下方修正,アップルショック
(画像=Drop of Light/Shutterstock.com)

アップルが年明け早々に、第1四半期(Q1)の業績を下方修正しました。これにより、iPhoneの部品を供給している、村田製作所やアルプスアルパインなどの株価が下落するなど、アップルのみならず、部品メーカーに大きな影響が出ました。iPhoneの販売台数を非公表にするなど、アップル自身が方向性を変えようとしていることも下落の一員となっています。今後、クック体制のアップルはどうなるのか。解説します。

新年株式市場を襲ったアップルショック

年明けの1月2日、株式市場に激震が走りました。時価総額世界一を争う、アップル社から、投資家へのリリースという形で、Q1の業績の下方修正が出たのです。主に中国市場で苦戦したことや、iPhoneの販売台数が想定に届かなかったことが要因とされています。これまで、アップルはiPhoneの販売台数を伸ばすことで、売上と利益をけん引してきており、このニュースに、投資家たちは失望を覚え、アップルの株式は売られ、1日で約10%株価は下落しました。

また、アップルのみならず、アップルに部品を卸しているメーカーも軒並み売られました。例えばアップルの電子部品を手掛ける村田製作所の株価も、年始に9.8%下落したり、また、アップルの組み立てを担う鴻海の株価も下がったりなど、アップル関連企業の株が世界的に売られたのです。

アップルはもう「終わり」なのか

実際、アップルは、iPhoneの成長に頼った形で成長してきました。しかし、アップルは本当に「終わり」なのでしょうか。最新の決算から状況を見てみましょう。

売上は昨年割れ。要因はiPhone

まずは売上からです。2017年のQ1が880億ドルに対し、2018年は840億ドルと、約4.6%の下落でした。中身を見てみると、最も売上構成比の大きいiPhoneが、前年の611億ドルから本年520億ドルと、約15%と下落したことが要因です。一方、Macの売上は8.6%の増加、iPadの売上は17%の増加と、他のアイテムの売上は増加、さらに、プロダクト以外のサービス部門の売上は19%増加し、初めて四半期で100億ドルを超えました。

一株あたり利益は増加

利益面でいうと、売上が減った分、純利益は20.1億ドルから20.0億ドルへと微減でした。しかし、自社株買い等の影響もあり、EPS(一株あたり利益)は、3.92ドルから4.22ドルへと増加しています。つまり、売上が下がったにもかかわらず、利益面では昨年を上回っているのです。これは、利益率の高いサービス部門の売上構成比が上がったことなどが寄与しています。

このように、iPhone苦戦で、苦しんでいるように見えるアップルですが、利益はきちんと出していることがうかがえます。

アップルが再び輝きを放つ可能性はあるのか?

しかし、これまでiPhoneの売上がアップル全体をけん引してきたゆえに、投資家の不安はぬぐえていません。そこには、アップルが次の成長の絵を描けていないことが要因としてあります。

例えばアマゾンの場合、AWS(Amazon Web Services)部門が利益面で小売部門に負けない水準になるなど、新しい収益の柱ができていますし、Googleも自動運転など、新しい収益源を見つけようとしています。しかし、アップルは、サービス部門の売上、利益ともに伸長しているものの、新しい収益源を見つけるまでには至っていないのです。そのため、iPhoneがここからさらに下落することになれば、アップルの売上、利益の低下は避けられません。今後、アップルが再度輝きを放つためには、新しいビジネスインパクトを残す必要があり、投資家もそれを望んでいるのです。

アップルの「次の戦略」に注目

アップルは、売上を下方修正したとはいえ、ビジネス自体は悪くありません。しかし、iPhoneが売上をけん引してきた以上、投資家からは、「次のビジネス」「次の商品」が求められています。もともと高い期待を背負っていただけに、期待に応えられない限り、仮に今まで同様利益を出しても、投資家は納得しないでしょう。そういう意味でも、アップルの「次の打ち手」には、注目しておきたいですね。

文・J PRIME編集部

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