高級時計,見本市
(画像=Creative Lab/Shutterstock.com)

「バーゼルワールド」「ジュネーブサロン(SIHH)」とは、スイスで毎年開催される2大高級時計見本市です。カルティエ、オーデマ・ピゲ、ピアジェ、ロレックスなど国際的な高級時計ブランドが集結し、世界中からバイヤーや時計愛好家が訪れます。

2020年は4月末と5月上旬と連続で開催されるなど、高級時計市場がさらに盛り上がりそうです。

創設100年の老舗高級時計見本市「バーゼルワールド」

ロレックスやチューダーなど独立系メーカーやLVMH傘下のタグホイヤーやウブロ、パテックフィリップ、日本からはセイコーやカシオといったトップメーカーが、毎年多数の新作モデルを出展する「バーゼルワールド」。100年を超える歴史を誇る、会場規模、参加企業数、出展商品数ともに世界最大の時計見本市です。

2018年まではオメガやハリー・ウィンストン、ブルゲなどを傘下にもつスウォッチグループが主要ブランドとして参加していましたが、2019年は18ブランドの撤退を発表しました。

商談目的の業界関係者のみに入場が許可されているわけではなく、一般の時計愛好家向けの入場券も販売されているため、来場者数は毎年10万人を上回ります。

バーゼルワールドの特徴は、圧巻的なスケールの壮大さと華やかさでしょう。会場はまるで巨大ブティックのように豪華に演出され、現実離れした空間を作り出しています。

2019年はスイス北部バーゼル市内の国際展示場「MESSE BASE」で3月21~26日に開催が予定されており、600以上の企業が出展します。

「ジュネーブサロン(SIHH)」

第29回目ジュネーブサロンはスイスの首都ジュネーブで1月14~17日にかけて開催され、4日間の参加者は過去最大の2.3万人を超えるという大盛況ぶりでした。

カルティエやA.ランゲ&ゾーネ、モンブラン、ボーム&メルシエなどリシュモン傘下ブランドから、スイスの老舗ボヴェといった独立系ブランドまで、合計35ブランドが出展。

バーゼルに次ぐ世界第2の高級時計見本市ですが、バーゼルが「活気溢れるダイナミック感」を特徴としているのに対し、SIHHは「洗練された高級感」の象徴である点が異なります。

SIHHの初回は1991年と比較的歴史が浅く、当時は「高級感溢れる雰囲気の中で高級腕時計を展示する」というコンセプトの元、カルティエ、ボーム&メルシエ、ジェラルドゲンタ、ダニエルロス、ピアジェ という5ブランドを、ジュネーブのパレクスポセンターでプライベート限定で公開していました。

この名残は後年に受け継がれ、2016年までは招待客のみ入場が許可されていましたが、2017年以降は一般公開日が設けられています。

スウォッチCEO「現代の時計展示会には活力と創造性が必須」

しかし時代の変化は高級時計市場にも押し寄せています。2大高級時計見本市は2018年12月、2020年はジュネーブサロンを4月26~29日、バーゼルワールドを4月30日~5月5日に開催することで合意に至りました。連続で開催することで、企業や来場者の利便性を配慮すると同時に、相乗効果を狙う意図があるものと思われます。

こうした試みは、両イベントにとってポジティブな新開地となりそうです。バーゼルワールドが年々来場者数を増やす一方で、開催日数を減らすなど規模を縮小させているのとは対照的に、SIHHは急成長を遂げているのです。

バーゼルワールドからの撤退意向表明の際、スウォッチグループのニック・ハイエクCEOは「伝統的な時計展示会はもはやスウォッチグループにとって有用ではない」とコメント。透明性やスピード感が求められる現代社会において、「時計展示会は新時代に適切に対応し、より活力と創造性を示すことが必須」との見解を示しました。

バーゼルワールドは2018年の時点で出展社数が前年の半分にも満たない約650社に減るなど、既に失速していました。毎年5,000万ドル以上をバーゼルワールドに出展料として出資していたスウォッチグループの撤退が、重大な打撃となったことはいうまでもありません。

しかし将来的にSIHHとバーゼルワールドの立場が逆転する可能性に関しては、疑問が残ります。主要ブランドや方向性が異なるため、それぞれの独自性を活かし提携しあうことで、良きライバルになることが予想されます。

文・J PRIME編集部

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