crowd funding
(画像=Panchenko Vladimir/Shutterstock.com)

資金はないけれども実現したいプロジェクトがある時には、企業であれ個人であれ、なるべく低リスクで資金を調達したいものです。近年では、クラウドファンディングによる資金調達も浸透し、大企業でも新商品開発等に活用している場面が多く見られます。

このクラウドファンディングは、支援者から見ても魅力的な制度であることをご存じでしょうか。特に注目したいのが、クラウドファンディングで社会貢献を行いながら節税できる、寄付型のクラウドファンディングです。今回は、医療分野のプロジェクトに絞り、クラウドファンディングで支援することのメリットを紹介します。

クラウドファンディングの基本をおさらい

初めに、クラウドファンディングの基本についておさらいしましょう。クラウドファンディングには、購入型、寄付型、融資型、ファンド投資型、株式投資型と大きく分けて5つの型があります。

・購入型……支援のリターンとして商品やサービスが受け取れる
・寄付型……支援のリターンはないが税控除が受けられる
・融資型……返済金利の一部が配当される
・ファンド投資型……配当金が受けられる
・株式投資型……リターンとして株式が受け取れる

今回紹介するのは寄付型のクラウドファンディングで、この場合、支援は寄付とみなされ、寄付金控除が受けられます。寄付型クラウドファンディングは、あくまでも社会貢献のために行われるものであり、社会における弱者への支援や、災害復興のための資金として活用されます。

寄付団体への寄付とは異なり、クラウドファンディングであれば支援の目的や、支援した後の活動が分かりやすいというのも、支援側のメリットの一つでしょう。

寄付型は寄付金控除または寄付金特別控除の対象となる

寄付型クラウドファンディングを通して寄付を行うと、寄付金控除または寄付金特別控除が受けられます。寄付先の団体から領収書を受け取り、翌年の2月中旬から3月中旬の間に確定申告を行うと所得税が控除され、確定申告後に還付金が受け取れます。

所得控除される額は、その年に支出した特定寄付金の額、もしくはその年の総所得金額の40%の額のどちらか低い額から2,000円を引いた金額です。

注目したい、医療分野でのクラウドファンディング

これまで、クラウドファンディングを通して、さまざまな分野で寄付金が集められてきました。実は医療分野でも、いくつかの医療機関がクラウドファンディングを実施し、見事に成功を収めています。

大阪母子医療センターの「最新の保育器を購入したい!」

総合周産期母子医療センターである大阪母子医療センターが2017年に行ったクラウドファンディングでは、目標額300万円に対し、寄付者392人、寄付総額は1,000万円を超えて大成功を収めました。目標額の300万円は保育器1台分を購入できる額でしたが、最終的に保育器3台分の支援額が集まったのです。返礼品には、子どもが手術の体験に参加できるキッズセミナーなどが用意されていました。

このクラウドファンディングの背景には、深刻化する少子化問題がありました。現在、国内でも地方にある産科は減少の一途をたどっており、子どもを産みたいけれど、自宅の近く・里帰り先の近くに産科がないという状況が起こっています。

産後、母子ともに必ず健康であるという保証はなく、設備の整っていない小さな産科では産前産後のトラブルへの対応が難しいケースも少なくありません。大阪母子医療センターでは、産後のトラブルから新生児を守るために、保育器を乗せたドクターズカーで新生児を迎えに行き、NICU(新生児特定集中治療室)のある医療機関まで送り届け、新生児の命を守っています。

ユニセフの調査によると、日本では1,000人あたり0.9人の新生児が死亡しているといいます。一人でも多くの赤ちゃんを救いたいという同センターの気持ちが、多くの支援者を集めたのではないでしょうか。

名古屋大学医学部付属病院「最前線で戦う小児医療の現場に光を」

名古屋大学医学部付属病院は、小児がん拠点病院として、多くの小さな命を守り続けています。2019年3月に開始されたこのプロジェクトは、2,500万円の目標額に対し、1,000万円超の約3,650万円を集め5月31日に終了しました。

支援金は、新生児・小児の搬送用ドクターカーの購入に1,500万円、小児用医療器具の購入に300万円、CT・MRIなどの検査機器への装飾で200万円が使われる予定です。病気で苦しむ乳幼児から、少しでも苦痛を取り除いてあげたいと努力を続けている同院の取り組みは、多くの人の心をつかみ、支援者は900人に達しました。

国から医療施設への支援等が不足する中で、このように一般の支援者を数多く集められるクラウドファンディングは、今後も医療分野で広く活用されていくと考えられます。クラウドファンディングのプラットフォームを時々のぞいて、気になるプロジェクトがあれば、積極的に支援してみましょう。

さまざまな分野の取り組みを、クラウドファンディングで応援しよう

今回は医療分野でのクラウドファンディングの事例をご紹介しましたが、介護や教育、その他の分野での寄付型クラウドファンディングも数多くあります。社会の中でさまざまな格差が広がる昨今、それを埋める一つの手立てとして、こういったサービスはこれからも発展していきそうです。

社会貢献だけでなく、所得税控除などの節税効果もある寄付型クラウドファンディング、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。

文・J PRIME編集部

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