J PRIME編集部

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