man
(画像=Nick Starichenko/Shutterstock.com)

ここ約10年、株価や不動産価格が好調だった日本。その追い風に乗って資産を増やした個人投資家も多いでしょう。しかし、2019年のマーケットは一転し、混迷を極めています。このような局面で過去の成功体験にとらわれていたら、せっかく増やした資産を失う可能性もあります。今回は、資産を守るための5つの心得を確認していきましょう。

株価約3倍で超富裕層の世帯数が過去最高に

はじめに、好調だった株式マーケットを振り返ってみましょう。日経平均株価は、約9年間で3倍以上に増大。リーマン・ショック後の約7,000円の最安値(2009年3月)から2万4,000円超の27年ぶりの高値(2018年10月)へ急伸しました。このような恵まれたマーケットを背景に富裕層の世帯数が急増。

野村総合研究所が2018年末に発表したレポートによると、金融資産から負債を引いた「純金融資産保有額」が5億円以上の超富裕層の世帯は約8万4,000世帯と、2000年以降で最大になりました。同様に、資産保有額が1億円以上~5億円未満の富裕層の世帯数も118万3,000世帯と過去最大を記録しています。

逆風マーケットで資産を守るための5つのポイント

富裕層の資産運用の腕力が問われるのはこれからが本番です。米中経済摩擦による世界経済の混乱という難局を乗り切れば、再びチャンスが巡ってきます。これを実現するには、次の5つのポイントを押さえておきましょう。

1 成功体験をリセットする
2 分散投資を徹底する
3 コア・サテライト投資戦略の導入
4 安定資産の比率を増やす
5 深入りしない

1 成功体験をリセットする
この約10年、投資家の多くがリターンを効率よく生むためのノウハウを蓄積してきたのではないでしょうか。しかし、このノウハウはあくまでも追い風マーケットのときのもので、逆境時には通用しない可能性が高いです。いったんリセットして新たなノウハウを構築していきましょう。

2 分散投資を徹底する
分散投資の重要性を頭でわかっていても、今までリターンの大きかった商品・銘柄に偏っているケースもあるはずです。分散投資の大切さを再認識して、複数の投資商品・銘柄に振り分けましょう。ダメージを受けやすい逆境時こそ、分散投資が重要です。

3 コア・サテライト投資戦略の導入
分散投資の整理に役立つのが「コア・サテライト投資戦略」です。これは、資産運用の核となるコア部分に、ローリスク・ローリターンの資産を配置。城でいえば、ここが本丸になります。この本丸を取り囲むように、ミドルリスク・ミドルリターンの資産を配置するイメージです。具体的にはコア部分、サテライト部分の資産例は次のような内容です。

  • コア資産:預貯金・国債・安定性重視の投資信託など
  • サテライト資産:上場株式、REIT、リターン重視の投資信託など

コア資産は値動きに一喜一憂せずに長期的に運用しましょう。よほどのことがなければ保有し続けます。一方、サテライト資産は市場の動きに合わせて短中期で運用が基本です。これにより、サテライト資産で大きな損失が発生しても全体のダメージを抑えやすくなります。

4 安定資産の比率を増やす
根本は前項と似ていますが、もっとシンプルな考え方が「安定資産の比率を増やす」です。仮に、現在のポートフォリオが次のような比率だったとしましょう。

  • ローリスク・ローリターンの資産 60%
  • ミドルリスク・ミドルリターンの資産 40%

株価暴落リスクが高い局面では、上記の「ローリスク・ローリターンの資産」の比率を70%、80%……といった具合に高めていきます。理屈では簡単ですが、実際に臨機応変に対応するのは意外に大変です。暴落時に慌てて差し替えるのではなく、「非常時になったらどんな投資商品に差し替えるか」を想定しておくと安心でしょう。

5 深入りしない
逆境時の資産運用では、儲けること以上に損失を最小限に抑えることがポイントです。撤退のボーダーラインを明確に決め、それを超える損失が発生したら即撤退の割り切りの良さが重要になります。

非常時は原則に立ち返ることを意識したい

知識豊富な投資家からすれば「そんなのわかっている!」という事柄かもしれません。しかし、非常時になると頭で分かっていても、行動に反映できないこともよくあります。だからこそ、成功体験をリセットして原則に立ち返ることが重要です。

文・J PRIME編集部

>>会員登録して限定記事を読む

【関連記事】
いま世界的に「ブランドロイヤルティ」が低下しているわけ?
超富裕層が絶対にしない5つの投資ミス
「プライベートバンク」の真の価値とは?
30代スタートもあり?早くはじめるほど有利な「生前贈与」という相続
富裕層入門!富裕層の定義とは?