Gluten free
(画像=baibaz/Shutterstock.com)

食材の表記で時折みかけるようになってきた「グルテンフリー」は、男子プロテニスのトッププレイヤー・ジョコビッチ選手も食生活に採り入れるなど、注目を集めています。ストイックな体づくりが求められるスポーツ選手以外でも、グルテンフリーは日常生活の健康や仕事にも効果をもたらすとされ、その実践も浸透しつつあります。

たんぱく質の一種のグルテン

グルテンフリーな生活を実践する前に、グルテンがそもそもどういったものなのかを理解しておく必要があるでしょう。グルテンとはたんぱく質の一種であるグリアジンとグルテニンによって合成されるもので、小麦粉に水を加えてこねるとグルテンが形成されます。従ってグルテンが含まれる食べ物として、パンやパスタ、うどんなどが挙げられ、日本人の食生活の中でも日常的に摂取されていることになります。

いまでこそ一般にも広く知れ渡るようになったグルテンですが、医療の世界では自己免疫疾患の一種であるセリアック病の患者が、グルテンの摂取によって小腸に支障をきたすことが確認されていました。したがって、セリアック病の患者はグルテンの摂取を制限する必要があり、その観点からグルテンフリーが実践されてきました。また、セリアック病患者以外の人でも、グルテンの摂取によって様々な症状が発生するケースもあります。

特定疾患以外でも美容と健康で注目を集めるグルテンフリー

セリアック病の診断を受けていないけれども、グルテンを含む小麦や大麦、ライ麦などの食品を摂取するたびに体の不調を感じる場合、グルテンフリーを実践することで、その症状が快方に向かうことが期待されます。

一方、グルテンに対してアレルギーなどの問題がない人がグルテンフリーに取り組むと、個人差はみられるものの、「肌の調子がよくなった」「ダイエット効果」「疲労改善」といったメリットを実感できるケースがあります。

美肌やダイエットへの効果の面から、グルテンフリーが女性誌やテレビの情報番組などを中心に脚光を浴びている一面もあります。特にこうした効果に敏感な女性を中心にグルテンフリーの実践に駆り立てられることも多いでしょう。その実践方法として、パンやパスタなどの小麦製品をグルテンフリーのものを選択、あるいは小麦粉の代わりに米粉の代用、さらにはグルテンを含む食品そのものの摂取を控えることが挙げられます。

グルテンフリーの効果は限定的?

グルテンフリーが浸透する中で、セリアック病患者やグルテン過敏症以外の人が、美容や健康への効果を期待するあまり、グルテンフリーに闇雲に走ることに警鐘を鳴らす声もあります。例えば、アメリカにおけるグルテン摂取と疾病との関連性を調べた研究では、グルテンの摂取量と心筋梗塞の発症に相関関係が確認されませんでした。

また、糖尿病との関連では、グルテン摂取量が多いグループの方が少ないグループより糖尿病のリスクが低かったとの報告もされています。従って、グルテンが肥満や循環器疾患のリスクを高めるという因果関係は必ずしも証明されていないことになります。美容や健康の効果を期待するあまり、グルテンフリーの実践によって本来必要な栄養素が不足する事態に陥り、逆効果になってしまうケースもあります。

グルテンフリーを食事に採り入れるかどうかに当たっては、これでパンやうどんなどを食べた際に、体の不調を感じたことがあるかを確認する必要がありそうです。こうした経験がなければ、グルテン過敏症の可能性は低く、グルテンフリーを実践するのであれば、栄養素のバランスも考慮しながら、極端にストイックになるのではなく、必要な量は摂取するという考えに立って、グルテンフリーのメリットを享受しながら、そのデメリットを最小限に抑えるということが期待できるでしょう。

文・J PRIME編集部

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