AI,IoT,暮らし
(画像=13_Phunkod/Shutterstock.com)

コンピュータ技術における大きな潮流としての人工知能(AI)や、あらゆるものがインターネットにつながるIoT(Internet of Things)など、新しいテクノロジーがどのように人々の生活を変えていくのかに、今注目が集まっています。

アメリカのIT企業、ヴイエムウェアが実施した調査によると、こうしたテクノロジーによる自動化サービスとして最も注目を集めている業界は、「医療・福祉」がトップで、「自動車」「金融サービス」「小売り」と続きます。イギリスとドイツで行われた同様の調査との比較で、日本人はAIやIoTを活用した自動運転、医療サービスや金融サービスなどの利用に前向きかつ寛容であることが分かったそうです。

過半数を超えた「自動運転カーを利用したい」派

自動運転を実現するスマートカーについて、興味のある事柄を尋ねたところ、「安全機能の強化」(55.6%)、「燃費」(34.5%)、「より良いルート計画」(33.3%)が上位に並びました。完全自動運転車を利用したいかとの設問に対しては、「利用したい(利用したい、おそらく利用する)」が51%と過半を超え、英国の48%、ドイツの40%を上回りました。

利用したいとするその理由は、上位から「安全性が強化されているから」(63.4%)、「交通渋滞や長距離運転に伴う疲労の軽減」(58.2%)、「自動運転による移動時の自由時間の確保」(48.9%)の順でした。

一方、利用したくない理由の上位は、「事故への恐怖」(55.9%)、「無人運転車への不信」(53.1%)、「自分自身での運転の楽しさが重要」(33.1%)でした。「ハッカー攻撃の恐怖」という回答も25.2%ありました。

また、完全自動運転車を所有したとして、お子さんの学校への送迎手段として自動運転車を信用できますかとの設問に対しては、日本では「信用できる(問題なく信用できる、おそらく信用できる)」が過半を超え(50.8%)、英国の22%、ドイツの14%を上回りました。同じ自動車メーカー大国である中で、日本で意外なほど自動運転車への信頼度が高いのは、注目すべき数字と言えるでしょう。

AIを利用した医療

AIにより、今まで以上に良い医療サービスを受けられると思うかとの問いに対して、「同意(強く同意、やや同意)」が54%と過半を超え、自動運転同様、ドイツの47%、英国の34%を上回りました。AIが医療や介護でもたらす影響としては「より正確な診断」(37.0%)、「待ち時間の軽減」(31.2%)、「迅速な診断」(29.3%)に続いて、「医療情報システム(人間以外)に対する信頼性の向上」(27.0%)、「医療・福祉従事者(人間)に対する信頼性の向上」(23.6%)となっています。

金融サービス(AIの利用)

AIの活用がメリット、あるいはデメリットになると感じる事柄は何かとの問いに対しては、「銀行での待ち時間の短縮」(54.8%)、「金融情報の処理と管理の正確性の向上」(26.2%)、「銀行店舗への訪問や行員とのやりとりが不要になること」(22.2%)などをメリットとして挙げる回答が上位でした。一方、英国、ドイツでは、「行員とのやりとりの低減に伴う顧客サービスの劣化」や「金融情報漏洩のリスク上昇」など、AI活用によるデメリットを挙げる回答が目立っています。

チャットボットを利用した小売り

小売りはどうでしょう。AIを活用したチャットボットの対話について、「チャットボットに話しかけたことがある」との問いに「ある(とてもある、ややあてはまる)」は11.9%となり、話題性が強いことを考えると、少ない印象があります。

IoTに対する期待

ここまでに紹介した4業種に関する質問に加え「今後、IoT(Internet of Things)が日本経済のけん引、経済成長に貢献すると思うか」と質問をしたところ、「貢献する(必ず貢献する、貢献する)」が58.6%となり、IoTに大きな期待を寄せていることが分かりました。また、4業種のうちで、日本が他国をリードできる業種について質問したところ「自動車」(42.1%)、「医療・福祉」(34.3%)、「小売」(15.7%)、「金融サービス」(10.9%)という結果になりました。「他国にリードできる業種はない」が21.6%に上ったことは、少し心配な要素です。

また、「日本でのIoTの普及で一番重要な要素技術は」との質問では、「AI」(61.1%)、「セキュリティ」(47.1%)、「センサー、カメラ」(22.8%)、「クラウド」(19.2%)、「デバイス」(18.6%)、「通信」(18.2%)と、AIとセキュリティが二大関心事であることが分かりました。

調査を実施したVMware EMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ地域) IoT担当のリード ビジネス デベロップメント マネージャーであるマティアス・スコーラー氏は「日本人がイノベーションを進んで受け入れる受容性を備えている一方で、特定の業界では自動化サービスの活用や導入が英国やドイツと比べて進んでいないことが分かった」と話しています。

また、医療業界や金融業界では、待ち時間の短縮、より正確な医療診断、金融情報の管理の正確性の向上などの領域でAIや自動化サービスを活用したいという強い意向があること、自動車業界に関して、日本では自動運転の実現に対して非常に積極的な姿勢が見られたとしています。これについて、日本での長年にわたる自動車業界への信頼感により、将来のイノベーションを受け入れる環境が醸成されたことの証左だと分析しています。

調査は、日本国内の20~70歳の幅広い業種にまたがる経営者と役員522人に対して、2018年の6月に実施したものです。

文・J PRIME編集部 怒賀新也

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