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(画像=GaudiLab/Shutterstock.com)

日常生活からビジネスまで欠かすことができない存在となったスマートフォンですが、通信費を含めた費用は、家計を圧迫することもあり、消費者としては悩ましい問題です。そのような中、大手通信キャリアのドコモとKDDIは2019年6月から携帯料金値下げプランの提供を開始しました。通信料が最大4割安くなるとされており、消費者にとって朗報となりそうですが、この値下げが通信キャリア業界にはどのような影響を与えていくのでしょうか。

大手キャリアでもスマホ通信料1,980円から

今回の大手通信キャリアによる新プランの一例として、「新auピタットプラン」では、3人以上の家族割プラス、2年契約などの条件を満たした場合、通信量1GBまでは月額1,980円からと、従来の料金と比較しても、割安感が漂います。

消費者のスマホ依存度が高まり、安定した需要に支えられている中、料金の割引を打ち出した背景には政治的な動きも関連しています。値下げの端緒とみられるのが、2018年8月の菅義偉官房長官による「(携帯電話の利用料金は)4割程度下げる余地がある」との発言です。

それまでも、日本のスマホ利用料金は、他国と比較して割高という指摘がされてきました。総務省による「電気通信サービスに係る内外価格差調査」(2017年度)によると、シェア上位3事業者の料金プラン(データ容量20GB/月)では、東京は7,022円とパリ(2,460円)の約2.9倍、ソウル(5,009円)の1.4倍など、調査対象とした世界6都市の中で最も高い結果となりました。

また、他の都市ではスマホ料金が値下げされている傾向が見られるなか、東京では、特にトップシェアを占める通信キャリアの料金が高止まりしている結果が明らかになりました。高止まりする料金で利益を上げすぎていることが暗に批判される格好となったのです。

スマホ料金の競争激化、格安スマホ会社に試練

携帯電話を巡る制度は、料金だけに限らず、さまざまな改革が実施されてきました。通信キャリアを変えても携帯電話番号を引き継ぐことができるポータビリティ制度、SIMロック解除の義務化などです。

こうした制度の変化に加え、携帯電話を取り巻く利用環境も大きく様変わりしました。通話やショートメッセージから、アプリを中心とした利用方法が広がっています。利用者は、かつてのように大手キャリアを利用していた際の携帯のメールアドレスや番号にこだわらずに、通信料の安いキャリアを求めて、躊躇なく契約キャリアを変更するようになってきました。その需要を取り込むように、大手通信キャリア以外の企業が提供する格安スマホが登場しました。

こうした中、大手通信キャリアと比較して割安な料金を提供する格安スマホが人気を集め、従来の通信会社以外にも小売業などから参入するケースも相次ぎ、成長が望める携帯電話の通信事業を巡る競争が激化しています。割安な料金を求める利用者を取り込み、成長を続けてきた格安スマホ会社にとって、今回の大手通信キャリアによる値下げは大きな脅威となりそうです。大手通信キャリアの割高な料金を嫌う利用者の受け皿となってきた格安スマホ会社は、料金だけでは利用者に訴求できなくなっていくかもしれません。

来たる5G時代

2020年には次世代通信規格である5Gのサービスがスタートする予定で、利用者のデータ通信量が増加すると見込まれ、携帯電話の利用環境に大きな変化がもたらされるでしょう。5Gのスタートを目前に控える中、大手通信キャリアによるスマホ料金の値下げで、格安スマホ会社が更なる料金の値下げに踏み切るのか、あるいは事業者が淘汰されていくのか、いずれにしても通信キャリア業界の競争が激しさを増していきそうです。

文・J PRIME編集部

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